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研究内容

Keywords

遷移金属酸化物、熱物性、単結晶育成開発

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表

    所属学会

    日本物理学会, 日本熱電学会, 日本フラックス成長研究会

    ナノアーキテクトニクス材料研究センター
    タイトル

    金属酸化物の新奇熱物性探索と結晶育成

    キーワード

    熱伝導率,比熱,熱膨張率,酸化物,結晶育成

    概要

    従来の熱物性(熱伝導率、比熱、熱膨張率)研究は、低温に注目した基礎固体物理の研究と、高温に注目した応用材料の研究に大きく分かれていた。本研究では、固体物理の視点から主に金属酸化物の高温熱物性に注目し、新しい現象を開拓するとともに熱電変換や熱遮蔽コーティングなどへの実用化につながるような特性を導き出していく。また、特異な熱物性現象をより明確に発現させるために、酸化物の良質な単結晶を育成する。

    新規性・独創性

    固体物理のアプローチによる新奇な高温熱物性の開拓
    高精度、高確度の熱物性測定
    良質な単結晶育成

    内容

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    パイロクロア型の酸化物R2Ti2O7(R=希土類)は熱伝導率が異常に低く、空気中で高温まで安定であるため熱遮蔽コーティング材料への応用が期待できる。しかし、これまでの研究例は多結晶によるものであり、低い熱伝導率はこの物質の本質的な振る舞いであるのか不明であった。本研究ではフラックス法により良質で大型のGd2Ti2O7とDy2Ti2O7の単結晶の育成に成功し、高温の熱伝導率を正確に測定した。左の図はGd2Ti2O7とDy2Ti2O7の熱伝導率を単結晶のMgAl2O4とY3Al5O12の値と比較したものであり、パイロクロアでは本質的に熱伝導率が低いことが分かる。右の図は育成したGd2Ti2O7の単結晶であり、サイズは1.5cm程度である。この結晶育成法は他の材料への応用が期待できる。

    まとめ

    金属酸化物は空気中で高温まで安定であり、多彩な物性を示すことから多くの実用材料に使われている。しかし、確かな固体物理の視点から高温の熱物性研究を展開している例は非常に少ない。本研究では、役に立つ新しい現象の発現を目指した物性研究・開発を実施する。

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