- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
所属学会
応用物理学会
受賞履歴
- Poster Award (MRM2023/IUMRS-ICA2023) (2023)
- Young Researcher Award (SSDM2016) (2016)
- Best Paper Award (IEDMS2015) (2015)
外部資金獲得履歴
- 科研費若手研究 (2023)
- 池谷科学技術振興財団単年度研究助成 (2021)
- 科研費若手研究 (2020)
- 村田学術振興財団 (2019)
- 科研費(研究スタート支援) (2017)
- 科研費(特別研究員奨励費) (2016)
- 科研費(特別研究員奨励費) (2014)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
高速CWLAを用いたGe系発光材料の薄膜成長
ゲルマニウム,シリコンフォトニクス,光電融合技術
概要
Si-LSIのスケーリング限界を打破するため、これはLSI内の通信を、従来の電気信号から光に代替する、光電融合LSIが注目されている。中でもSiを光導波路とするSiフォトニクス技術は、Si-LSI技術との親和性も高く、有望視されている。一方、発受光源の候補材料は化合物が多く、Si-LSIへの混載はコンタミ等の観点から課題となっている。この課題解決の鍵として、我々はSiとの親和性が高いゲルマニウム系材料に着目している。その結晶成長のため、高速CWレーザーアニール法を開発し、光学応用へ向けた絶縁膜基板上でのゲルマニウム系薄膜の成長を実現したため紹介する。
新規性・独創性
● 熱的非平衡状態での結晶成長による固溶度を打破したゲルマニウム系混晶の実現
● 非晶質絶縁膜基板上での結晶成長が可能=基板を選ばない技術
● Siと同じIV族系材料であることによる、Si-LSI技術との親和性
● 絶縁膜基板上におけるGe系発光増大の実証
内容
Ge系発受光材料を実現するアプローチとして、Ge中にSn(8%)を加えてGeSn混晶とすることでバンド構造が直接遷移化することが知られている。一方、Geに伸張歪みを加えた上n型ドーピングを行うことで擬似直接遷移化するアプローチも注目されている。しかしこれらの共通の問題点として、Geに添加する元素(Sn, Sb)の固溶度が非常に低いことが挙げられる。この問題を解決するため、私は高速CWレーザアニール法を開発した[図(a)]。これによりマイクロ秒単位で制御された高速な結晶成長を実現することができ、熱平衡固溶度を打破した高濃度GeSn薄膜[図(b)]や、高伸張歪を有する高濃度n-Ge薄膜を実現することができ、良好な発光特性も得ることができた[図(c)]。これらは、光電融合LSIの基盤技術として非常に有用であると期待できる成果である。
まとめ
● 非熱平衡プロセスにより、熱平衡固溶度を大きく打破するGe系混晶を実現
● フォトルミネッセンス測定からも、良好な光学特性を有していることが判明
● 絶縁膜上の技術であることから、基板を選ばず多岐に渡る応用が期待