- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
High pressure, Crystal growth, Superhard materials
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Magdalena Grzeszczyk, Kristina Vaklinova, Kenji Watanabe, Takashi Taniguchi, Konstantin S. Novoselov, Maciej Koperski. Electroluminescence from pure resonant states in hBN-based vertical tunneling junctions. Light: Science & Applications. 13 [1] (2024) 155 10.1038/s41377-024-01491-5 Open Access
- Seong-Yeon Lee, Soungmin Bae, Seonyeong Kim, Suyong Jung, Kenji Watanabe, Takashi Taniguchi, Hannes Raebiger, Ki-Ju Yee. Full phonon dispersion along the stacking direction in nanoscale van der Waals materials by picosecond acoustics. npj 2D Materials and Applications. 8 [1] (2024) 39 10.1038/s41699-024-00475-8 Open Access
- Qingxin Li, Yiwei Chen, LingNan Wei, Hong Chen, Yan Huang, Yujian Zhu, Wang Zhu, Dongdong An, Junwei Song, Qikang Gan, Qi Zhang, Kenji Watanabe, Takashi Taniguchi, Xiaoyang Shi, Kostya S. Novoselov, Rui Wang, Geliang Yu, Lei Wang. Strongly coupled magneto-exciton condensates in large-angle twisted double bilayer graphene. Nature Communications. 15 [1] (2024) 5065 10.1038/s41467-024-49406-7 Open Access
書籍
- 谷口 尚. 高品質窒化ホウ素の高圧合成. 工業製品技術協会, 2018
- SEKIGUCHI, Takashi, Yuan, Xiaoli, KOIZUMI, Satoshi, TANIGUCHI, Takashi. Characterization of p-n junctions in wide-gap semiconductors using a cathodoluminescence/electron-beam-induced current technique. Beam Injection Based Nanocharacterization of Advanced Materials, 2008, 139-152.
会議録
- WATANABE, Kenji, TANIGUCHI, Takashi. Optical Properties of Boron Nitride Single Crystals. 2013 Conference on Lasers and Electro-Optics Pacific Rim (CLEO-PR). (2013) MH2-4
- Kenji Watanabe, Takashi Taniguchi, Kenta Miya, Yoshitaka Sato, Kazuhito Nakamura, Takahiro Niiyama, Masateru Taniguchi. Hexagonal boron nitride as a new ultraviolet luminescent material and its application—Fluorescence properties of hBN single-crystal powder. DIAMOND AND RELATED MATERIALS. (2011) 849-852 10.1016/j.diamond.2011.04.002
- KAWAMURA, Fumio, TANIGUCHI, Takashi. Synthesis of cubic-GaN nanoparticles using the Na Flux Method-A novel use for the ultra-high pressure apparatus-. 2010 international conference on indium phosphide and related materials conference Proceedings. (2010) 199-202
