SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

鉄系超伝導・高温超伝導・ダイヤモンド・カーボンナノチューブ

超伝導はゼロ抵抗で電気のエネルギーをロス無く輸送できるため、環境エネルギー問題解決の切り札の一つとして期待されています。鉄系超伝導体、ダイヤモンド超伝導体、高温超伝導体、カーボンナノチューブ等、さまざまな超伝導材料の基礎研究を行っています。さらに、新しい超伝導線材の開発や、これらの機能性材料にナノテクノロジーを応用し、光素子や電界効果素子のような新機能デバイスの開発も行います。我々の研究室では、新しい超伝導体を探索しています。そして、究極の目的は、室温超伝導体の発見です。

所属学会

応用物理学会, 日本物理学会, 日本高圧力学会, 低温工学・超電導学会, ニューダイヤモンドフォーラム

受賞履歴

  • 超伝導科学技術賞(2006)、応用物理学会論文賞(2011) ほか ()
  • Highly Cited Researchers (Web of Science) (2017)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

AIと高圧を用いた革新的超伝導体の開発

キーワード

超伝導,超高圧,機能性材料,磁気冷凍材料,新物質創製

概要

我々のグループでは、超伝導体を始めとして磁気冷凍材料など、新奇機能性材料の開発を行う。機械学習や第一原理計算など、データーベースを活用したマテリアルズ・インフォマティクスにより候補材料を探索する。超高圧下でマルチモーダルに物性が評価できるダイヤモンドアンビルを開発し、候補物質の高圧合成や評価を行う。究極の目標は、人類の夢である室温超伝導体の発見である。

新規性・独創性

求める機能を持つ物質設計に、機械学習や第一原理計算などデーターに基づくコンピューターシミュレーションを活用し、合成の成功確率を高める。超高圧下ではマルチモーダルに物性を評価することはこれまで非常に困難であったが、電気の流れるホウ素ドープダイヤモンドを電極として用いた新たなシステムにより、100万気圧程度までの超高圧下で様々な電気測定を安定して行うことができるようになった。

内容

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超伝導状態になると電気抵抗が完全に消失し、ゼロ抵抗状態が現れる。ゼロ抵抗状態では電流を流しても一切発熱はない。すなわち、超伝導電線を用いてどんなに長距離を送電しても一切エネルギーのロスは発生しません。それ故、超伝導は環境エネルギー問題解決の切り札の一つと期待されている。しかし、この優れた性能を実現するためには、超伝導体を超伝導転移温度以下まで冷却する必要がある。これまでの多くの研究者の努力により、超伝導転移温度は飛躍的に向上し、今や260Kで超伝導が発現する物質も発見されている。あと40度ほど上昇すれば夢の室温超伝導の出現である。冷やさなくても使える夢の室温超伝導体が発見されれば世界のエネルギー事情は大きく改善すると考えられる(図1)。
我々は、データーおよびAIを駆使して候補物質を選定し、マルチモーダルな高圧装置を活用し、夢の室温超伝導体の発見を目標に研究に取り組んでいる。その研究活動の一つとしてAIとスマートラボの融合がある。AIが予想した物質を第一原理計算で検証し、スマートラボが自動合成し結果をデーターにフィードバックし、より目標の試料へ近づけていく。この方法を活用して新奇機能性材料を開発する(図2)。

まとめ

● 革新的な超伝導体を始め新奇機能性材料の開発を行う。
● マルチモーダルな測定や合成を可能にする高圧発生装置を開発する。
● AIとデーターを活用し、自動合成装置と連携して、目標物質の自動合成を目指す。

この機能は所内限定です。
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