- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
無機化学 機能物質化学 機能材料・デバイス
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Kento Ishii, Yuri Taniguchi, Akira Miura, Shogo Miyoshi, Kazunori Takada, Go Kawamura, Hiroyuki Muto, Atsunori Matsuda, Masayoshi Fuji, Tetsuo Uchikoshi. Surface modification of Li3PO4 to Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3 by wet chemical process and its sintering behavior. Journal of the Ceramic Society of Japan. 132 [6] (2024) 23208 10.2109/jcersj2.23208 Open Access
- TAKADA, Kazunori. Lithium iron thio-phosphate: a new 3 V sulfide cathode. SOLID STATE IONICS. (2003) 257-263
- 梶山亮尚, 高田和典, 在原慶太, 稲田太郎, 佐々木秀樹, 近藤繁雄, 渡辺遵. ラムスデライト構造を有するLi-Ni-Ti酸化物の合成と電極特性. Solid State Ionics. ()
書籍
- 高田 和典. Solid-State Batteries with Oxide-Based Electrolytes. Springer, 2021, 6.
- 高田 和典, 菅野 了次, 鈴木 耕太. 全固体電池 入門. 日刊工業新聞社, 2019, 168.
- 高田 和典. 全固体リチウムイオン電池. リチウムイオン電池の開発と市場 2018. , 2017, 129-137.
会議録
- OHTA, Narumi, MIYAZAKI, Reona, SAKABE, Junichi, OHNISHI, Tsuyoshi, TAKADA, Kazunori. High-Capacity Si Anodes in Solid Sulfide Electrolytes. IONICS. (2017)
- 高田 和典. Solid electrolytes and solid-state batteries. AIP Conference Proceedings. (2016) 10.1063/1.4961900
- Minako Hashiguchi, Isao Sakaguchi, Reona Miyazaki, Kazunori Takada, Naoki Ohashi. Cobalt doping as the controlling factor of oxygen diffusivity in ZnO by more than four orders of magnitude. DEFECT AND DIFFUSION FORUM. (2015) 85-90 10.4028/www.scientific.net/ddf.363.85
口頭発表
- 高田和典. Solid electrolytes and solid-state batteries. 2nd International Freiberg Conference on Electrochemical Storage. 2015 招待講演
- Marcela, Calpa, KUBOTA, Kei, MATSUDA, Shoichi, TAKADA, Kazunori. Voltage Hysteresis Hidden in an Asymmetric Reaction Pathway. The 64th Battery Symposium in Japan. 2023
- 三好 正悟, 西原 佳彦, 桑田 直明, 大野 隆央, 高田 和典. 酸化コバルトを添加したNASICON型固体電解質LATPの焼結特性 . 第49回固体イオニクス討論会. 2023
その他の文献
- 高田 和典. 全固体電池開発の現状と展望. 機能紙研究会誌. (2018) 3-8
- 高田 和典. 全固体電池における特異な界面イオン輸送. CERAMICS JAPAN. (2019) 254-257
- 高田和典. 硫化物型全固体電池. 工業材料. [10] (2018) 63-66
公開特許出願
- 全固体電池の製造方法 (2024)
- 全固体リチウムイオン二次電池およびその製造方法 (2024)
- 焼結体、その固体電解質、その全固体リチウムイオン電池、および、これらの製造方法 (2024)
所属学会
日本固体イオニクス学会, 電気化学会, 日本金属学会
エネルギー・環境材料研究センター
高い信頼性を有する固体電池の創製
固体電池,固体電解質,イオン伝導体
概要
リチウムイオン電池をはじめとする高性能蓄電池は,携帯情報端末の電源として高度情報化社会の構築に貢献してきた。さらに近年の課題であるカーボンニュートラルの達成に向けても,自動車などの移動体の電動化や,再生可能エネルギーを効率的に利用するための電力貯蔵などにおいて蓄電池が必要とされている。このように用途が変化すると,蓄電池にもこれまでに求められなかった性能が要求されるようになってくる。このような要請に応えることのできる電池系の一つと目されているものがセラミックの電解質を採用する固体電池である。
新規性・独創性
● 固体電解質の単一イオン伝導による,高い信頼性。
● 不燃性電解質の使用による,高い安全性。
● バルク・界面におけるイオン輸送現象の研究を通じた電池開発。
内容
カーボンニュートラル達成に向けた様々な施策で必要とされる電池において重要視される性能が,高い信頼性である。自動車の電動化や再生可能エネルギーの貯蔵で使用される電池は大型のものであり,リチウムイオン電池において使用される可燃性の有機溶媒電解質に起因する安全性の課題は深刻なものとなる。さらに,これらの用途における電池には民生用途に比べ物にならないほどの耐久性が求められる。固体電池は可燃性の電解質を使用しないために,電池の安全性が飛躍的に高められるほか,固体電解質中の拡散種がリチウムイオンのみに限られるために,電極表面に輸送された反応種が副反応を引き起こすということがなく,電池は長寿命なものとなる。
このような特徴を備える固体電池を実現に導くためには,イオン伝導性に優れる固体電解質に加え,イオン伝導を阻害しない界面で電池材料間を接合するプロセス技術,接合界面における異常なイオン伝導現象の理解と制御が必要であり,計算・計測の研究者とともにこれらの課題に挑んでいる。
まとめ
固体電池は,カーボンニュートラル達成に向けた車載用,電力貯蔵用のみならず,IoT用の自立電源として期待されている環境発電による微弱な電力を貯蔵するデバイスとしても期待されている。これらの多彩な需要を満たすことのできる固体電池の実現に向けた研究を推進する。