HOME > Profile > NAGAOKA, Katsumi
- Address
- 305-0044 1-1 Namiki Tsukuba Ibaraki JAPAN [Access]
Research
- Keywords
ナノ構造科学
PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.
Research papers
- Katsumi Nagaoka, Takashi Aizawa, Shun-ichiro Ohmi. Fabrication of monolayer h-BN/LaB6 heterostructure thin film with low work function and high chemical stability. Applied Surface Science. 669 (2024) 160478 10.1016/j.apsusc.2024.160478 Open Access
- Katsumi Nagaoka, Shun-ichiro Ohmi. Bias-voltage-dependent measurement of apparent barrier height on low-work-function thin film. Journal of Vacuum Science & Technology B. 38 [6] (2020) 062801 10.1116/6.0000436 Open Access
- Katsumi Nagaoka, Wataru Hayami, Shun-ichiro Ohmi. Scanning tunneling spectroscopy study of 20 nm-thick nitrogen-doped lanthanum hexaboride thin film. Vacuum. 170 (2019) 108973 10.1016/j.vacuum.2019.108973
Proceedings
- NAGAOKA, Katsumi, YAGINUMA, Shin, NAGAO, Tadaaki, NAKAYAMA, Tomonobu. Bias dependence of STM profile around the quantum point contact. SURFACE SCIENCE. (2006) 4319-4322
Presentations
- 長岡 克己, 相澤 俊, 大見俊一郎. 表面熱析出法を用いた 単原子層h-BN薄膜/LaB6ヘテロ構造の作製とその評価. シリコン材料・デバイス研究専門委員会(プロセス科学と新プロセス技術 ). 2022 Invited
- 長岡 克己, 大見俊一郎. STMを用いた窒素添加 六ホウ化ランタン薄膜の仕事関数・電子状態測定. 日本表面真空学会学術講演会. 2018
- 長岡 克己, 大見俊一郎. 窒素添加 LaB6薄膜のSTM観察. 2018 Joint Vacuum Conference. 2018
Misc
- NAGAOKA, Katsumi, YAGINUMA, Shin, NAGAO, Tadaaki, NAKAYAMA, Tomonobu. Visualizing and exploring local electronic structure of a quantum point contact with STM. Result of the Month, Omicron NanoTechnology. (2006) 9999
- NAGAOKA, Katsumi, YAGINUMA, Shin, NAGAO, Tadaaki, NAKAYAMA, Tomonobu. Local electronic structure of a quantum point contact observed with STM. Virtual Journal of Nanoscale Science & Technology. (2006)
Published patent applications
- ナノアクチュエータ (2008)
- 電子半透鏡デバイス (2016)
- 積層体、積層体を含む電子源及び電子デバイス、並びに積層体の製法及び浄化方法 (2023)
Society memberships
日本表面真空学会, American Physical Society
Research Center for Materials Nanoarchitectonics (MANA)
原子層物質積層構造を用いた低仕事関数・高化学的安定材料
六ホウ化ランタン(LaB6),六方晶窒化ホウ素(h-BN),ヘテロ構造,低仕事関数,電子源材料
Overview
低仕事関数材料は、電子をその固体外部に取り出しやすいという特徴をもち、この特徴は、各種電子デバイスにおいて、機能発現・性能向上に有用となる。しかしながら、一般に、低仕事関数材料は、その特徴ゆえ、化学的反応性が高い(例:アルカリ金属)。その結果、低仕事関数材料は容易に雰囲気分子と反応し、安定に低仕事関数状態を保持することは難しい。現状、このことが、低仕事関数材料の応用範囲が限定されている要因となっている。本研究では、この課題を解決するため、低い仕事関数と高い化学的安定性の両方を有する、単原子層六方晶窒化ホウ素で表面被覆した六ホウ化ランタン薄膜(単原子層h-BN/LaB6薄膜ヘテロ構造)を提案し、その作製方法を確立した。
Novelty and originality
単原子層h-BN/LaB6薄膜ヘテロ構造は、下記の特徴をもつ。
● 通常、相矛盾する、低い仕事関数(2.35 eV)と高い化学的安定性を有する。
● RFスパッタデポ(膜厚20nm)と真空加熱により製膜するため、高いスケーラビリティと高い形状自由度を有する。
● 大気曝露後でも600℃の真空加熱で低仕事関数状態が復活し、ロバスト性も高い。
Details
単原子層h-BN/LaB6薄膜ヘテロ構造では、LaB6下地にh-BN薄膜が物理吸着しているため、系の仕事関数は下地LaB6の仕事関数で与えられ(図(a))、さらに、不活性なh-BNが表面を被覆しているため、高い化学的安定性も有する。当該構造は、RFスパッタデポにより製膜した窒素添加LaB6薄膜(20nm)を真空加熱すると、表面で熱拡散窒素とホウ素が反応し、形成される(図(b))。この形成過程は、AES(図(c))、HREELS、XANES測定により確認している。当該構造は、電子源材料やLEDカソード材料として優位性があり、半導体との接合界面で用いれば、設計素子機能の発現に必要となるオーミックコンタクトの実現にも有用である。
Summary
通常、相矛盾する、低い仕事関数と高い化学的安定性を有する、単原子層h-BN/LaB6薄膜ヘテロ構造を提案し、その作製方法を確立した。当該構造は、電子源材料やLEDカソード材料として優位性があり、半導体接合界面でのオーミックコンタクトの実現にも有用である。当該構造を各種電子デバイスに用いることにより、設計機能の発現・性能向上が期待できる。