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研究内容

Keywords

(S)TEM-EDSエネルギー分解能向上、計数率向上

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本顕微鏡学会, 日本金属学会, 日本鉄鋼協会, 日本熱処理技術協会, 日本熱処理技術協会

      構造材料研究センター
      タイトル

      電子顕微鏡による微細組織解析技術の高度化

      キーワード

      走査型電子顕微鏡,集束イオンビーム装置,透過型電子顕微鏡,X線分光分析

      概要

      金属やセラミックスを始めとした構造材料は、ナノメートルからミリメートルという広いスケール範囲に渡る階層的で複雑な微細組織を持っている。どのような組織因子がマクロな材料特性を左右するのかを明らかにするためには、顕微鏡による普通の組織観察だけではなく、三次元的な異方性を見たり、広い範囲に渡る組成分布を測定するなどの多角的な視点からの微細組織解析が求められてくる。そのためには従来の観察・解析技術を拡張したり、新たな分析・解析手法を構築するなど、組織解析技術の刷新が必要になる場合が多い。我々はそのような「諸特性発現要因となる組織因子」を明らかにするための組織解析の技術開発を、電子顕微鏡をベースとして進めている。

      新規性・独創性

      直交配置型FIB-SEM等の新規技術で、シリアルセクショニングによる三次元的組織観察の技術の高精度化
      PFIB-SEM-fsLaser等の新技術による三次元的組織解析の大体積化、分析機能付与などの高機能化
      FIBやSEMでの組織観察技術そのものの高度化。従来手法を超えた結像や検出技術の最適化。
      新規検出器によるX線分光分析技術の開発。それらを用いたX線分光分析による電子顕微鏡での組織・組成解析技術の高度化。

      内容

      image

      (a)は微細組織の三次元的観察を行うための直交配置型のFIB-SEMである。通常のFIB,SEMの配置とは異なりそれらを直交させることで、より高い分解能・コントラストでFIB-SEMシリアルセクショニング観察が行える。応用例としては例えば材料中の析出物等の粒子の形態、種類、サイズ、分布などを三次元的に解析したり、ポーラスな材料の空隙の三次元的連結性評価などを実施してシミュレーションのモデルとして材料開発にフィードバックするなどの用途で活用している。(b)は大体積三次元的組織観察を行う目的でプラズマFIBとフェムト秒レーザーを加工装置として搭載したSEMである。従来機では三次元的観察が可能な大きさは30ミクロン角程度までだが、本装置では300ミクロン角(体積では従来比千倍)以上の三次元的組織観察が可能になった。この大きさの解析が可能になると、たとえばき裂進展のようなマクロな現象が微細組織とどのように関わっているか、ということまで考察できる。(a),(b)両装置はともにEDSやEBSDも装備しており三次元組織観察にプラスして組成マップや方位マップも取得する多次元観察に展開できる。(c)は組成分析の高精度化のために、超伝導X線検出器をSTEMに搭載して開発した装置で、測定するX線のエネルギー分解能が従来比一桁向上している。この装置では、ごく微量に存在している元素を高感度かつ高空間分解能で分析することが可能である。構造材料でも最先端の性能を持つものや極限環境で使用するものは多種類の元素を微量ずつ添加して所望の性能を得ている。微量添加元素が材料中のどこでどのように働いているかを解析することは、さらなる材料設計の指針を得るためにも重要である。上記のような新しい分析・解析機器や測定技術の開発と改良を行うことから、これまで見えなかったものを見て定量化する研究を行なっている。

      まとめ

      金属やセラミックスなどの構造材料を始めとした各種材料の三次元的組織解析や、高精度組成分析技術等の観察・解析技術を独自のアイデアで高度化し、材料開発に貢献する。観察・解析手法の高度化で、従来手法では見えていなかったものの可視化・定量化をすることで、材料特性を記述するパラメータの発掘や特性発現メカニズム解明に結びつける観察の実現を目指している。

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