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NIMS Awardシンポジウム2026

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研究内容

Keywords

構造材料、金属疲労、疲労き裂、準安定相、放射光CT

所属学会

日本材料学会, 日本機械学会, 日本鉄鋼協会, 日本金属学会

受賞履歴

  • 日本鋳造工学会 論文賞 (金型鋳造したFe-Mn-Cr-Ni-Si系制振ダンパー合金のミクロ組織と凝固モードに及ぼすCrとNiの影響) (2026)
  • 日本材料学会 論文賞 (Fe-15Mn-10Cr-8Ni-4Si bidirectional-TRIP鋼の極低サイクル疲労に及ぼすひずみ速度の影響) (2024)
  • 日本機械学会材料力学部門 優秀講演表彰 (Deformation microstructure and fatigue property of new weldable bidirectional-TRIP steel) (2024)
  • 日本材料学会疲労部門委員会 優秀研究発表賞 (Fe-Mn-Cr-Ni-Si合金の塑性疲労特性に及ぼす化学成分の影響) (2024)
  • 日本金属学会 奨励賞 (構造用金属材料における疲労破壊の計測・評価・防止に関する研究) (2024)
  • 日本鉄鋼協会 研究奨励賞 (双方向変態を活用した耐疲労鋼の開発研究) (2023)
  • 日本材料学会 優秀講演発表賞 (Fe-15Mn-10Cr-8Ni-4Siの疲労破面直下組織の結晶学的解析) (2019)
構造材料研究センター
タイトル

金属疲労機構の解明と耐疲労合金創製

キーワード

金属疲労, 疲労き裂, 塑性変形, 相変態, 破面解析, 合金設計, 鉄鋼, チタン合金

概要

金属疲労は機械・構造物の破損原因の大半に関与し、それらの信頼性・安全性を確保するうえで重要な課題である。金属材料に繰返し力が加わると、不可逆な変形成分が蓄積され、やがて疲労き裂が発生・進展して破壊に至る。本研究では、繰返し塑性変形メカニズムが疲労応答に及ぼす影響に着目して疲労耐久性に優れた合金の開発に取り組んでいる。準安定な鉄鋼材料やチタン合金を主なターゲットとして、繰返し変形により生じる変形組織と疲労き裂の関係を明らかにすることで、疲労寿命の発現メカニズムを明らかにし、耐疲労合金の設計指針構築を目指している。また、合金開発成果を構造物の長寿命化に直結させるための取り組みとして、疲労特性だけでなく、溶接性などの実際の使用時に求められる特性を兼ね備えた材料の開発にも取り組んでいる。

新規性・独創性

● 繰返し塑性変形とき裂の関係に着目した疲労メカニズム解明
● 疲労特性の改善に資する変形メカニズム、変形組織の探索
● 微小き裂発生・進展過程のその場計測
● 疲労を基軸として実用特性を統合した材料開発の推進
● 3D破面観察や放射光CTによる疲労き裂の三次元的調査

内容

image

(上)従来比10倍の疲労耐久性を示す鋼材のき裂進展メカニズムを明らかにした。本鋼材は可逆性の高いFCC/HCP変態が繰返し塑性変形メカニズムとして生じ、き裂先端での繰返し硬化が緩和されること、また、特定の結晶面に沿うファセット状の結晶学的なき裂経路が生じることから「き裂が開きにくい」特徴を有することが判明した。この特徴のために有効なき裂進展駆動力が低減され、き裂進展速度が低下することで長寿命が発現することを示した。一方、き裂周りでは特異的にHCP/BCC変態が生じ、寿命低下の要因となりうることを指摘した。別途行った研究では、このき裂周りでのHCP/BCC変態を抑制することで、疲労寿命をさらに倍化することにも成功している。
(下)疲労特性と溶接性を兼備した鋼材の開発を行った。疲労寿命を高水準に保つ繰返し変形メカニズムを生じつつ、溶接時の凝固モードを最適化できる成分範囲を同定することで、凝固割れを生じず、従来比10倍の疲労耐久性を示す鋼材を開発した。このほかにも、疲労耐久性と溶接性に加え、耐食性も高めた鋼材の開発にも成功している。
現在、微小き裂発生・進展のその場観察と結晶方位解析を組み合わせることで、転位-塑性変形-き裂の関係を実証する疲労損傷測定手法の構築に取り組んでいる。

まとめ

● 塑性変形メカニズムはき裂挙動を変化させ、最終的な疲労特性を著しく変化させる。
● き裂周りにおける繰返し塑性変形および組織変化を最適化することで、従来比20倍までの疲労耐久性の向上に成功している。
● 優れた疲労耐久性を発現させるための条件が明確化されてきたことで、溶接性や耐食性といった実使用上重要となる他の特性を兼ね備えた材料の開発も可能となってきている。

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