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研究内容

Keywords

ナノ構造科学

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
その他の文献

所属学会

日本表面真空学会, American Physical Society

ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

原子層物質積層構造を用いた低仕事関数・高化学的安定材料

キーワード

六ホウ化ランタン(LaB6),六方晶窒化ホウ素(h-BN),ヘテロ構造,低仕事関数,電子源材料

概要

低仕事関数材料は、電子をその固体外部に取り出しやすいという特徴をもち、この特徴は、各種電子デバイスにおいて、機能発現・性能向上に有用となる。しかしながら、一般に、低仕事関数材料は、その特徴ゆえ、化学的反応性が高い(例:アルカリ金属)。その結果、低仕事関数材料は容易に雰囲気分子と反応し、安定に低仕事関数状態を保持することは難しい。現状、このことが、低仕事関数材料の応用範囲が限定されている要因となっている。本研究では、この課題を解決するため、低い仕事関数と高い化学的安定性の両方を有する、単原子層六方晶窒化ホウ素で表面被覆した六ホウ化ランタン薄膜(単原子層h-BN/LaB6薄膜ヘテロ構造)を提案し、その作製方法を確立した。

新規性・独創性

単原子層h-BN/LaB6薄膜ヘテロ構造は、下記の特徴をもつ。
通常、相矛盾する、低い仕事関数(2.35 eV)と高い化学的安定性を有する。
RFスパッタデポ(膜厚20nm)と真空加熱により製膜するため、高いスケーラビリティと高い形状自由度を有する。
大気曝露後でも600℃の真空加熱で低仕事関数状態が復活し、ロバスト性も高い。

内容

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単原子層h-BN/LaB6薄膜ヘテロ構造では、LaB6下地にh-BN薄膜が物理吸着しているため、系の仕事関数は下地LaB6の仕事関数で与えられ(図(a))、さらに、不活性なh-BNが表面を被覆しているため、高い化学的安定性も有する。当該構造は、RFスパッタデポにより製膜した窒素添加LaB6薄膜(20nm)を真空加熱すると、表面で熱拡散窒素とホウ素が反応し、形成される(図(b))。この形成過程は、AES(図(c))、HREELS、XANES測定により確認している。当該構造は、電子源材料やLEDカソード材料として優位性があり、半導体との接合界面で用いれば、設計素子機能の発現に必要となるオーミックコンタクトの実現にも有用である。

まとめ

通常、相矛盾する、低い仕事関数と高い化学的安定性を有する、単原子層h-BN/LaB6薄膜ヘテロ構造を提案し、その作製方法を確立した。当該構造は、電子源材料やLEDカソード材料として優位性があり、半導体接合界面でのオーミックコンタクトの実現にも有用である。当該構造を各種電子デバイスに用いることにより、設計機能の発現・性能向上が期待できる。

この機能は所内限定です。
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