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研究内容
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
マテリアル基盤研究センター
低次元材料の局所電子状態と電気伝導の研究
低次元材料,強誘電半導体,電子状態,光電子分光,オペランド計測
概要
生成AI等の普及により、情報処理に伴う消費電力は急激に増加している。現在のAIの主流である人工ニューラルネットワークでは、多数のシナプス重みをデジタルに記録・演算するため、多大な電力を消費する。そこで、電気伝導度を多段階に変化させることでシナプス動作を物理的に再現できる、省電力な電子材料が注目されている。
我々は、そのような材料として強誘電半導体に着目している。強誘電半導体では、電圧によって伝導度を多値的に制御できる。一方、その微視的起源は、分極ドメイン、界面電荷、電極障壁など材料・デバイスによって異なる。このため、電気伝導の変化だけでなく、その際に材料内部で生じる変化、すなわち「中身を見ながら」材料を開発することが重要である。
そこで、デバイス動作中の材料の局所電子状態と電気伝導の可視化を目指してオペランド顕微分光装置の開発を進めるとともに、強誘電半導体をはじめとする低次元電子材料の作製に取り組んでいる。
新規性・独創性
・オペランド-顕微光電子分光
・オペランド-プローブ顕微鏡
・単原子層テルル化錫の作製と電子状態の可視化
内容
オペランド計測基盤として、これまでにイメージング型スピン・角度分解顕微光電子分光装置、軟X線集光型スピン・角度分解光電子分光装置、原子間力顕微鏡―ラマン分光複合装置、およびナノプローブ付き電子顕微鏡の整備を行った。これらを用いて、強誘電半導体をはじめとする低次元材料のデバイス動作中における局所電子状態、構造、電気伝導の可視化を進めている。
また、強誘電半導体材料の候補としてテルル化錫(SnTe)超薄膜を作製し、単原子層極限における電子状態、すなわちバンド構造の直接観測に成功した。さらに、第一原理計算との比較から原子変位を評価するとともに、グラフェン界面がSnTeの結晶構造や局所的な電子状態に与える影響を明らかにした。
まとめ
オペランド顕微分光技術の開発と低次元電子材料の作製を組み合わせ、電子状態や電気伝導の変化を生み出す微視的過程を直接可視化することを目指している。これにより、デバイス機能を支配する機構を明らかにし、省エネルギー電子材料・デバイスの開発につなげる。



