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研究内容

Keywords

Antiferromagnetic materials; Inelastic neutron scattering; Magnetization; Parameter estimation; Quantum theory

・粉末X線・中性子回折による先端材料の構造パラメータや3次元電子・原子核分布の解析
・X線・中性子小角散乱法(SAXS、SANS)の種々の金属材料への応用: 流動する磁性流体内部の窒素化鉄ナノ粒子の形状やサイズ、分散状態を決定

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In this paper,we could not reproduce well the experimental susceptibility and magnetization by our calculation technique. Accordingly,it is necessary to calculate susceptibility and magnetization of the competing system with J1, J2, and extra interactions in the case that 20 =< N and to evaluate susceptibility and magnetization of the infinit chains.


Phys Rev B 73 (2006) 104419.


1 3 Magnetization plateau observed in the spin- 1 2 trimer chain compound Cu3(P2O6OH)2

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本物理学会, 日本中性子科学会

      受賞履歴

      • 富山県未来財団 富山賞(1995年),日本金属学会 奨励賞(1998年) ()
      ナノアーキテクトニクス材料研究センター
      タイトル

      磁場中中性子回折による磁性材料研究

      キーワード

      中性子回折,磁場,磁性材料,量子スピン系,量子マテリアル

      概要

      中性子回折では磁気構造(磁気モーメントの配列)を調べることが出来るが、常磁性状態(磁気モーメントが配列していない状態)には適用できない。常磁性状態に磁場を印加すると磁場に平行に磁場誘起モーメントが現れ、磁気ブラッグピークを作る。磁気ブラッグピークを解析することで、サイト毎の磁場誘起モーメントを決めることができる。他の実験結果(磁化や比熱など)とも合わせて、物質内の磁気相互作用の情報をより正確に得ることが出来るので、磁性材料開発に貢献できる。現在までに、量子力学における固有状態の直接観測や磁気モデルの決定に成功している。

      新規性・独創性

      従来の中性子回折では適用できなかった常磁性状態の情報を得ることができる。
      中性子の散乱ベクトルに垂直に磁場を印加することによって高感度化(約4倍)を実現できる。
      物質内の磁気相互作用の情報をより正確に得ることができる。従来の磁化や比熱から決める方法では一意に決まらないことがあるという問題がある。

      内容

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      Ni2V2O7という量子スピン系物質に適用した例を紹介する。左図はゼロ磁場での磁気構造を示している。TN1=6.7 KとTN2=5.7 Kで2段階の磁気転移が起こる。TN1とTN2の間の6.0 Kでは、2種類のNiモーメントの中のNi2モーメントのみが配列し、スピン密度波構造が現れる。TN2以下の2.3 Kでは2種類のNiモーメントがともに配列し、楕円型サイクロイダル構造が現れる。これらのような複雑な磁気構造を理解するためには、磁気相互作用の情報を正確に知ることが重要となる。そこで磁場中中性子回折を行った。この物質は80,000ガウス以上の磁場を印加すると常磁性状態になるという性質を利用している。結果を右図に示す。100,000ガウスの磁場でのNi1とNi2の磁場誘起モーメントはそれぞれ、0.3と1.9 muB(ボーア磁子)という値であることが分かった。この結果は先行研究で提唱されたダイマー・モノマー模型と一致した。

      まとめ

      従来の方法よりも物質内の磁気相互作用の情報をより正確に得ることができるので、磁性材料、量子マテリアル、量子液晶物質などの研究開発に貢献できる。

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