SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

ナイトロスピニクス(Nitrospinics),先端ストレージデバイス

博士学生募集中

(早稲田大学NIMS連携大学院)


Nitrospinics(Nitrogen + Spintronics)は,2p軽元素である窒素がもたらす多彩な電子・磁気・構造特性を活用し,次世代スピントロニクスと情報処理技術を開拓する新しい研究コンセプトです(*).窒化物は,反強磁性,高い熱的安定性,多様な結晶構造や電子状態など,従来の重金属や強いスピン軌道相互作用をもつ材料とは異なるユニークな特性を示します.例えば,二次元層状窒化物MXeneであるCr₂Nをはじめとする窒化物材料を用いて,スピンだけでなく電子の軌道自由度(orbital degree of freedom)を利用した高効率なトルク生成や磁化制御を研究しています.これらを基盤として,先進的磁気記録媒体,低消費電力磁気メモリから確率論的・ニューロモルフィックデバイスなどのAIハードウェアまで,窒化物による新しい情報デバイスの創出,非連続な性能向上を目指しています.

(*)K. Prabhat, G. K. Shukla, Y. Miura, and S. Isogami, Nitrospinics: nitride materials for spin-orbit and orbital torques from memory to artificial intelligence, Advanced Functional Materials (accepted 2026)

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二次元層状窒化物MXene (Cr₂N)における軌道流(Orbital current)発生原理や機能性窒化物,実験方法,目指すアプリケーションに関する概念図.侵入した窒素Nの周りでは強い電気陰性度による電荷移動や,ホスト金属の3d軌道との混成に伴い,2p軌道テクスチャ(配列)が変化する.その結果,例えば軌道流の基になる軌道角運動量の発生が顕在化しやすくなる点が,窒化物系で期待されるユニークなポイント.

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      応用物理学会, 日本磁気学会

      受賞履歴

      • 日本磁気学会 優秀研究賞 (2023)
      • 日本磁気学会 第43回学術講演会 ポスター講演賞 (2019)
      • 日本磁気学会 論文賞 (2017)
      • つくば3Eフォーラム賞(つくば3Eフォーラム) (2017)
      • 第15回インテリジェント・コスモス奨励賞(インテリジェント・コスモス学術振興財団) (2016)
      • 日本磁気学会 論文賞 (2015)
      • 日本磁気学会 学術奨励賞(内山賞) (2015)
      • パワーアカデミー研究助成 萌芽研究優秀賞(電気事業連合会) (2015)
      • 原田研究奨励賞(公益財団法人 本多記念会) (2011)
      • Best Contribution Award(東北大学電気系21世紀COEプログラム) (2005)

      外部資金獲得履歴

      • 科研費基盤(B)(代表)「超高密度スピン流磁気メモリに向けた二次元マキシンの展開」 (2025)
      • JST A-STEP育成フェーズ(代表)「ロバスト磁気メモリの高集積化と社会実装」 (2025)
      • 科研費基盤(B)(代表)「軽元素による電気的磁化反転の高効率化」 (2023)
      • 科研費基盤(C)(代表)「スピン軌道トルク磁化反転の高効率化に向けたコヒーレント成長窒化物ヘテロ接合の応用 」 (2019)
      • 科研費若手(B)(代表)「負のスピン分極材料の磁気緩和制御と高効率微細スピン注入源への新展開」 (2012)
      • 科研費活動スタート支援(代表)「新奇電子デバイスの創成へ向けたインバース電流誘起磁化反転現象の応用に関する研究」 (2010)
      磁性・スピントロニクス材料研究センター
      タイトル

      ナイトロスピニクスによる先端ストレージデバイスの開発

      キーワード

      ナイトロスピニクス,非金属軽元素(ホウ素・炭素・窒素),先端ストレージデバイス

      概要

      金属元素を操作して新しい材料特性を創出する試みは常套手段として古くから取り組まれてきたが、近年、複合アニオン物質のように化合物中のアニオンの一部を他のそれで置換し、機能性を導出する試みが行われている。本研究では、侵入型軽元素を安定サイトではなく準安定サイトに固溶したスピントロニクス金属合金膜の新規開発、安定状態では得られない磁性・電子スピン状態を制御する手法の確立を通じ、Society5.0で必要なあらゆる種類の大容量磁気メモリや磁気・熱センサ技術への貢献を目指している。

      新規性・独創性

      ● 結晶構造、薄膜結晶配向性を変えずして光学遷移、磁気構造の制御性を拡大。
      ● 電気抵抗率を変えずして、異常ホール伝導率の増大または減少の制御性を拡大。
      ● 世界最大のインバーストンネル磁気抵抗比(室温)、インバース電流誘起磁化反転現象など「新奇な」電子スピン輸送特性の導出。

      内容

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      高密度磁気ストレージ、磁気センサなどのスピントロニクスデバイスの性能向上は、将来のSociety5.0を実現する上で不可欠である。本研究では新材料開発をもってこの課題解決を図っている。例えばスピン軌道相互作用が強い白金、タングステンなどの重金属を使わずして、同等以上のスピン軌道トルクやその逆特性の導出を行っている。ホウ素、炭素、窒素はその軽さの割に電子状態に与える寄与が非常に大きいことが最近の研究で明らかとなり、研究分野を問わずあらゆる機能性開拓を支えるコンセプトとして期待されるようになった。実際に固体磁気メモリのテスト素子において、電流反転効率の明らかな改善が認められるなど、応用に向けた軽元素の効果が実証されている。

      軽元素の占有サイトを単位胞内で制御できれば、スピン偏極率のみならず磁性までも自由設計できる。電荷移動のみならず軽元素本体の遷移、移動であるため、従来の水素原子拡散の場合と比べて大幅な設計自由度(正から負にわたるスピン偏極率や反強磁性/強磁性転移)を獲得できる。本研究ではイオン液体を介した高効率な電圧誘起軽元素遷移を通して、スピン偏極率再構成、磁気相転移制御技術の確立に取り組んでいる。電圧効果以外にも、レーザー局所加熱、円偏光による角運動量注入、圧電素子による機械的歪みなど、最適な制御方法の探索も視野に入れている。

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      まとめ

      ● わずかなホウ素の固溶で、光学遷移、磁気構造の制御性を拡大した。
      ● わずかな炭素の固溶で、異常ホール伝導率の10倍増大を達成した。
      ● 遷移金属窒化物薄膜において世界最高性能かつ新奇デバイス特性を実証した。
       今後は準安定相を含めて軽元素の効果を巨視的に理解し、材料探索のデファクトスタンダード化を目指す。

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