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- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
学生受け入れ中
研究内容
- Keywords
有機合成、表面化学合成、有機デバイス、自己組織化
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Nobutaka Shioya, Tao Fang, Masamichi Fujii, Ryoi Fujiwara, Hironobu Hayashi, Hiroko Yamada, Takeshi Hasegawa. Quantitative Analysis of Photochemical Reactions in Pentacene Precursor Films. Langmuir. 40 [1] (2024) 1137-1142 10.1021/acs.langmuir.3c03594
- Peifeng Mei, Hirofumi Morimoto, Yuta Okada, Kyohei Matsuo, Hironobu Hayashi, Akinori Saeki, Hiroko Yamada, Naoki Aratani. Complexation study of a 1,3-phenylene-bridged cyclic hexa-naphthalene with fullerenes C60 and C70 in solution and 1D-alignment of fullerenes in the crystals. RSC Advances. 13 [47] (2023) 33459-33462 10.1039/d3ra06526j Open Access
- Kazuya Miyazaki, Kyohei Matsuo, Hironobu Hayashi, Mitsuaki Yamauchi, Naoki Aratani, Hiroko Yamada. An Unsymmetrical 5,15-Disubstituted Tetrabenzoporphyrin: Effect of Molecular Symmetry on the Packing Structure and Charge Transporting Property. Organic Letters. 25 [40] (2023) 7354-7358 10.1021/acs.orglett.3c02815
口頭発表
- LI, Donglin, Orlando J. Silveira, HAYASHI, Hironobu, Hiromitsu Maeda, Adam S. Foster, KAWAI, Shigeki. On-surface Synthesis of Polyradical Tri-aza-[5]-triangulene and its Magnetism. 15th International Conference on Atomically Controlled Surfaces, Interfaces and Nanostructures (ACSIN-15). 2024
- 林 宏暢. 芳香族の壁を持つ環状分子・ポーラスナノシートの創出. 日本化学会 第104回春季年会「原子・分子の自在配列と特性・機能」領域 2期生 公開シンポジウム. 2024
- 林 宏暢, 川村 真由, 荒谷 直樹, 大伴 真名歩, 佐藤 信太郎, 山田 容子. エッジ修飾グラフェンナノリボンの表面化学合成. 第33回基礎有機化学討論会. 2023
所属学会
日本化学会, フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会
受賞履歴
- NAIST学術奨励賞 (2021)
- 日本化学会第98春季年会 優秀講演賞 (2018)
- Poster Award(8th International Conference on Molecular Electronics) (2016)
- NIMS Conference Best Poster Award (2014)
- Poster Award(Conference Universitaire de Suisse Occidentale) (2012)
- 若手奨励賞(フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会) (2011)
外部資金獲得履歴
- さきがけ研究 (2021)
- 基盤研究B (2020)
- 若手研究 (2018)
- 若手研究B (2015)
マテリアル基盤研究センター
ボトムアップ的2次元・3次元ナノ材料創成と機能開拓
機能性材料,ナノ材料,有機デバイス,薄膜,有機合成,表面化学合成,自己組織化
概要
有機分子からボトムアップ的に構成されるナノ材料は、構造に応じて物性制御でき、様々な用途への応用が期待される。先進的ナノ材料創出には、その迅速合成と精密構造物性解析、原料設計へのフィードバックの効率的循環が必須である。表面化学合成は優れたボトムアップ的ナノ材料合成法であり、プローブ顕微鏡計測は精密構造解析やナノ材料1個体が示す物性評価をも可能とする。NIMSでは、プローブ顕微鏡計測・表面化学合成法と、有機合成による独自前駆体作製との融合により、先進的2次元・3次元ナノ材料の創出を行う。また、実デバイスへの展開を見据え、表面化学合成により導かれたナノ材料を、有機合成を用いた大量合成へとフィードバックする。
新規性・独創性
● 有機合成により精密合成された前駆体を用いた2次元・3次元ナノ材料創出
● 有機合成と表面化学合成の技術融合による効率的ナノ材料探索
● 最先端プローブ顕微鏡計測による原子レベルでの精密構造物性解析
● ナノ材料1個体における機能評価
内容
優れた電荷輸送特性を示し、ナノカーボン材料の合成・物性とも大きな関連を持つ、高次アセンの合成法を開拓した。有機合成による適切な前駆体作製と、表面化学合成や最先端プローブ顕微鏡計測の利用により、ノナセンや含窒素ウンデカセンの合成と、それらの基底状態における開殻シングレット構造を実験的に証明した。この際、単結晶金属表面での特異反応を発見し、表面化学合成を利用した斬新なナノ材料創成につながる成果を得た。さらに、表面化学合成で得た知見を発展させ、単結晶内部での高次アセン合成を実現した。また、簡便な合成ルート・安定性、表面化学反応メカニズムを考慮して設計した高次アセンを原料とし、シリコンよりも小さなバンドギャップ(0.6eV)を持つGNR合成を実現した。最近、高次アセン骨格へ折れ曲がり構造を導入し、興味深い集積構造や光学特性を示す環状分子を開発した。今後はこの成果を、2次元ナノ材料であるポーラスナノシート創成へと展開する。さらにプローブ顕微鏡計測による構造・物性評価により、様々な応用展開に繋がるナノシート設計にフィードバックする。
本研究で開発する材料は、半導体関連材料・電極材料や機能性薄膜材料などへの応用が期待される。
まとめ
有機合成技術による独自分子作製は、プローブ顕微鏡計測やプローブ探針による局所化学反応などに対し相補的な関係にあり、これらの融合は新材料創成の大きな原動力となることを実証した。より積極的で質の高い融合研究推進により、デバイス応用・社会実装を見据えた先進的2次元・3次元ナノ材料の効率的探索に貢献できると期待される。