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学生受け入れ中
外部併任先
- 北海道大学大学院 総合化学院 機能物質化学講座 客員教授
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- 吉尾 正史. 液晶性イオン伝導体を用いた電気駆動ソフトアクチュエータの開発. 液晶. 27 [3] (2023) 190-197
- Chengyang Liu, Masafumi Yoshio. Ionic Liquid Crystal–Polymer Composite Electromechanical Actuators: Design of Two-Dimensional Molecular Assemblies for Efficient Ion Transport and Effect of Electrodes on Actuator Performance. ACS Applied Materials & Interfaces. 16 [21] (2024) 27750-27760 10.1021/acsami.4c03821
- Masafumi Yoshio, Che‐Hao Wu, Chengyang Liu. Mechanically Tough Micellar Cubic Liquid‐Crystalline Polymer Electrolytes for Electromechanical Actuators. Advanced Functional Materials. 34 [21] (2024) 2314087 10.1002/adfm.202314087 Open Access
口頭発表
- 吉尾 正史. イオンを伝導する液晶高分子の新設計概念とアクチュエータ応用. JSTさきがけ第2回未来材料ワークショップ. 2024 招待講演
- YOSHIO, Masafumi. Nanostructured liquid-crystalline polymer electrolytes for electromechanical actuators. A*STAR-NIMS Introductory Workshop 2023. 2023 招待講演
- 吉尾 正史, ウー チェ ハオ. 両親媒性液晶高分子膜を生かしたソフトアクチュエータ創製. 第72回高分子討論会. 2023
その他の文献
- 吉尾 正史. 研究現場最前線 物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 吉尾研究室. 液晶:日本液晶学会誌. (2020) 132-133
- 吉尾 正史. 変革というミッション. 高密度共役の科学ニュースレター. 22 (2022) 0
所属学会
高分子学会, 日本液晶学会, 日本化学会
受賞履歴
- 日本液晶学会論文賞 (2019)
- 東京大学工学部ベストティーチングアワード (2014)
- 高分子学会日立化成賞 (2012)
- 日本液晶学会奨励賞 (2007)
- 国際液晶学会ポスター賞 (2002)
外部資金獲得履歴
- 挑戦的研究(萌芽)キラル光起電力効果を発現する強誘電性パイ共役液晶材料の開発 (2021)
- 基盤研究(B) イオン液体をナノ組織化した液晶アクチュエータの創成 (2021)
- 基盤研究(B) 無水プロトン伝導性液晶高分子膜の創製と燃料電池への応用 (2017)
- 村田学術振興 ナノ相分離液晶構造を有する無水プロトン伝導材料の創製 (2016)
- 新学術領域研究 電場感応性π共役液晶材料の構築 (2015)
- 野口研究所 プロトンー電子混合伝導性液晶材料の創製 (2015)
- 挑戦的萌芽研究 三次元ジャイロイドナノ空孔を有する液晶高分子膜の創製 (2015)
- 若手研究(A) 液晶の自己組織化を活用する無水プロトン伝導体の創製 (2013)
- 新学術領域研究 電子・光機能を有する電場感応答性分子集合体の創製 (2013)
- 挑戦的萌芽研究 液晶性グラフェン半導体エラストマーの開発 (2012)
- 村田学術振興 ナノファイバー形成能を有する有機無機ハイブリッド半導体の構築 (2011)
- クリタ水・環境科学振興 海水脱塩化のための液晶ナノ構造高分子膜の開発 (2011)
- 若手研究(B) 導電性分子ファイバーの開発と電場配向制御 (2006)
- 若手研究(B) イオン性液体を有する液晶性有機/無機ハイブリッド高分子ナノ材料の開発 (2003)
高分子・バイオ材料研究センター
分子配列を生かした限界突破エネルギー変換材料・素子創製
超分子ポリマー,液晶,有機半導体,アクチュエータ,ソフトロボット,触覚素子,光電変換素子
概要
イオン性液晶ネットワーク高分子や強誘電π共役高分子などの新しい高分子材料の合成とナノ構造・配列制御を基盤として、電界によって屈曲・伸縮運動を示すソフトアクチュエータ、触覚素子、ソフトロボット、圧電センサー、光電変換素子などの次代スマートデバイスの開発を推進している。高分子の軽量性、伸縮・柔軟性、自己修復性、形状記憶性、生分解性と電子・イオン・光機能を融合して、既存の概念を打ち破るような新物質・材料・素子創出を狙う。
新規性・独創性
● 2V以下で高速振動100Hz・高出力5gfを発揮する液晶高分子アクチュエータの創製
● 自己消火性と不揮発性を兼ね備えた高速リチウムイオン伝導性ナノ構造電解質の開発
● 環境に配慮した生分解性を示す光架橋ナノ構造高分子アクチュエータの構築
● 強誘電性π共役半導体によるバルク光起電力効果を活用する光電変換素子デザイン
● 自己修復性と形状記憶機能を示す金属錯体超分子ポリマーの創出
内容
安全性、省エネルギー性に優れ、相反する高速振動性と高出力性を兼ね備えた触覚素子やソフトロボットの開発を志向し、イオン伝導型液晶高分子フィルムアクチュエータを創製した。光架橋性を有する楔形分子構造のイオン性分子を設計・合成し、少量のイオン液体と自己組織化することにより、三次元的に連結した高速イオン伝導パスを形成したナノ相分離構造を有する室温カラムナー液晶が得られた。液晶場で紫外線重合することにより、ナノ構造を保持した強靭かつフレキシブルな高分子フィルムが得られた。この超薄切片の透過型電子顕微鏡観察(TEM)によって、ナノスケールのイオン伝導パスの可視化に成功した。この液晶高分子電解質フィルムを2枚のドープポリチオフェン系導電性高分子電極(PEDOT:PSS)で挟んだ三層積層アクチュエータ素子を作製した。2Vの電圧印加によって、繰り返し耐久性のある大きな屈曲変形が得られた。2つのアクチュエータ素子が内側に変形するように回路を設計し、物体を柔らかく掴める微小ピンセットを創製した。0.2–2.0Vの範囲で印加電圧を変えることにより、出力の制御が可能である。従来材料にはない新機能として、電圧を切っても変形が保持される形状記憶機能が発現することを見い出した。VR触覚技術、視覚障害者歩行支援センサー、医療器具等への応用が期待される。
まとめ
イオン液晶高分子アクチュエータは、高速大変形と高出力の相反機能を両立できる新材料として多方面での応用が期待できる。今後は、物質探索空間の拡張、宇宙等の極限環境耐性や自己修復性などの未踏機能の創出、データベース化を進め、ウェルビーイング社会の実現に貢献したい。