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- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
高温変形、透光性、高強度、放電プラズマ焼結(SPS)
(1)「高速」超塑性セラミックスの実現(図:上段): セラミックスの様な高剛性で脆い材料でも、超塑性変形の緩和機構として金属同様に粒内の転位活動による塑性緩和が重要な役割を担っていることを初めて見出した。組織制御の最適化により従来比100-1000倍の高速変形でも金属並の優れた強加工が可能な高速超塑性セラミックス(特許第3837516号)を実現。 (2) 高強度・広帯域透過性複合セラミックスの創製(図:中段): パルス通電焼結による微細化・複合構造の最適化を図り、優れた透光性と機械特性を重畳する高強度・広帯域透過性セラミックスを実現した。また、スピネル表面に配向組織のアルミナを積層させた複合セラミックスを作製し、優れた広帯域(400nm-6μm)直線透過性に加え、従来比2.0-2.5倍の力学特性の向上を実現(特開2023166658号)。
(3) 強電界下におけるセラミックスの亀裂修復による長寿命化(図:下段):
亀裂が形成されたセラミックスに対して強電界処理を施すと、亀裂などの損傷を急速に修復できるだけでなく、修復処理後の強度が初期状態まで回復、つまり材料の再生(若返り)のよるセラミックスの長寿命化が実現できる新たな修復技術を見出した(特開2022161388号)。セラミックス部材の再生・再利用は困難で、仮にできたとしても多くのエネルギーが消費される。本修復技術は、使用したセラミックス部材を廃棄し、新たに製造し直すのではなく、修復により既存部材の若返りによる再生を図り、再利用ができれば、社会課題となっているカーボンニュートラルの達成や材料循環社会3R (Recycle, Reuse, Reduce) の実現にも貢献し得ると期待。
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
公開特許出願
- 近赤外発光蛍光体および発光装置 (2025)
- 配向性アルミナ積層型多結晶スピネルセラミックス焼結体、その製造方法、光学窓材、それを用いた赤外線センサ、および、フィルタ (2023)
- 複合セラミックス (2023)
所属学会
日本金属学会, 日本セラミックス協会, 粉体粉末冶金協会
電子・光機能材料研究センター
複雑系多結晶光学材料の探索と合成手法の開発
多結晶光学セラミックス,複雑系光学材料,ハイエントロピーセラミックス,バルク化プロセス,外場効果,蛍光体,光源
概要
光学セラミックスは、高効率・安全・安心な社会を支えるセンサー用の窓材、ならびに高輝度光源用光学材などにおいて不可欠なキーコンポーネントである。これらの要求に資する次世代光機能材料の実現に向け大きなブレークスルーをもたらすには、新規材料開拓に向けた挑戦的取組が不可欠である。そこで、従来のシンプル組成の材料に加え、光学セラミックス分野にブレークスルーをもたらす挑戦的な開拓領域として、「ミドル・エントロピー系」および「ハイ・エントロピー系」などの複雑組成系の光学材料開発に向けた研究を、機能性粉末の合成や粉末から多結晶光学デバイスを創製するためのプロセス開発に挑戦する。
特に、センシングなどへの応用を見据え、可視域から1000nm超の近赤外までの広帯域において蛍光発光機能や広帯域透過性を持つ複雑組成系の光機能粉末、および多結晶光学材料の合成と、そのバルク化プロセス開発に注力して研究を推進する。
新規性・独創性
● 可視-近赤外域にわたる広帯域透過材料
● 複雑系の多結晶光学材料の探索
● バルク化のための新たなプロセス開発
● 光学、構造機能性を重畳した光学材料
● 赤外蛍光体材料とそのバルク化
内容
センサー用の光学窓材として実際に利用するには、光学特性に加えて優れた機械特性や熱特性などの諸特性も不可欠である。複数の機能を重畳する光学材料を単相のシンプル系材料のみで実現することは容易ではなく、異なる機能を有する複数の材料を組合せた光学複合材料(CMC:Ceramic Matrix Composite)が必要となる。例えば、左図は赤外透過材料として知られるMgAl2O4スピネル表面に高硬度のα-Al2O3アルミナ相を積層させることで、優れた広帯域透過特性を維持しつつ、従来比2.0-2.5倍の機械的特性(高硬度)を重畳する高強度・広帯域透過特性を有する積層型の光学CMC材料を実現した。合成プロセスを最適化し、良好な接合界面を達成することで積層型の光学材料の実現に至った。
オプトセラミックス分野では、ブレークスルーをもたらす新規材料系の開発に向けた新たな研究領域の開拓が期待されている。近年、複数の元素を高濃度で混合したハイエントロピー化によって新たな機能を持つ材料の探索が注目されている。主に金属材料や構造材料において研究が進み、新しい機能性を持つ材料が次々に報告されているが、近年ではハイエントロピーセラミックスにおいて、光学機能を有する材料の存在が確認されています。我々は、液相合成によって均質かつ微細なハイエントロピー構造の粉末を合成し、これを高圧合成プロセスを用いてバルク化することで、レーザー発振や蛍光発光などの光学機能を備えた複雑組成系広帯域透光性多結晶セラミックスの創製に成功した。
まとめ
粉末原料から合成する多結晶光学セラミックスは、低コスト・生産性・大口径化に優れ、また最終形状のネット成形が可能となる上、優れた機械的特性も期待できる。更に、特性向上に繋がる組成調整、異相材料との複合化やナノ化など、柔軟な組織制御も可能であり、社会実装に繋がる成果が期待できる。




