SAMURAI - NIMS Researchers Database

HOME > プロフィール > 吉冨 徹

研究内容

Keywords

高分子化学、生体医工学、藻類細胞工学

高分子化学、酸化ストレス、生体医工学、藻類細胞工学

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

書籍
その他の文献

所属学会

高分子学会, 日本バイオマテリアル学会, 日本酸化ストレス学会

高分子・バイオ材料研究センター
タイトル

局所投与型光線力学療法に向けたバイオマテリアルの開発

キーワード

バイオマテリアル,酸化ストレス,光線力学療法

概要

光線力学療法(PDT)は、光増感剤と特定の波長のレーザーを組み合わせた非侵襲的な治療法である。しかし、全身投与した光増感剤が、皮膚や眼に長期残存するため、術後、日光や部屋の明るいライトに当たると、目や皮膚に炎症が生じる。この光線過敏症を抑えるため、現在の治療では、術後約1か月間は光遮光管理が必要であり、患者にとって大きなストレスとなる。例えば、高齢患者の中には、せん妄や認知症を発症する患者がいるだけでなく、働き世代としては、治療後、外での作業やパソコンを使った作業も避ける必要がある。この問題を解決するため、低分子光増感剤の全身投与ではなく、局所投与によって治療効果を発揮する新しい材料開発を行っている。

新規性・独創性

バイオマテリアル設計に基づく光増感剤の薬物動態制御
局所投与で効果を発揮する光増感剤
光線過敏症を引き起こさない光線力学療法

内容

image

注射部位に長期残存しつつ、癌組織への浸透性のある光増感剤(aHpD)に開発した。このaHpDを腫瘍近傍に投与すると、腫瘍内に徐々に浸透し、細胞膜に接着する。ここで、赤色のレーザーを照射すると、細胞が風船のように膨らみ、アポトーシスによって癌細胞が死んでいくことを見出した(図a)。一方で、aHpDを腫瘍近傍に注射しても、皮膚や眼に拡散せず、光線過敏症を引き起こさないことも実証した(図1b)。aHpDを用いた局所投与型PDT治療を行うと、腫瘍を効率的に縮小するだけなく、光線過敏症を起こさないため、患者にとってストレスが少なく、働きながらでもPDTができるウェルビーイングな治療法として期待される。

まとめ

新しい光増感バイオマテリアルを用いた局所投与型PDT治療を行うと、腫瘍を効率的に小さくできるだけなく、光線過敏症を起こさないため、高齢者にとってもストレスが少なく、また働きながらでもがん治療ができる画期的なウェルビーイングながん治療法になる可能性を実証した。また、LEDライトを当てると赤色に光るため手術前の患部のマーキングに用いるといった活用法も見出している。

この機能は所内限定です。
この機能は所内限定です。

▲ページトップへ移動