- Address
- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
外部併任先
- 筑波大学大学院数理物質科学研究科 物質・材料工学専攻
研究内容
- Keywords
合成化学 高分子化学 機能物質化学 機能材料・デバイス 高分子・繊維材料
有機・高分子合成や超分子化学の手法により新しいπ共役系有機分子・高分子ならびにそれらの集合体を創出し、既存の材料を凌駕する光・電子機能を開拓することを目指します。特に、3次元的にその分子構造がデザインされたπ共役系分子、高分子の開発と組織化、相構造や粘弾性が精密に制御された有機ソフトマテリアル材料の開発を通し、有機材料が真の能力を発揮する機能構造を探求します。
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- 竹内 正之. π共役系分子への動的ユニット導入. Chemistry and chemical industry. (2021) 839
- 福井 智也, 大城 宗一郎, 竹内 正之, 杉安 和憲. アミロイド線維のように成長する超分子集合体:メカニズムの解明と時間発展プログラム. 生物物理. 55 [3] (2015) 154-156 10.2142/biophys.55.154 Open Access
- Gayathri S. Nair, R.K. Lekshmy, Konrad Szaciłowski, Masayuki Takeuchi, Bijitha Balan. Mechanochromism and aggregation-induced emission in a fluorene-fumaronitrile-based molecular system: The influence of supramolecular control on donor-acceptor interactions. Journal of Luminescence. 276 (2024) 120857 10.1016/j.jlumin.2024.120857
書籍
- JUNG, Sung Ho, TAKEUCHI, Masayuki, SUGIYASU, Kazunori. Molecular Self-Assembly Under Kinetic Control. Elsevier, 2018
- 高井 淳朗, 竹内 正之. 回転軸を分子に組み込む:動的分子認識,分子ローター,分子ギア. CSJカレントレビュー26 分子マシンの科学 . , 2017, 156-162.
- TAKEUCHI, Masayuki. Two-Dimensional Alignment of Conjugated Polymers. Metal-Molecular Assembly for Functional Materials. , 2013, 69-77.
口頭発表
- HOLSTEIN, Lara Rae, 末松 J. 信彦, TAKEUCHI, Masayuki, TAKAI, Atsuro. Oscillatory Self-Propelled Motion Induced by the Reduction of Perylenediimides. 第75回コロイドおよび界面化学討論会. 2024
- 坂本 謙二, ブルガレビッチ キリル, 安田 剛, 三成 剛生, 竹内 正之. 高分子有機電界効果トランジスタの動作安定性と活性層の液晶性との関係. 2024年日本液晶学会討論会. 2024
- HOLSTEIN, Lara Rae, 末松 J. 信彦, TAKEUCHI, Masayuki, TAKAI, Atsuro. Molecularly Designed Self-Propelled Motion of Perylenediimide Dianions. ICMMA 2024. 2024
その他の文献
- 金原数, 飯野亮太, 竹内 正之, 前多裕介. はたらく分子マシン ナノ世界のエネルギー変換へ. 現代化学. 3 [612] (2022) 46-50
- 高井 淳朗, 竹内 正之. 回転軸を分子に組み込む:動的分子認識,分子ローター,分子ギア. CSJカレントレビュー26 分子マシンの科学 . 26 (2017) 156-162
- 高井 淳朗, 竹内 正之. 小さくて大きな電気スイッチ:共役系分子の構造変化と巨視的物性変換の連動. 月刊化学. 70 [5] (2015) 68-69
所属学会
日本化学会, 高分子学会, American Chemical Society
高分子・バイオ材料研究センター
π電子系有機材料の開発
共役系分子・高分子,分子集合体,分子認識材料,分子マシン材料
概要
π共役系分子・高分子の立体配座・立体配置の制御は、溶液状態、集合状態(固体)において光・電子機能を引き出す上で重要であり、多くの分子デザインや集積手法が提案されている。分子内、分子間相互作用部位をどのように分子デザインに反映させるかという観点に加え、外部環境(溶媒、温度)からの影響が大きいことが超分子化学、構造有機化学、有機半導体高分子分野等で知られている。我々は、発散的に分子認識部位を導入する認識材料の分子デザインを拡張し、その動的特性をコントロールすることで、光・電子・集積機能を引き出す研究を実施している。
新規性・独創性
● 限定された動的特性とπ共役系分子間の相互作用のチューニングを可能とする分子デザイン
● π共役系分子オリゴマーにおけるπ共役系分子の配向制御
● 多段階可逆的還元特性
内容
ナフタレンジイミド(NDI)分子が1, 8-ジエチニルアントラセンリンカーで架橋されたNDIを基体とする共役型シクロファン(CycloNDI)およびそのオリゴマーを新たに合成した。NDIとアントラセンの間のエチニル回転軸は、NDI誘導体中のNDI部位の距離と配向を制御し、その距離は限定した距離の範囲内で変化する。そのため、溶媒などの包摂等による構造の固定化はおこらない。本NDI誘導体は可逆的な多段階還元特性を示し、シクロファンでは比較的大きなCPL特性を示した。回転軸を2箇所有するovercrowded alkeneの1つであるフルオレニリデン誘導体では、単純な芳香族炭化水素であるのにも関わらず溶媒パラメータを検出、識別できる動的分子プローブとして作用することを見出した。
まとめ
多くの分子デザインや集積手法が提案されているπ共役系分子・高分子の立体配座・立体配置の制御に向けて、発散的に認識部位を分子周りに組み込むデザインから、光・電子機能性有機材料へと繋がる分子を合成することに成功した。これらを利用した光・電子機能性分子・高分子のデザイン、集合体構築におけるモルフォロジー制御と精密集合体構築に展開できると期待される。