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谷口 尚
Address
305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]

研究内容

Keywords

High pressure, Crystal growth, Superhard materials

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本高圧力学会, ニューダイヤモンドフォーラム, 日本セラミックス協会

      ナノアーキテクトニクス材料研究センター
      タイトル

      高品位ダイヤモンド及び窒化物単結晶の高圧合成

      キーワード

      高圧合成,立方晶窒化ホウ素,六方晶窒化ホウ素,ダイヤモンド

      概要

      高圧合成技術を物質・材料合成研究に活用する上での大きな動機付けとして、ダイヤモンドをはじめとする工学的なニーズに応じた既知材料の高品位化がある。同時に、新たな物質・材料の未知の物性の解明は、新材料としてのシーズの発掘としての意義がある。この際、回収可能な高圧相の合成というシンプルな手法を、通常の常圧合成法では実現が困難な化学反応プロセスの場として拡張することは興味深い。例えば、高圧合成は密閉環境下で進められるため、常圧下では取り扱いが困難な反応性の試薬や揮発性物質を結晶成長の為の溶媒等として活用することが可能となる。

      新規性・独創性

      温度、化学組成と共に材料の特性を支配するパラメーターである圧力の制御。
      ベルト型高圧装置により、200mm3以上の試料空間で、10万気圧、2000℃までの圧力、温度条件における新物質・材料の合成環境の整備。
      高圧、高温下における300時間程度までの単結晶成長環境の開発とともに、高純度単結晶成長の為の高品位溶媒の開拓。

      内容

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      超硬質材料及びワイドギャップ半導体であるダイヤモンドと立方晶窒化ホウ素(cBN)の高品位単結晶、焼結体の高圧合成を進めてきた。取り組みの根幹は、高品位単結晶合成の鍵となる最適な結晶成長溶媒の開拓である。窒化物結晶合成において高反応性のバリウム系溶媒の有用性を見出し、高純度のcBN と六方晶窒化ホウ素(hBN)の単結晶を得た。後者は波長220nm近傍で高輝度のバンド端遠紫外線発光を呈すると共に、グラフェンを初めとする2次元原子層デバイスの無干渉性基板として、現在30ヵ国、500以上研究機関への試料提供が進められている(関連共著論文1000報以上)。近年は室温で優れた磁気センシング特性を呈するダイヤモンド中の窒素欠陥(NV-センター)の磁気感度向上に必要な、高品位ダイヤモンド単結晶の育成溶媒の改良を進めている。

      まとめ

      一般的に,超高圧下の単結晶合成プロセスでは不純物の制御が容易ではなく,また,試料空間の制約などを受けるため,試料の高純度化が困難であると受け止められていよう。反面,常圧下での単結晶等の合成プロセスでは,高温度下での試料や溶媒の分解等により,その合成条件の制限を受けるが,高圧合成プロセスは,高圧安定相の合成に限らず,試料や溶媒の高温度下での分解の抑制が可能である。高圧下で安定なバリウム系溶媒で得た高純度hBN単結晶は、高輝度遠紫外線光源としての可能性のみならず、2次元系原子層デバイスの絶縁性基板材料として、量子ビット、FET、スピンデバイス、量子光源開拓等の基礎研究を推し進めている。

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