口頭発表
- 中村 祐貴, 西村 俊亮, 岩崎 拓哉, 中払 周, 小川 真一, 森田 行則, 渡邊 賢司, 谷口 尚, 佐々木 健人, 小林 研介. 六方晶窒化ホウ素中のホウ素欠陥を利用した動的核スピン分極. 日本物理学会第79回年次大会. 2024
- 大胡 真実, 佐藤 遥大, オ ビュンフン, 小澤 大知, 北浦 良, 渡邊 賢司, 谷口 尚, 森山 悟士, 藤方 潤一, 岩崎 拓哉. グラフェン/hBN構造における光熱電効果による光通信波長光の検出. 第85回応用物理学会秋季学術講演会. 2024
- Mahito Yamamoto, IWASAKI, Takuya, Keiji Ueno, TANIGUCHI, Takashi, WATANABE, Kenji, Tomohiko Iijima, Shinichi Ogawa, WAKAYAMA, Yutaka, Shu Nakaharai. Charge trap memory based on MoS2 with He+-irradiated h-BN as a trapping layer. 第85回応用物理学会秋季学術講演会. 2024
その他の文献
- 眞榮 力, 増山雄太, 宮川 仁, 阿部浩之, 石井秀弥, 佐伯誠一, 小野田忍, 谷口 尚, 大島武, 寺地 徳之. NV-センタどうしの磁気双極子双極子相互作用強度の決定. NEW DIAMOND. 39 [3] (2023) 12-18
- 眞榮 力, 宮川 仁, 石井秀弥, 佐伯誠一, 小野田忍, 谷口 尚, 大島武, 寺地 徳之. NVセンターの荷電状態を決める演繹モデルの提案~平衡方程式モデルを用いて. New diamond. 38 [4] (2022) 9-13
- 笹間 陽介, 小松 克伊, 森山 悟士, 井村 将隆, 寺地 徳之, 渡邊 賢司, 谷口 尚, 内橋 隆, 山口 尚秀. hBNヘテロ界面を用いた高移動度ダイヤモンド電界効果トランジスタ. NEW DIAMOND. (2019) 9-15
所属学会
日本高圧力学会, ニューダイヤモンドフォーラム, 日本セラミックス協会
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
高品位ダイヤモンド及び窒化物単結晶の高圧合成
高圧合成,立方晶窒化ホウ素,六方晶窒化ホウ素,ダイヤモンド
概要
高圧合成技術を物質・材料合成研究に活用する上での大きな動機付けとして、ダイヤモンドをはじめとする工学的なニーズに応じた既知材料の高品位化がある。同時に、新たな物質・材料の未知の物性の解明は、新材料としてのシーズの発掘としての意義がある。この際、回収可能な高圧相の合成というシンプルな手法を、通常の常圧合成法では実現が困難な化学反応プロセスの場として拡張することは興味深い。例えば、高圧合成は密閉環境下で進められるため、常圧下では取り扱いが困難な反応性の試薬や揮発性物質を結晶成長の為の溶媒等として活用することが可能となる。
新規性・独創性
● 温度、化学組成と共に材料の特性を支配するパラメーターである圧力の制御。
● ベルト型高圧装置により、200mm3以上の試料空間で、10万気圧、2000℃までの圧力、温度条件における新物質・材料の合成環境の整備。
● 高圧、高温下における300時間程度までの単結晶成長環境の開発とともに、高純度単結晶成長の為の高品位溶媒の開拓。
内容
超硬質材料及びワイドギャップ半導体であるダイヤモンドと立方晶窒化ホウ素(cBN)の高品位単結晶、焼結体の高圧合成を進めてきた。取り組みの根幹は、高品位単結晶合成の鍵となる最適な結晶成長溶媒の開拓である。窒化物結晶合成において高反応性のバリウム系溶媒の有用性を見出し、高純度のcBN と六方晶窒化ホウ素(hBN)の単結晶を得た。後者は波長220nm近傍で高輝度のバンド端遠紫外線発光を呈すると共に、グラフェンを初めとする2次元原子層デバイスの無干渉性基板として、現在30ヵ国、500以上研究機関への試料提供が進められている(関連共著論文1000報以上)。近年は室温で優れた磁気センシング特性を呈するダイヤモンド中の窒素欠陥(NV-センター)の磁気感度向上に必要な、高品位ダイヤモンド単結晶の育成溶媒の改良を進めている。
まとめ
一般的に,超高圧下の単結晶合成プロセスでは不純物の制御が容易ではなく,また,試料空間の制約などを受けるため,試料の高純度化が困難であると受け止められていよう。反面,常圧下での単結晶等の合成プロセスでは,高温度下での試料や溶媒の分解等により,その合成条件の制限を受けるが,高圧合成プロセスは,高圧安定相の合成に限らず,試料や溶媒の高温度下での分解の抑制が可能である。高圧下で安定なバリウム系溶媒で得た高純度hBN単結晶は、高輝度遠紫外線光源としての可能性のみならず、2次元系原子層デバイスの絶縁性基板材料として、量子ビット、FET、スピンデバイス、量子光源開拓等の基礎研究を推し進めている。