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Research

Keywords

核磁気共鳴、強磁場、光ポンピング、動的核偏極

1: 強磁場固体NMRの開発と物質・材料への応用
2: 光ポンピング法を偏極源とした固体超偏極技術の開発
3: 超偏極分子ビームによる固体表面での水素分子の挙動の解明

PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.

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        Misc

          Society memberships

          日本物理学会, 強磁場フォーラム

          Center for Basic Research on Materials
          Title

          光照射NMR測定技術の開発と応用

          Keywords

          核磁気共鳴,in-situ NMR,超偏極,量子計測,量子情報処理

          Overview

          環境・エネルギー問題に貢献する技術には、光触媒や太陽電池など、固体表面における光効果を利用しているものが多くあるが、それらを直接観測できる技術は限られている。本研究では、現代の主要分析手法の一つである核磁気共鳴(NMR)分析を光照射下で実現する技術を開発するとともに、その技術を用いることで、光により誘起される様々な現象のNMRその場(in-situ)観測を進めている。また、本技術を半導体に適用すると、光ポンピング効果により核スピンの偏極状態(超偏極)が生成され、NMRの感度が数桁向上する。この技術は、超高感度NMR技術として半導体ヘテロ界面の分析に利用できるほか、量子情報処理への展開も期待される。

          Novelty and originality

          光照射がもたらす様々な現象の分析にNMRが利用可能となり、光が関係するグリーン・イノベーション技術の開発に貢献。
          光誘起相転移など、固体物理学における課題の解明にも貢献。
          光ポンピングNMR技術は、半導体のNMR分析のほか、固体NMR量子計算機の開発にも貢献が期待される。

          Details

          image

          【技術開発】
          本技術における主な開発要素は、励起光をその光源から超伝導磁石内にある試料位置まで導光する光照射システムと、極低温から室温までの広い温度領域での測定に対応する測定プローブである。前者では、紫外から近赤外までの広い波長範囲に対応するため、チタンサファイアレーザーや各種半導体レーザーを光源に用い、さらに、偏波保持光ファイバーを導光に用いることで励起光の偏光性の制御を実現した。また、後者では、測定プローブをクライオスタット内に設置し、伝導冷却方式において試料の効率的な冷却を実現した。これによりクライオスタット内を真空状態に保てるため、従来のガスフロー方式で問題となるヘリウムガス中での高周波放電を完全に抑止することに成功した。

          【応用例】
          本技術の応用として、NMR量子計算機への展開例を示す。NMR量子計算機は、量子計算研究の黎明期より開発が進められている有望な手法の一つであるが、初期化と量子ゲートの実現が課題となっている。このうち、初期化に必要な「超偏極」は光ポンピング法を用いることで半導体内に生成できるが、量子ゲートで必要となる「核スピン間相互作用の制御技術」が見つかっていなかった。本技術により、半導体内では光照射により核スピン相互作用の制御が可能であることが示された [1,2] (図は、光照射により相互作用が発生する様子を示した想像図)。

          Summary

          光照射下でNMR測定を実現する技術を開発。光照射により誘起される様々な現象の機構解明に貢献。
          特徴:偏光性が制御された幅広い波長域の励起光が利用可能。室温から極低温までの広い温度領域に対応。
          応用例:光触媒や光誘起相転移現象のNMRその場測定、半導体における核スピンの超偏極および光制御など。

          この機能は所内限定です。
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