HOME > Profile > TAKAZAWA, Ken
- Address
- 305-0003 3-13 Sakura Tsukuba Ibaraki JAPAN [Access]
Research
- Keywords
有機色素、自己組織化、光導波路
PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.
Published patent applications
Society memberships
日本化学会
Research Center for Electronic and Optical Materials
有機単結晶ファイバーによる分子メカニカルデバイス
有機単結晶,構造相転移,ナノファイバー,アクチュエータ,座屈
Overview
過熱や冷却により、ある種の有機結晶が突然粉砕する現象が知られている。これは、温度誘起構造相転移により結晶に瞬間的に大きな応力が発生するためである。これらの結晶は、発生力を利用したアクチュエータなどへのデバイス応用が期待されている。しかし、結晶自体が粉砕してしまうため、デバイス化が困難であるだけでなく、相転移の進展メカニズムを詳細に研究することもできなかった。本研究では、ナノファイバー化した結晶を用いることで、これらの問題を解決した。ナノファイバーは極めて柔軟性が高いため、応力に対して柔軟に変形して粉砕を免れる。これにより、高速・高出力ナノファイバーアクチュエータの開発に成功した。さらに、ファイバーの変形から相転移の進展メカニズムを解明した。
Novelty and originality
● 結晶をナノファイバー化することで「粉砕」を「変形」に変換
● ナノファイバーの変形を解析することで相転移メカニズムを解明
● ナノファイバーを座屈させ高速・高出力アクチュエータを実現
● 自重の1万倍の質量を持つ物体を空中に跳ね上げる力を発生
● 様々な分子メカニカル素子の開発に発展可能
Details
Summary
構造相転移により粉砕してしまう有機結晶をナノファイバー化した。これにより、粉砕を免れて、繰り返し変形が可能となり、アクチュエータ等のデバイス応用を可能にした。四臭化ベンゼンファイバーでは、40℃付近の室温領域で繰り返し屈曲変形させることができ、自重の1万倍の質量を持つ物体を空中に跳ね上げることが可能な非常に強い力を発生する。様々な分子メカニカル素子への応用が期待できる。