SAMURAI - NIMS Researchers Database

NIMS一般公開2024

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研究内容

Keywords

ワイドバンドギャップ半導体、励起子、遠紫外発光材料

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

論文
その他の文献

所属学会

応用物理学会, 日本物理学会, ニューダイヤモンドフォーラム

電子・光機能材料研究センター
タイトル

六方晶窒化ホウ素の気相合成

キーワード

結晶成長,気相成長法,窒化物,発光材料,2次元原子層科学応用

概要

六方晶窒化ホウ素(hBN)は窒素とホウ素からなる黒鉛類似の結晶構造を持つ化合物(図1)であり、化学的・熱的安定性に優れ断熱材や絶縁体、あるいはその機械的性質から摺動材料として実用に供されている。しかし、私たちの研究以前には高純度単結晶の合成例はなく電子材料としての応用はまったく未知数であった。私たちは高圧法による高純度窒化物単結晶の合成技術開発と生成物質の光物性研究を進め、高純度の単結晶合成に成功し新紫外発光材料への展開や2次元原子層科学への貢献など多くの成果を上げている。この研究をさらに発展させ、汎用性の高い気相成長法により次世代デバイス応用材料として重要な高純度単結晶を合成しようと取り組んでいる。

新規性・独創性

六方晶窒化ホウ素は化学的・熱的安定性に優れたロバストなワイドバンドギャップ材料
深紫外領域(215 nm)に高効率なエキシトン発光を持ち水銀ランプ代替の発光デバイスの材料として期待される
黒鉛類似の層状化合物であり、原子層平面を形成および保護する目的で2次元原子層科学の研究には不可欠の基盤材料
次世代デバイス応用への基礎技術開発として、より汎用性の高い気相成長法による高純度低欠陥結晶成長技術の確立を目指す

内容

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高温高圧法によるhBNは高純度単結晶の室温における最大発光強度は、波長215 nm(内部量子効率約5%以上)が得られている。励起源として加速電子線を使った試作デバイスでは最大放射光強度約8µW/cm2/nmを得ている(図2)。発光波長領域はFar UV-C領域と呼ばれ、細菌やウィルスへの殺菌効果がありながら人体の皮膚角質層を透過することができないので紫外光源でも安全な波長領域として知られている。また、一方でhBN単結晶をグラフェンなどの2次元原子層材料の基板に用いることにより、表面ポテンシャルのゆらぎを最低限に抑えることができる。図3の模式図は下段がhBNを基板に用いた時の表面ポテンシャルの揺らぎおよび表面荒さである。グラフェン研究初期に用いられていたSiO2基板上のグラフェン(上段)にくらべ、表面の均一性は非常に高いことがわかる。この特性から2次元原子層材料におけるデバイスには不可欠な材料として知られるようになった。
本研究ではこれらの六方晶窒化ホウ素の特性をより応用範囲の広い気相成長法によって実現するための基礎技術開発に取り組んでいる。図4に示すようにジボランとアンモニアガスをそれぞれIII族およびV族の原子ソースとして用い、レーザ加熱した基板上で結晶成長を行う。使用する基板や温度、成長雰囲気制御などの最適化を行うことにより、より高純度低欠陥の薄膜hBN成長を目指している。

まとめ

hBNは、層状化合物でありグラフェンなどの2次元材料との組み合わせにより多彩なデバイス応用への道が期待されている。
hBN自身でも、非常に異方性の強い材料であり新しい特性(発光・光学非線形性・結晶対称性制御)が報告されている。
より汎用性の高い気相成長法への展開は、今後の2次元材料応用への新しいブレークスルーのために必要不可欠の技術である。

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