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Research

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        応用物理学会

        Research Center for Materials Nanoarchitectonics (MANA)
        Title

        酸素欠損型アモルファスアルミナの研究開発

        Keywords

        アモルファスアルミナ,酸化物半導体,ReRAM

        Overview

        適度な濃度の酸素空孔をもつアモルファスアルミナ(AlOx)は電子の注入・抽出によりスイッチング現象を起こすことから、酸化物抵抗変化型メモリ(ReRAM)材料としての応用が期待されている。そこでAlOx薄膜を作製し動作原理の解明と実用的な素子の開発を目指す。また、スイッチングの原理としてAlOx中の酸素空孔に電子が出入りすることにより金属絶縁体転移を起こすことがスイッチングの起源であるというモデルを提唱しているが、その実験的な検証を行う。

        Novelty and originality

        金属絶縁体転移であるためオン・オフ抵抗比が非常に高い(106)。
        アルミと酸素だけから作製できるので希少元素、有害元素が含まれない。
        理論上はオン・オフ動作に化学変化を伴わないため劣化がしにくいことが期待される。
        応答速度が高速である。

        Details

        image

        AlOxを陽極酸化法及びスパッタ法にて作製した。スパッタ法はターゲットに金属アルミとアルミナを使用した2元同時スパッタ法を用い、各ターゲットの出力を調整することにより陽極酸化法によるものと同等の酸化膜を作ることができた。電気特性を測定したところReRAM動作が確認され(図1)、抵抗の温度変化測定により金属絶縁体転移が起きていることがわかった(図2)。第一原理計算による理論的解析及び実験データの解析から、AlOx中の酸素空孔に電子が出入りすることにより金属絶縁体転移を起こすというモデル(酸素空孔モデル)を提唱してきた(図3)。このモデルでは酸素空孔に電子が出入りすることにより原子間距離が変化し、電子がオーバーラップしたりしなかったりすることによりスイッチングが起こることが動作原理であり化学変化は伴わない。スイッチングに化学変化が伴うReRAMは2次生成物が発生するため書き換え回数に限界があると言われているが、AlOxはそれがないため書き換え回数が非常に多い素子が実現できる可能性がある。放射光測定によりこの理論を補強する結果が得られたが、さらに実験による検証を行い書き換え回数が非常に多い素子の開発を目指す。

        Summary

        AlOx薄膜を作製しReRAM動作が確認された。酸素空孔モデルを提唱し、それを裏付ける実験結果も得られた。今後も更なる検証が必要である。モデルが正しければ原理的に繰り返し書き換え回数に限界がなく非常に繰り返し書き換え回数の多い不揮発性メモリが期待される。

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