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渡邊 誠
TEL
029-859-2469
Address
305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]

外部併任先

  • 芝浦工業大学 客員教授

研究内容

Keywords

三次元積層造形、ウォームスプレー, 耐熱コーティング, テラヘルツ波, 非破壊評価, X線CT

◯  選択的レーザ溶融法による材料開発

選択的レーザ溶融法プロセス(いわゆる金属用3Dプリンター)を対象に、レーザ出力やスキャン速度、ピッチ幅などのプロセス条件と、得られる材料組織、およびその力学特性の相関について研究を行っている。主に、チタン合金、ニッケル合金などを対象としており、レーザによる急熱急冷過程と積層過程での繰り返し加熱による組織形成への影響や、凝固割れといった造形時のき裂発生挙動の解明、およびその予測技術の開発を進めている。

◯  ウォームスプレー法によるコーティング技術の研究

ウォームスプレー(WS)法は、原料粉末をある程度加熱し活性化させつつも、溶融させることなく吹きつけ成膜する新しい手法である。これまでに、チタンやWC-Co皮膜においてプロセス時の劣化反応を著しく抑制し、緻密な組織を得ることに成功している。基材への耐摩耗性や耐食性付与に有効であるとともに、劣化損耗部位の補修技術としても期待できる。また、固相粒子が基材へ接合するメカニズムとその接合条件を解明することも目的としている。

◯  テラヘルツ波による界面欠陥イメージング

近年、大きな注目を集めるテラヘルツ(THz)波は、セラミックスをある程度透過可能である。また、X線と比べ人体への影響が少ない。このため、材料の新しい非破壊評価法として期待されている。耐熱コーティング材(TBC)や耐環境コーティング(EBC)では、熱サイクルに伴う界面はく離の発生とその検出が課題である。本取り組みでは、THz波を用いた異材界面欠陥の評価および可視化技術の開発を進めている。

Figure 1

所属学会

日本金属学会, 日本溶射学会, 日本非破壊検査協会, Minerals,Metals & Materials Society

受賞履歴

  • 日本非破壊検査協会 学術奨励賞 (2017)
  • Outstanding Review Paper 2011, Journal of Thermal Spray Technology (2012)
  • Best Reviewer Award 2010, 高温学会誌 (2011)
  • Best Paper Award 2010, Journal of Thermal Spray Technology (2011)
  • 日本溶射協会 奨励賞 (2008)
  • Certificate of Merit, International Thermal Spray Conference 2008 (2008)
  • Best Paper Awards, International Thermal Spray Conference 2007 (2007)
  • Certificate of Merit, International Thermal Spray Conference 2006 (2006)
  • Best Oral Presentation Awards, Asian Thermal Spray Conference 2006 (2006)
  • Best Paper Awards 2000, Science and Technology of Advanced Materials (2001)
構造材料研究センター
タイトル

マテリアルズインテグレーション(MI)による3D積層造形に適した新材料の開発

キーワード

3D積層造形,金属材料,耐熱材料,マテリアルズインテグレーション,DX,数値シミュレーション

概要

従来技術では困難な複雑構造体を製造できる3D積層造形プロセスは、革新的な材料プロセスとして大きな注目を集めている。しかし、既存材料をそのまま適用した場合には、造形中の欠陥の発生や微視組織の違いにより、期待される特性が得られないという課題がある。また、一つの部材製造でも部位形状に依存して熱履歴が変化し、欠陥や組織状態のばらつきが生じる。このため、3D造形に適した新しい材料開発、形状を考慮したプロセス最適化技術の確立が必要である。そこで、数値解析やデータ科学を活用したマテリアルズインテグレーション技術による組織や特性の予測技術を開発し、3D造形に適した新規材料の実現やプロセス最適化の高効率化に取り組んでいる。

新規性・独創性

レーザ3D造形プロセスを対象とした、溶融凝固挙動、凝固組織予測、応力場予測など様々な数値解析技術の開発
MI(数値解析とデータ科学)の活用による新合金の探索・試作・検証
一つの造形体内で組成を傾斜させる造形技術の開発、ハイスループット合金探索への展開
材料設計、粉末試作、造形試験、評価、フィードバックまで、一気通貫した研究開発による、AMのための新材料開発の加速

内容

image

粉末床へのレーザ走査に対して、流体解析に基づく溶融凝固挙動の数値シミューレションを開発した。さらにマルチフェーズフィールド(MPF)法と連成した凝固組織予測技術を実現した。MPF計算結果、あるいは実験観察データに基づき、PC内で微視組織を再構築し、結晶塑性解析により局所的な応力-ひずみ特性を予測するモデルを開発した。また、熱力学計算などによるデータセット構築とMI技術を組み合わせ、造形中のき裂発生を抑制可能な新規Ni基超合金の設計を行った。粉末試作を行い造形試験を行ったところ、ベースとした商用合金と比較し、劇的にき裂発生を抑制することに成功した。MIによるAMに適した新材料開発の加速が期待できる。

まとめ

レーザ3D造形プロセスの様々な数値シミュレーション技術を開発した。
MI(数値解析とデータ科学)の活用により、造形中のき裂発生を抑制可能な新規Ni基超合金の開発に成功した。
3D造形に適した新規材料の開発と、形状を考慮したプロセス最適化技術の高度化を進めていく。

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