HOME > Profile > YAMAGUCHI, Takahide
- Address
- 305-0044 1-1 Namiki Tsukuba Ibaraki JAPAN [Access]
Accepting Students
- Associate professor, Subprogram in Materials Science and Engineering, Graduate School of Science and Technology, University of Tsukuba (NIMS Joint Graduate School)
- Associate professor, Subprogram in Applied Physics, Graduate School of Science and Technology, University of Tsukuba (NIMS Joint Graduate School)
Research
- Keywords
Semiconductor devices, Diamond, Quantum transport, Superconductivity
PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.
Society memberships
応用物理学会, 日本物理学会, ニューダイヤモンドフォーラム
Research Center for Materials Nanoarchitectonics (MANA)
ダイヤモンドトランジスタの開発
ダイヤモンド,トランジスタ,パワーエレクトロニクス,情報通信,センシング,ワイドバンドギャップ半導体
Overview
ダイヤモンドは高絶縁破壊電界、高熱伝導度、高移動度など半導体材料として優れた特性を示し、将来のパワーエレクトロニクスや情報通信での利用が期待されている。その優れた特性を十分に活用した半導体素子を作るには、電極や絶縁体など組み合わせる材料の選択、およびその材料との界面の品質が重要になる。われわれは、従来使われてきたアルミナなどのアモルファス酸化物の代わりに、単結晶の六方晶窒化ホウ素(h-BN)をゲート絶縁体として使うとともに、水素終端ダイヤモンド表面を大気に晒さない新しい作製手法を用いることで、高性能なダイヤモンド電界効果トランジスタの開発に成功した。
Novelty and originality
● 六方晶窒化ホウ素(h-BN)単結晶をゲート絶縁体としたダイヤモンド電界効果トランジスタ(FET)を実現
● ワイドバンドギャップpチャネルFETとして最高レベルの室温チャネル移動度(680 cm2V-1s-1)の実現
● 室温チャネル移動度は、SiCやGaNのpチャネルFETに比べて20倍以上
● ノーマリオフ動作も同時に実現
● 従来のトランスファードーピングという特殊な手法を使わない水素終端ダイヤモンドFETの実証
Details
従来使われてきたアルミナなどのアモルファス酸化物の代わりに、単結晶の六方晶窒化ホウ素(h-BN)をゲート絶縁体としたダイヤモンド電界効果トランジスタ(FET)を開発した。高温高圧合成した単結晶h-BNを劈開し、表面の炭素に水素が結合した水素終端ダイヤモンド表面に転写した。転写は、ダイヤモンド表面を水素プラズマによって水素終端した後、大気に晒すことなくArガス中で行った。このFETの室温チャネル移動度は680 cm2V-1s-1に達した。これはSiCやGaNのpチャネルFETの20倍以上の値である。パワーエレクトロニクス用途で重要なノーマリオフ動作も同時に実現した。この研究は、水素終端ダイヤモンドに電気伝導性を生じさせるのに必須だと考えられてきたトランスファードーピングという特殊な手法を使わないで、一般的な半導体と同様の設計指針で水素終端ダイヤモンドFETを実現できることを示しており、今後のダイヤモンドデバイス開発の新しい指針を与える。将来的には、パワーエレクトロニクス用の低損失・小型電力変換器や情報通信やレーダー用の高出力高周波増幅器への応用が期待される。
Summary
ダイヤモンドと六方晶窒化ホウ素を組み合わせることで、高性能なトランジスタを実現できることを示した。今後さらなる界面の高品質化によって、より高い移動度を示すダイヤモンドトランジスタの実現を目指す。また、より実用に適した構造・作成手法をもつダイヤモンド半導体素子の開発を目指す。