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研究内容
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
応用物理学会
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
P型薄膜トランジスタTeOxの研究
酸化物半導体, 薄膜トランジスタ, P型, TeOx
概要
N型の薄膜トランジスタ(TFT)は広く実用化されているが、P型のものは実用化レベルの性能のものはない。そうしたなかTeOxは最近高性能化に成功したとの報告があるなど注目を集め、P型TFT材料として期待されている。TeOxは本来絶縁体であるが、真空蒸着法で作製した場合TFT特性を示す場合がある。そこで真空蒸着法によりTeOxを作製しTFT特性発現の条件を調べ、動作原理を考察する。
新規性・独創性
● TeOxがTFT特性を得るには原料を還元しTeのナノパーティクルを存在させることが必須であることを明らかにした。
● TeOxの電気伝導はTeナノパーティクル間のホッピング伝導によるものであることを明らかにした。
● 従来のWボートを用いる方法は定量的な評価に適切でないことを示した。
内容


TeOx薄膜を真空蒸着により作製する場合、タングステン(W)ボートを用いる方法が一般的である。ところがこの方法では原料のTeO₂とWが化学反応するため正確な評価が難しい。そこで反応しにくいアルミナ坩堝を用い、TeO₂とW粉末を混合したものを原料に薄膜を作製しWの影響を調べた。するとWを15wt%以上混合させた物はTFT特性を示すが、10wt%以下では絶縁体になりTFTにはならないことがわかった(図1)。XPS測定を行ったところTFT特性を示す薄膜ではTe-Te結合に由来するピークが見られたが、絶縁体のものではそれがほとんど見られなかった(図2)。また、TEM観察とX線回折パターンからアモルファスTeOxの中に金属Te結晶のナノパーティクルが存在することがわかった。またSIMS等の結果からWは薄膜中には存在しないことがわかった。従って原料のTeO₂をWが還元することにより薄膜中の酸素濃度が薄まり、金属Teのナノパーティクルが分散することによりホッピング伝導による電気伝導が起こると考えられる。
まとめ
TeO₂とTe粉末の混合物を原料とし真空蒸着法により薄膜を作製した。電気特性を調べたところWを15%以上混合したものでp型のTFT特性がみられたが、10%以下では絶縁体となった。X線やTEMを用いた分析から、WがTeO₂を還元することにより薄膜の酸素を減らし、Teのナノパーティクルが生じることによりホッピング伝導が起こることがわかった。


