- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
DNA、ナノアレイ、ナノデバイス他
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- So ITO, Futoshi IWATA, Hidenobu NAKAO, Motoharu SHICHIRI. マイクロ磁気プローブで操作された磁性体微粒子による生体試料のマニピュレーション. 精密工学会誌. 76 [1] (2010) 64-68 10.2493/jjspe.76.64
- Hidenobu NAKAO, Je-Deok KIM. Simple and Rapid Method for Separating Lactic Acid Bacteria from Commercially Prepared Yogurt. Analytical Sciences. 35 [10] (2019) 1065-1067 10.2116/analsci.19c008 Open Access
- Hidenobu Nakao, Yukio Magariyama. Simple and rapid method for selective enumeration of lactic acid bacteria in commercially prepared yogurt by image analysis and K-means clustering. Analytical Sciences. 38 [1] (2022) 191-197 10.2116/analsci.21p273 Open Access
書籍
- Motoichi Ohtsu. Progress in Nanophotonics 1. Progress in Nanophotonics 1. Springer Berlin Heidelberg, 2011, 161-187.
会議録
- Jedeok, Akihiro Ohira, Hidenobu Nakao. High-Performance Nafion Membrane Modified Using a 1,2,4-Triazole Derivative. Proceedings of 235th ECS meeging. (2019) 1-15 10.1149/osf.io/3wzse
- Jedeok, Todhiyuki, Hidenobu Nakao. Growth and Annealing Properties of Carbon Nanofibers on Carbon Black by Using Chemical Vapour Deposition. Proceedings of 235th ECS meeting. (2019) 1-11 10.1149/osf.io/tqu5g
- Hideki Hayashi, Hidenobu Nakao. Preparation and properties of poly(arylene) containing Si unit-bridged diphenylamine. SYNTHETIC METALS. (2009) 859-863 10.1016/j.synthmet.2009.01.039
口頭発表
- 中尾 秀信. ヨーグルト中の乳酸菌が産生する細胞外多糖の直接可視化. NIMS先端計測シンポジウム2020. 2020
- KIM, Jedeok, Akihiro Ohira, NAKAO, Hidenobu. High-Performance Nafion Membrane Modified Using a 1,2,4-Triazole Derivative. 235th electrochemical society meeting (ECS). 2019
- KIM, Jedeok, NISHIMURA, Toshiyuki, NAKAO, Hidenobu. Growth and Annealing Properties of Carbon Nanofibers on Carbon Black by Using Chemical Vapour Deposition. 235th electrochemical society (ECS). 2019
その他の文献
- 金 済徳, Akihiro Ohira, 中尾 秀信. 固体高分子形燃料電池のための化学架橋スルホン化ポリフェニルスルホン膜. MDPI(facebook). (2021) 1
- Hidenobu Nakao. Simple Approaches for Constructing Metallic Nanoarrays on a Solid Surface . HANDBOOK OF NANO-OPTICS AND NANOPHOTONICS. (2013) 845-872 10.1007/978-3-642-31066-9_23
所属学会
日本分析化学会, 日本表面真空学会
エネルギー・環境材料研究センター
ヨーグルト中の乳酸菌の1菌体レベル計測
乳酸菌,ラマン顕微鏡,原子間力顕微鏡,細胞外多糖
概要
乳酸菌は、ヨーグルトや漬物などの製品に広く含まれ、腸の健康維持に有益な効果をもたらす。これら健康への有益な効果を保証するために、ヨーグルト中に一定数の乳酸菌を含むことが要求される。乳酸菌が分泌する細胞外多糖(EPS)は食品添加物としてのニーズが高く、またヒトへの免疫賦活作用など有用な機能性が報告されており、このような機能を積極的に利用した新しいヨーグルトの開発が近年盛んである。したがって微生物学的および栄養学的品質と製品のコンプライアンスを確保するために、製造会社は煩雑な日常的検査を行っている。ここでは簡単・迅速な市販ヨーグルト中の乳酸菌数計測と乳酸菌産生EPSの可視化技術の開発を行っている。
新規性・独創性
1)ヨーグルト中から簡単・迅速な乳酸菌分離回収技術。
2)画像解析とk-means法による乳酸球菌と桿菌の選択的計測。
3)従来の菌数検査にかかる時間に比べ約1/30に時間短縮。
4)ヨーグルト中で乳酸菌が分泌したEPSの直接可視化技術。
内容
ヨーグルトは発酵過程で凝集した大量のカゼインミセル凝集体が乳酸菌と共存しており、これが遠心分離や希釈による乳酸菌の回収を妨げる。新たに開発した手法により5-10分程度で、カゼインミセルが取り除かれた乳酸菌水溶液が得られる(図1)。この水溶液の2μLをカバーガラスに滴下・乾燥すると、乳酸球菌と桿菌が明瞭に顕微鏡観察できる。顕微鏡画像の画像解析とk-meansクラスタリングを行うことで、画像中の乳酸球菌と桿菌を選択的菌数計測ができた(図2)。本開発技術は従来の菌数測定法に比べ、約1/30に時間短縮可能であった。また回収乳酸菌水溶液に様々な物質(コンカナバリンA、鉄(III)イオン、金属ナノ粒子、スペルミジン)を加えることで、分泌細胞外多糖を凝集させる事ができた(図3)。この結果個々の乳酸菌より産生したEPSを光学顕微鏡レベルで可視化でき、画像解析より産生したEPSを定量化することもできた。今後は本技術を用いた、日常的なヨーグルトの品質検査と有用なEPSを産生する乳酸菌のスクリーニングに適用し、本プロトコルの標準化を目指す。
まとめ
ヨーグルト中の乳酸菌を1菌体レベルで計測する簡単・迅速な方法を開発した。本開発手法はヨーグルトから乳酸菌を回収する工程、顕微鏡観察、画像解析まで含めて、従来のコロニーカウント法よりも約1/30に短縮可能である。従来のコロニーカウント法に変わる新しい乳酸菌計測プロトコルとして本開発法は期待される。