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研究内容

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献
      マテリアル基盤研究センター
      タイトル

      5次元走査型透過電子顕微鏡による時空間変動の観察

      キーワード

      5D-STEM, 4D-STEM, 電子回折, 時空間変動, その場観察, 金属ガラス, ガラス転移

      概要

      材料の性質は、ナノスケールの構造が「どこで」「いつ」変化するかに左右されるが、その時空間変動を直接観察する手段は限られていた。本研究では、走査透過電子顕微鏡で全走査点の電子回折図形を時間連続で記録する「5D-STEM法」(空間2次元×回折2次元×時間1次元)を開発し、ナノスケールの構造の空間分布とその時間変化を、同じ視野で同時に観察できるようになった。金属ガラスに適用し、原子配列の変動と原子運動の変動の分布を可視化し、両者が相関することを示した。今後の研究では、回折図形から計測可能な熱・電磁場・歪などの時空間変動の観察を試みる。

      新規性・独創性

      従来の4D-STEM法(空間2次元×回折2次元)は「ある瞬間の空間分布」しか測れず、検出器と走査の同期に約10秒の待ち時間が必要だったため、時間変化を追えなかった。同期を不要にする撮影条件と制御プログラムを自作して待ち時間をsub-secondまで短縮し、4D-STEMに時間軸を加えた。sub-nmの空間分解能とsub-secondの時間分解能を両立し、1回の計測から構造の空間分布と時間変化を同時に取り出せる点が独創的である。

      内容

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      5D-STEM法では、ナノビームで試料を繰り返し走査し、各点の回折図形を時系列で記録する。
      回折図形には局所の原子配列の情報が含まれるため、その空間分布から「どこで構造が違うか」を、同じ点の回折図形の時間変化から「いつ・どれだけ速く構造が変わるか」を読み取れる。
      検出器と走査の同期を不要にしたことで、sub-nmの空間分解能とsub-secondの時間分解能で時空間変動を観察できる。

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      Zr₅₀Cu₄₀Al₁₀金属ガラスをガラス転移温度付近に保ち、約1000秒にわたり5D-STEM計測を行った。
      各点の回折強度の分散から局所的な秩序度の空間分布を、回折図形の時間相関から原子運動の緩和時間の空間分布を求め、5 nm四方の視野で両者を可視化した。その結果、秩序度の高い領域ほど原子の動きが遅いという相関を初めて直接示し、短距離秩序構造の形成がガラス転移での粘性上昇を引き起こす可能性を明らかにした。

      まとめ

      4D-STEMに時間軸を加えた5D-STEM法により、ナノスケールの構造の時空間変動を直接観察できるようになった。回折図形には構造に加えて歪や電磁場の情報も含まれるため、今後は熱・歪・電磁場の時空間変動の計測へ拡張することを目指す。

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