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研究内容

Keywords

医療用接着剤、低侵襲治療、がん、タラゼラチン、疎水基、超分子

所属学会

日本接着学会, 日本バイオマテリアル学会, 日本人工臓器学会, 高分子学会, 日本化学会, 高分子学会, 日本化学会

受賞履歴

  • 日本接着学会 学会賞 (2022)
  • 日本接着学会 進歩賞 (2010)
  • つくば奨励賞 (2010)
  • 文部科学大臣表彰 若手科学者賞 (2008)
  • 日本バイオマテリアル学会 科学奨励賞 (2007)
  • 中小企業優秀新技術・新製品賞 産学連携特別賞 (2005)
高分子・バイオ材料研究センター
タイトル

低侵襲治療に貢献する革新的生体接着材料の開発

キーワード

医療用接着剤、低侵襲治療、がん、タラゼラチン、疎水基、超分子

概要

外科手術、内科的処置は高度化しており、患者負担の身体的負担を軽減するために腹腔鏡、内視鏡およびカテーテル等を用いた低侵襲治療が行われている。このような低侵襲治療に対して、湿潤環境での組織接着・閉鎖、止血、塞栓、癒着防止、血管新生誘導等の機能を有する材料設計を行い、物理化学的機能および生物学的機能の評価を行っている。低侵襲治療用材料に関する基礎的・基盤的知見の蓄積に留まることなく、医学/歯学系機関、企業との連携へと発展させ、臨床応用へ展開している。

新規性・独創性

湿潤環境で生体組織・臓器に接着する疎水化タラゼラチン接着剤
早期消化管がん除去部に吹き付けるだけで被覆できる組織接着性粒子
ホスト-ゲスト反応を活用した低膨潤組織接着性ゲル
成長因子を用いることなく血管新生を誘導する生体吸収性材料
湿潤皮膚に適用可能なフレキシブル接着シート

内容

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生体内の湿潤環境において生体組織・臓器表面に接着し、機能を発揮すると共に体内で強い炎症を引き起こすことなく分解・吸収される革新的生体接着材料の開発を行っている。既存の生体接着材料は強度と生体親和性の両立に課題があり、両者を併せ持つ材料が望まれている。そこで、世界第2位の漁獲量を誇るスケソウダラの水産加工廃棄物(皮・骨)から抽出したスケソウダラ由来ゼラチン(以下、タラゼラチン)を疎水化した疎水化タラゼラチンを主成分とした生体接着材料を開発している。手術後の肺表面への適用を目指した疎水化タラゼラチン接着剤および早期消化管がん除去部に内視鏡を用いて適用可能な組織接着性粒子に展開している。

まとめ

低侵襲治療を行う際の局所領域に対して組織接着・閉鎖、止血、塞栓、癒着防止、血管新生誘導等の機能を有する材料設計を行い、疎水化タラゼラチンを主成分とした生体接着材料が肺の空気漏れ防止や早期消化管がん除去部の被覆に対して有効であることを明らかにした。これらの革新的生体接着材料は、外科・内科領域での手術・処置に幅広く適用可能であることから、患者や医療従事者の身体的負担の軽減に繋がると考えられる。

この機能は所内限定です。
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