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研究内容
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Shinnosuke Yasuoka, Ryoichi Mizutani, Reika Ota, Takahisa Shiraishi, Takao Shimizu, Shintaro Yasui, Yoshitaka Ehara, Ken Nishida, Masato Uehara, Hiroshi Yamada, Morito Akiyama, Yasuhiko Imai, Osami Sakata, Hiroshi Funakubo. Enhancement of crystal anisotropy and ferroelectricity by decreasing thickness in (Al,Sc)N films. Journal of the Ceramic Society of Japan. 130 [7] (2022) 21184 10.2109/jcersj2.21184 Open Access
- 清水 荘雄, 三村 和仙, 舟窪 浩. HfO2基材料における強誘電性の発現機構. Ceramics Japan. (2021) 455-458
- Keisuke ISHIHAMA, Masanori KODERA, Takao SHIMIZU, Wakiko YAMAOKA, Risako TSURUMARU, Shintaro YOSHIMURA, Yusuke SATO, Hiroshi FUNAKUBO. Growth of 0.1(Bi,Na)TiO3–0.9BaTiO3 epitaxial films by pulsed laser deposition and their electric properties. Journal of the Ceramic Society of Japan. 129 [7] (2021) 21002 10.2109/jcersj2.21002 Open Access
口頭発表
- 藤岡 恵大, 町田慎吾, 勝又健一, 安盛敦雄, 清水 荘雄, 大橋 直樹, 瀬川 浩代. 積層セラミックコンデンサの焼解と 再生したBaTiO3焼結体の誘電特性評価. 2024年年会(日本セラミックス協会). 2024
- 長谷川 浩太, SHIMIZU, Takao, OHSAWA, Takeo, SAKAGUCHI, Isao, OHASHI, Naoki. Demonstration of ferroelectricity in non-substituted AlN thin films fabricated by sputtering method. MNC2023. 2023
- SHIMIZU, Takao, 舟窪 浩, OHASHI, Naoki. Paving the road toward applications with simple compound ferroelectrics. he 13th Asian Meeting on Ferroelectrics jointly with the 13th Asian Meeting on Electroceramics (AMF-13 & AMEC-13). 2023 招待講演
その他の文献
- 舟窪 浩, 安岡 慎之介, 清水 荘雄. ウルツ鉱構造窒化物の強誘電性 ―強誘電体の脱ペロブスカイト構造酸化物―. Fine ceramics report. (2021) 92-95
- 三村 和仙, 志村 礼司郎, 舟窪 浩, 清水 荘雄. HfO2およびZrO2基強誘電体膜の厚膜化と室温合成. 超音波TECHNO. (2020) 41-45
所属学会
応用物理学会, 日本セラミックス協会, 日本物理学会
電子・光機能材料研究センター
新規非ペロブスカイト・非鉛強誘電体の探索
強誘電体,圧電体,新物質探索,薄膜成長
概要
強誘電体は、その結晶対称性から圧電性、焦電性、強誘電性など多彩な特性を示し、センサやアクチュエータ、不揮発性メモリなど幅広い用途へ応用・検討がされているが、従来使用されている材料は微細化が困難であることや、環境適合性の低い鉛が含まれることから新規材料の登場が望まれていた。我々は、非鉛ペロブスカイト型材料に始まり、HfO2基材料、ウルツ鉱型材料といった従来用いられてきた組成・結晶構造の枠を超えた材料の探索・開発を行っている。
新規性・独創性
● 薄膜として高い性能( 圧電歪定数 d33≈275 pm/V、有効圧電応力定数e31, eff ≈ 19 C/m2 )を持つ材料の非鉛圧電体材料の開発
● 従来100 nm以下の膜厚でのみ発現すると考えられてきたHfO2基材料において、1 μm以上の厚さでも強誘電性が発現することを実証
● ウルツ鉱型強誘電体における組成・膜厚の拡張
内容
圧電材料として用いられているPZTは、2つの正方晶・菱面体晶構造という異なる相の境界の組成において高い特性が発現することがわかっており、非鉛圧電体の探索においても主に組成を変化させ相境界を探索するという手法が用いられてきた。それに対して、本研究では正方晶構造持つ非鉛圧電体材料[0.7(Bi0.5Na0.5)TiO3-0.3BaTiO3]において、ドメイン回転(結晶格子の部分的な回転)を用いることによって、非鉛圧電体薄膜として最高の性能を達成した。この手法は、組成敏感な特性でない点が特徴的であり、他の様々な材料に応用できる可能性がある。高性能な圧電体薄膜は、微小電気機械システムの小型・高出力化を可能にするものであり、新材料系の探索などさらなる発展が期待できる。
近年半導体製造プロセスとの適合性の高いHfO2基材料や、極性反転が起こらないと考えられてきたウルツ鉱型化合物において強誘電性が報告されている。我々はHfO2基強誘電体について、基礎物性やその生成機構などを明らかにしてきた。その過程において、これまで膜厚の小さい領域でのみ発現すると考えられ来たHfO2基材料の強誘電性が、1μm以上の膜厚でも発現することを見出した。これによって、想定されていた不揮発性メモリ用途だけではなく圧電体等他の応用も可能であることを見出している。また、ウルツ鉱型強誘電体についても従来報告されている以上の組成や膜厚領域での強誘電性を実証しており、その巨大な自発分極を利用した不揮発性メモリ等への応用が期待できる。
まとめ
● 分極(結晶軸)回転を用いた圧電応答に対するスケールアップ
● HfO2基材料における圧電・焦電応用
● ウルツ鉱型化合物の極性反転を用いたデバイス応用