SAMURAI - NIMS Researchers Database

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外部併任先

  • 山梨大学大学院総合研究部 客員教授

研究内容

Keywords

太陽電池・環境関連化学 機能材料・デバイス 薄膜・表面界面物性 複合材料

所属学会

応用物理学会, 電気化学会, 日本化学会, American Chemical Society, International Society of Electrochemistry

エネルギー・環境材料研究センター
タイトル

ハロゲン化金属ペロブスカイト太陽電池の研究開発

キーワード

太陽光発電,太陽電池,ペロブスカイト,界面制御, 酸化ニッケル

概要

ペロブスカイト太陽電池は塗布やコーティング及び、100℃程度のアニールプロセス等で作製可能で、太陽光に対する光電変換効率も20%と高く、次世代型太陽電池として、大面積化プロセス開発が進んでいる。一方で、実用化に向けて、高い光電変換効率を維持して、約20年の長期信頼性が求められている。通常の無機半導体と異なり、ペロブスカイトでは内部におけるイオンの移動が顕著に観測され、またペロブスカイトは水や酸素分子によって劣化が進行する問題がある。NIMSでは太陽電池を構成するペロブスカイト層と電荷輸送層等の界面を跨るイオンや分子の移動が劣化要因となることを明らかにしており、界面の制御によりイオンや分子の移動を抑制し、長期信頼性を実現したいと考えている。

新規性・独創性

光電変換効率20%で1000時間連続発電のペロブスカイト太陽電池の開発
酸化ニッケル正孔輸送層製膜手法確立
ペロブスカイト太陽電池作製プロセスのデータベース化
光電変換効率と耐久性の両立を目指した界面処理のデータベース化

内容

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スパッタ装置で製膜した酸化ニッケル(NiOx)を正孔輸送層として用いたペロブスカイト太陽電池は高い耐久性を示すことを見出していたが、光電変換効率は11~15%程度と低いままであった。NiOx上にペロブスカイト層を形成する際、ペロブスカイト層が一部、分解することがその要因と判明し、NiOx表面を界面処理してからペロブスカイト層を形成することによって、ペロブスカイト層の結晶性が改善し、光電変換効率が大きく向上した。NiOx表面の界面処理において、NiOx薄膜の厚み依存性の検討から、界面処理材料がNiOx薄膜のピンホール(下地の透明導電酸化膜まで繋がるNiOx薄膜の穴)を埋めて、NiOxの欠陥をパッシベーションしていることもわかった。

まとめ

酸化ニッケル層において界面処理によって、ペロブスカイト層と酸化ニッケルの反応を抑制し、ペロブスカイト層の結晶性を向上させ、酸化ニッケル層のピンホールを埋め、酸化ニッケルの欠陥をパッシベーションすることがわかった。
酸化ニッケル正孔輸送層製膜手法、界面処理手法を確立し、高い光電変換効率(20%以上)と高い耐久性を示すペロブスカイト太陽電池を開発した。
NIMS プレスリリース2022年9月16日参考  https://www.nims.go.jp/news/press/2022/09/202209160.html

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