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Research

Keywords

材料加工・処理

PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.

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Society memberships

日本鉄鋼協会, 表面技術協会, 腐食防食学会, Electrochemical Society

Research Center for Structural Materials
Title

インフラ構造物の腐食損傷リスク予測技術の開発

Keywords

インフラ,鉄鋼材料,腐食,屋外腐食試験,鉄さび,機械学習,ハイパースペクトル

Overview

我が国では多くのインフラ構造物が高度経済成長期に集中的に建設されており、近年では高経年化による損傷や劣化が顕在化している。今後も安全にかつ継続的に使用するためには、これらのインフラ構造物に対し修繕や再建築に膨大な投資を行わなければならないと予測されている。この対策としては、事後保全型から予防保全型の維持管理への転換によるコストの平準化が重要となる。本研究テーマでは、損傷要因の一つである腐食について、気象・環境データから補修・補強が必要なインフラ構造物を事前に抽出可能な腐食損傷リスク予測技術やハイパースペクトルカメラを活用した効率的な診断を行うための簡便な点検・評価技術の開発を実施している。

Novelty and originality

機械学習の活用による腐食に影響を及ぼす気象・環境因子の抽出
気象・環境データのみからの腐食損傷リスク予測
点検・評価技術へのハイパースペクトルカメラの適用
ハイパースペクトル解析による腐食損傷リスク予測

Details

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国内6か所において、月単位で屋外腐食試験を行った時の炭素鋼の腐食量データと気象・環境データを用いて、機械学習により腐食損傷リスク予測モデルを構築した。構築したモデルの検証のため、冬季1か月間の銚子市の気象データから腐食損傷マップを作成し(図1)、実際の腐食試験結果と比較した。飛来海塩量の影響の大きい2か所での腐食量の推定値は実測値と比較的近い値を示したが、内陸部では実測値との乖離があり、データの充実などさらなる高精度化を目指して研究開発を継続中である。
腐食損傷リスク予測マップは、各インフラ構造物に対する補修や補強の優先順位付けを実現することができ、これらにかかるコストの平準化に大きく貢献できる。

4種類の既知の鉄系腐食生成物に対してハイパースペクトル測定を行った結果、それぞれのスペクトルには有意な違いが観測され、それぞれの腐食生成物を分離できることが分かった。この解析技術を用いて、銚子で暴露試験を行ったFe-9%Niについてハイパースペクトル解析を行った。1年目の試験片ではβ-FeOOHやγ-FeOOHが多く検出されたのに対し、腐食期間が長くなるにつれて、β-FeOOHは減少し、α-FeOOHが多く検出されることが分かった。
表面に形成される腐食生成物はその後の耐食性に大きく関与すると考えられ、本技術のさらなる高度化により、簡便で定量性の高い腐食損傷点検・評価技術の実現が期待できる。

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Summary

気象・環境データから腐食リスクを予測できるマップを構築するための機械学習のモデルとして、アンサンブルモデルが高い識別率を示す。
実環境で屋外腐食試験した結果と推定値を比較した結果、沿岸部はかなり良い一致を示すが、内陸部では過大評価になる。
ハイパースペクトル解析により、表面に形成される腐食生成物の同定や腐食による変化の検出が可能であり、ハイパースペクトル測定は鉄鋼材料の腐食損傷点検・評価技術として有用である。

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