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研究内容

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

論文
口頭発表
その他の文献

所属学会

応用物理学会, 日本セラミックス協会, 日本物理学会

電子・光機能材料研究センター
タイトル

新規非ペロブスカイト・非鉛強誘電体の探索

キーワード

強誘電体,圧電体,新物質探索,薄膜成長

概要

強誘電体は、その結晶対称性から圧電性、焦電性、強誘電性など多彩な特性を示し、センサやアクチュエータ、不揮発性メモリなど幅広い用途へ応用・検討がされているが、従来使用されている材料は微細化が困難であることや、環境適合性の低い鉛が含まれることから新規材料の登場が望まれていた。我々は、非鉛ペロブスカイト型材料に始まり、HfO2基材料、ウルツ鉱型材料といった従来用いられてきた組成・結晶構造の枠を超えた材料の探索・開発を行っている。

新規性・独創性

薄膜として高い性能( 圧電歪定数 d33≈275 pm/V、有効圧電応力定数e31, eff ≈ 19 C/m2 )を持つ材料の非鉛圧電体材料の開発
従来100 nm以下の膜厚でのみ発現すると考えられてきたHfO2基材料において、1 μm以上の厚さでも強誘電性が発現することを実証
ウルツ鉱型強誘電体における組成・膜厚の拡張

内容

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圧電材料として用いられているPZTは、2つの正方晶・菱面体晶構造という異なる相の境界の組成において高い特性が発現することがわかっており、非鉛圧電体の探索においても主に組成を変化させ相境界を探索するという手法が用いられてきた。それに対して、本研究では正方晶構造持つ非鉛圧電体材料[0.7(Bi0.5Na0.5)TiO3-0.3BaTiO3]において、ドメイン回転(結晶格子の部分的な回転)を用いることによって、非鉛圧電体薄膜として最高の性能を達成した。この手法は、組成敏感な特性でない点が特徴的であり、他の様々な材料に応用できる可能性がある。高性能な圧電体薄膜は、微小電気機械システムの小型・高出力化を可能にするものであり、新材料系の探索などさらなる発展が期待できる。

近年半導体製造プロセスとの適合性の高いHfO2基材料や、極性反転が起こらないと考えられてきたウルツ鉱型化合物において強誘電性が報告されている。我々はHfO2基強誘電体について、基礎物性やその生成機構などを明らかにしてきた。その過程において、これまで膜厚の小さい領域でのみ発現すると考えられ来たHfO2基材料の強誘電性が、1μm以上の膜厚でも発現することを見出した。これによって、想定されていた不揮発性メモリ用途だけではなく圧電体等他の応用も可能であることを見出している。また、ウルツ鉱型強誘電体についても従来報告されている以上の組成や膜厚領域での強誘電性を実証しており、その巨大な自発分極を利用した不揮発性メモリ等への応用が期待できる。

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まとめ

分極(結晶軸)回転を用いた圧電応答に対するスケールアップ
HfO2基材料における圧電・焦電応用
ウルツ鉱型化合物の極性反転を用いたデバイス応用

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