SAMURAI - NIMS Researchers Database

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外部併任先

  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究内容

Keywords

医療用材料、生体適合性、生体内分解性、in vitro評価

所属学会

日本バイオマテリアル学会, 日本金属学会, 日本機械学会, 日本動物実験代替法学会

高分子・バイオ材料研究センター
タイトル

医療応用のための材料特性評価

キーワード

バイオマテリアル,体内分解性,疑似組織,抗菌材料,抗ウイルス活性,核酸分解能

概要

医療応用に際しては、材料の機能性だけでなく生体安全性確認が必須である。多くの材料は体内で分解・腐食等による損傷を生じるため、体内環境における材料の分解性・耐食性評価も重要である。これまで、医療用材料評価の多くは動物を用いた試験により実施されていた。しかし、動物試験結果は必ずしもヒト臨床結果と一致せず、またコストや動物愛護等の問題があるため、世界中で動物試験の削減・代替が進められている。そこで、in vitro(生体外)にて生体内環境を再現することで、より簡便な材料機能性・耐久性評価手法を開発している。研究成果は動物試験の縮小や新規医療材料・治療用デバイス開発の低コスト・迅速化に有用である。

新規性・独創性

● ヒト組織環境をin vitroにて再現―――低コスト・短期間・高再現性試験法の確立へ
● 開発段階における候補材のスクリーニングに適用―――開発期間・コスト低減に貢献
● 体内における材料の分解・腐食損傷機構の解明に寄与
● 医療用途に限らず、材料の安全性/体内分解性評価に適用可能―――例えば無機繊維材料の体内溶解性評価など

内容

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マグネシウム合金スクリューの疑似組織浸漬における空孔形成量を図1に示す。表面処理による腐食抑制に伴い、空孔形成量は低下した。疑似組織の組成制御により生体内の様々な組織を模擬可能であり、in vitroにおいて臨床使用時のリスク評価が可能になる。さらに、疑似体液を用いて肺胞内環境を再現することにより、無機繊維材料の体内溶解性評価にも応用できる。
汎用抗菌材料である銅・銅合金や抗菌ステンレス(ABSS)、銀(Ag)、抗菌樹脂(resin X・Y)表面における核酸分解試験結果を図2に示す。銅・銅合金表面においてのみ、著しい核酸分解を認めた。材料表面の核酸分解能と抗菌活性の間には相関があり、核酸分解能評価により 菌を用いずとも環境表面の抗菌活性推定が可能である。

まとめ

● 疑似体液や疑似組織を用い、生体吸収性金属材料や無機繊維材料の生体内腐食・溶解性評価法を開発
● 核酸溶液を用いた環境表面の抗菌・抗ウイルス活性評価法の開発
● 低コスト・迅速・簡便な手法のため、より多くの候補材の評価が可能であり、新規医用材料やデバイス開発の加速に貢献

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