SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

光ファイバ工学 画像解析 情報管理

高強度光を伝搬する光ファイバにおける損傷現象の研究に従事

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ファイバフューズの(1)発生、(2)伝搬、および(3)停止の位置関係。数Wの光を伝搬しているシリカガラス製単一モード光ファイバの一点を加熱するとプラズマが発生し、コア領域に閉じ込められた状態で、入射される光エネルギーを消費しながら光源に向かって移動を始める(顔写真参照)。シリカガラスの光吸収は1000℃を越えると急激に増加することが直接の原因であり、吸収光が熱に変換されてプラズマ(数千K)の発生に至る。その軌跡には周期的空孔列(背景写真参照、間隔は約20μm)が残されており、もはや光を伝搬することはできない。

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

書籍
会議録
口頭発表
その他の文献

所属学会

応用物理学会, 電子情報通信学会, 日本セラミックス協会

受賞履歴

  • 第12回日本セラミックス協会活動有功賞(2016)「Webサービスにおける会員認証機能の実装とサーバの維持管理」 (2016)
  • 第8回(NIMS)理事長賞貢献賞(2013)「研究者総覧「SAMURAI」の開発およびアウトリーチ実績」 (2013)
  • 第7回CSJ/ACerS合同セラミックス賞 (2002)
  • 第53回日本セラミックス協会進歩賞 (1999)
電子・光機能材料研究センター
タイトル

通信用光ファイバにおけるファイバフューズの励起増強挙動

キーワード

光ファイバ,レーザー誘起損傷,シリカガラス

概要

光ファイバによる大容量通信や光エネルギー伝送のスケールアップを阻む要因のひとつが、高強度伝送光によって光ファイバ自身が連続的に破壊される現象、ファイバフューズである。1987年の発見以来、これを完全に防ぐ方法は確立しておらず、システム側で回避する運用をするしか選択肢はない。光ファイバのコア内に閉じ込められたプラズマ状の高温高圧ガスのふるまいについての知見も不足している。定常条件下で損傷させたシリカガラス製光ファイバに残された空孔列の規則性に着目し、外場の乱れを導入した際に現れた規則性からの逸脱との関係性を調査した。ガスを包む溶融シリカガラスの挙動を介して、外部とのエネルギーのやり取りが明らかになった。

新規性・独創性

空孔列の規則性とエネルギー入出力との関係に着目した独自性
両者が「溶融シリカガラスの粘性挙動」で結び付けられることを見抜いた視点
コア内に閉じ込められつつ動き回る高温高圧ガスが加熱や光照射で励起されている証拠を発見
その証拠を大量の光学顕微鏡画像から抽出した情報処理スキル
上記内容を直感的に理解できるようなビデオを編集(図中のQRコード参照)

内容

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ファイバフューズ発生を避けて通るには相手を知る必要がある。毎秒約1mで走り回る相手を直接観測するのは難しいが、その軌跡に残された規則的空孔列を手がかりにすれば(Slide 1参照)相手が見えてくる。予熱した光ファイバにフューズを走らせると、加熱区間の空孔間隔が増大するし(Slide 2参照)、自ら発した光を戻す状況を作ると、戻り光を吸収して自らの専有領域を延伸させる(Slide 3参照)。ファイバフューズに供給する光の強度を急変動させると、空孔列の規則性が局所的に乱れるが、それは高温高圧のガスを包む溶融シリカガラスが入力光の急変動に遅れて追随することを考慮すれば、うまく説明できることがわかった(Slide 4参照)。

まとめ

ファイバフューズへの供給光強度を増やすと空孔間隔が増大することは知られていたが、温度上昇でも増大することがわかった。
ファイバフューズからの発光をガラス表面で全反射させて戻すと、そのエネルギーを吸収して専有体積が増大することがわかった。
ファイバフューズへの供給光強度を急変動させると、ガスを包む溶融ガラスが遅れて追随するので、空孔列の周期性に乱れが生じる。

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