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- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
高温超伝導体、超伝導量子干渉素子、磁気顕微鏡
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Koji Tanaka, Shinya Ohmagari, Minoru Tachiki, Miwako Takano, Hitoshi Umezawa, Akiyoshi Chayahara, Hideaki Yamada. Characterization of mosaic diamond wafers and hot-filament epilayers by using HR-EBSD technics. Diamond and Related Materials. 123 (2022) 108839 10.1016/j.diamond.2022.108839
- Kazunori Komori, Shunichi Arisawa, Minoru Tachiki, Shuuichi Ooi, Tadayuki Hayashi, Kazuhiro Endo. Gradient magnetic field measurement using first-order gradiometers equipped with 50 mm diameter pickup coils made out of a 2G high-Tc superconducting tape. Physica C: Superconductivity and its Applications. 622 (2024) 1354519 10.1016/j.physc.2024.1354519
- Kazunori Komori, Minoru Tachiki, Shunichi Arisawa, Kazuhiro Endo. 低周波磁場を用いた深部欠陥検査応用のための RE123 系高温超伝導磁束トランスの作製. 電気学会論文誌 センサ・マイクロマシン部門誌. 138 [10] (2018) 449-454
会議録
- OOI, Shuuichi, WANG, Huabing, KOMORI, Kazunori, TACHIKI, Minoru, MOCHIKU, Takashi, HIRATA, Kazuto, ARISAWA, Shunichi. Vortex states in a submicron Bi2212 crystal probed by intrinsic Josephson junctions. Journal of Physics: Conference Series. (2018) 012034-1-012034-5
- Shuuichi Ooi, Takashi Mochiku, Minoru Tachiki, Kazuto Hirata. Vortex states in micron-sized Bi2Sr2CaCu2O8+y crystals. Journal of Physics: Conference Series . (2017) 012019-1-012019-8 10.1088/1742-6596/871/1/012019
- Shuuichi Ooi, Takashi Mochiku, Minoru Tachiki, Kazuto Hirata. Vortex penetrations in parallel-connected two stacks of intrinsic josephson junctions. Physics procedia. (2016) 85-88 10.1016/j.phpro.2016.04.033
口頭発表
- 柏木 茂, 武藤 俊哉, 日出 富士雄, 濱 広幸, 南部 健一, 長澤 育郎, 髙橋 健, 柴田 晃太朗, Kavar Anjali, 山田 悠樹, 工藤 滉大, 安彦 颯人, 梅森 健成, 阪井 寛志, 井藤 隼人, 山田 智宏, 菊池 章弘, 大井 修一, 立木 実, 有沢 俊一. 大強度4Kニオブスズ超伝導電子線形加速器の開発. 第21回日本加速器学会年会. 2024
- 関戸 真矢, 白土 裕一朗, 松本 明善, 立木 実, 井上 昌睦. Zr をパターンニングした基板上に形成したREBa2Cu3Oy 薄膜の臨界電流特性. 第107回 低温工学・超電導学会研究発表会. 2024
- 宇都宮 銀汰, 井上 昌睦, 大井 修一, 立木 実, 松本 明善. 磁気光学イメージングを用いた超電導薄膜面内の臨界電流密度評価. 第107回 低温工学・超電導学会研究発表会. 2024
その他の文献
- 渡邉騎通, 林 忠之, 立木 実, 何 東風, 糸崎 秀夫. STM-SQUIDによるミアンダラインの磁場分布計測. 電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス. (2011) 41-44
- HE, Dongfeng, TACHIKI, Minoru, ITOZAKI, Hideo. NDE using high-Tc SQUID. The proceedings of the conference of chinese superconducting film and electronics. (2008) 83-88
- Go Ota, ITOZAKI, Hideo, Jamie Barras, Ken Sakuta, TACHIKI, Minoru. Remote Sensing of Explosives in a Landmine by Nuclear Quadrupole Resonance. Progress In Electromagnetics Research Symposium 2006-Tokyo. (2006) 508-512
公開特許出願
所属学会
応用物理学会
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
超伝導・磁性材料開発のための低温磁気特性研究
超伝導材料,磁性材料,磁気光学効果,磁気顕微鏡,PLD成膜法,磁束量子,計算機シミュレーション
概要
粒子加速器などの量子ビーム応用や量子コンピュータ応用、低炭素社会へ向けた低損失線材開発などのために、これらに使用される超伝導材料の高性能化が必要である。そのためには超伝導体の低温での磁気特性の精密な研究が必要であり、磁気顕微鏡を用いた超伝導体の磁束状態の計測は材料開発の大きな指針となる。本研究では磁束量子観察が可能な磁気顕微鏡を開発し、磁束状態の動的測定を実施するとともに、計算機理論シミュレーションによる磁束量子ダイナミクスの研究も行う。さらに高性能な磁気光学センサの開発をパルスレーザー成膜法を駆使して行う。
新規性・独創性
● 独自のパルスレーザー成膜法による、高品質な磁気光学磁性薄膜や高温超伝導薄膜の合成。
● それらを使用した、高感度・高分解能な磁気顕微鏡の開発。
● 超伝導体の特異な磁束状態を含む磁気特性のこれまでにない、動的な観測。
● 実験結果を説明する、磁束量子シミュレーションの開発研究。
内容
素粒子物理学実験に使われる超伝導加速器空洞や量子コンピュータに用いられる超伝導量子ビットなどの超伝導共振器の性能向上のため、材料表面の高周波抵抗を低減することが求められている。高周波抵抗の要因の1つに磁束量子による損失があり、超伝導体中の磁束量子の挙動を研究することが重要である。また、金属超伝導線材や高温超伝導線材の性能向上のためにも超伝導体中の磁束状態を詳細に解析する必要がある。本研究では超伝導体中の磁束状態の動的・静的可視化、定量化を目的とした磁気光学顕微鏡の開発を行っている。高性能な磁気光学薄膜作製に適した独自のパルスレーザー成膜法(PLD成膜法)を用いて磁気光学センサを開発し、磁束量子の挙動を観察し、これまでに超伝導加速器空洞材料に特徴的な磁束量子クラスターの形成の動的な観察や、超伝導線材の高性能化に向けた高温超伝導薄膜のPLD成膜法による作製および磁束状態の可視化を行っている。また、これらの測定結果を説明するための有限要素法や磁束量子動力学法による計算機シミュレーションを行い、比較解析している。これらの知見をもとに超伝導共振器や超伝導線材の性能向上につなげるとともに、超伝導体中の磁束物性の解明を行う。
まとめ
● 薄膜合成プロセス、磁気物性計測、理論シミュレーションを連携することで、超伝導材料の磁束量子の動的挙動を研究した。
● 研究で得られた知見を超伝導材料の開発にフィードバックするとともに、磁性材料への適用も検討する。
● 磁気光学顕微鏡のさらなる高感度化、高分解能化を目指すとともに走査プローブ型磁気顕微鏡の開発も進める。