- Address
- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
セラミックス、微粒子、異方性、磁気プロセス
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Koichiro Fukuda, Fumiya Nakajima, Daisuke Urushihara, Toru Asaka, Tohru S. Suzuki, Abid Berghout, Assil Bouzid, Olivier Masson, Philippe Thomas. Calcium ion conduction anisotropy of b-axis-aligned CaAl4O7 polycrystal. Journal of the Ceramic Society of Japan. 132 [7] (2024) 24026 10.2109/jcersj2.24026 Open Access
- Kiyoshi Kobayashi, Shogo Miyoshi, Tohru S. Suzuki. Production of Solidified Body from a Melt and Its Electrical Conductivity of CsSnBr3 Using Precursor Prepared by Mechanochemical Reaction Process. MATERIALS TRANSACTIONS. 65 [11] (2024) MT-Y2024005 10.2320/matertrans.mt-y2024005 Open Access
- Abu Yousuf, Tomoya Ohno, Jian Xu, Takayuki Nakanishi, Koji Morita, Byung-Nam Kim, Tohru S. Suzuki, Hiroaki Furuse. Transparent Ce3+-doped fluorapatite (FAP) ceramics fabricated by spark plasma sintering (SPS). Optical Materials Express. 14 [9] (2024) 2114-2121 10.1364/ome.530288 Open Access
書籍
- 鈴木 達. 磁場を用いたセラミックスの結晶配向微構造制御技術. 技術情報協会, 2020, 11.
- 鈴木 達. セラミックス微粒子の強磁場配向制御. フィラーの配向制御技術. , 2013, 14-24.
- 目 義雄, 鈴木 達, 打越 哲郎. サスペンション中の粒子配向制御. 粉・粒体の構造制御,表面処理とプロセス設計. , 2013, 665-672.
会議録
- 小林 清, 鈴木 達. 室温無電解めっきによるポリ塩化ビニル表面への二酸化ゲルマニウム結晶の成膜. 電気学会研究会資料(The Papers of Technical Meeting on "Electronic Materials", IEE Japan. (2017) 9-12
- Tetsuo Uchikoshi, Eiji Eto, Harue T. Suzuki, Chika Matsunaga, Kiyoshi Kobayashi, Tohru S. Suzuki, Hiroyuki Muto, Atsunori Matsuda. Surface Modification of Complex Oxide Powder with Polyelectrolyte Layers Improving EPD Characteristics. KEY ENGINEERING MATERIALS. (2015) 255-260 10.4028/www.scientific.net/kem.654.255
- Chika Matsunaga, Tetsuo Uchikoshi, Tohru S. Suzuki, Yoshio Sakka, Motohide Matsuda. Fabrication of c-Axis-Oriented Zeolite L Seed Layer on Porous Zirconia Substrate by Electrophoretic Deposition in Strong Magnetic Field . KEY ENGINEERING MATERIALS. (2015) 274-279 10.4028/www.scientific.net/kem.654.274
口頭発表
- 清英一, 池田賢一, 三浦誠司, 森田 孝治, 鈴木 達, 目 義雄. 強磁場配向Ti3SiC2-MAX相セラミックス焼結体における高温酸化挙動の異方性と気孔の影響. 粉体粉末冶金協会2024年度秋季大会(第134回講演大会). 2024
- SUZUKI, Tohru. Microstructure control of bulk ceramics by magnetic and electric field. Shaping9 (The 9th Shaping Conference). 2024 招待講演
- 清英一, 池田賢一, 三浦誠司, 森田 孝治, 鈴木 達, 目 義雄. Ti3SiC2-MAX相セラミックスの高温における力学特性と酸化特性の異方性. 日本金属学会2024年秋期(第175回)講演大会. 2024
その他の文献
- 小林 清, 鈴木 達. 解析を容易にする統合型電気化学インピーダンス解析ソフト. 化学工業. (2021) 556-565
- 鈴木 達. 強磁場成形プロセスでの微構造制御による機能性セラミックスの特性向上. 粉体工学会誌. 54 [1] (2017) 41-45 10.4164/sptj.54.41
- 小林 清, 鈴木 達. Growth of Small GeO2 Single Crystals on a Polyvinyl Chloride Substrate at Room Temperature using Oversaturate Aqueous Solution. IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems. 139 [3] (2019) 203-206 10.1541/ieejeiss.139.203
所属学会
日本セラミックス協会, 粉体粉末冶金協会, 粉体工学会, American Ceramic Society, 日本磁気科学会, 無機マテリアル学会, 日本金属学会
電子・光機能材料研究センター
微構造制御したバルクセラミックス創製
結晶配向,透光性,コロイドプロセス,焼結
概要
バルクセラミックスにおける特性制御では、結晶粒径、粒界、第2相分散、結晶配向などの微構造制御が重要となり、そのためには創製プロセスの精緻な制御が必要となる。本研究では特に結晶配向に着目した微構造制御を行っている。反磁性、常磁性セラミックスでは磁場の利用は難しかったが、コロイドプロセスを用いることでアルミナ、酸化亜鉛、炭化珪素などでも磁場による結晶配向を可能とし、さらに焼結時には磁場印加は不要であるため各種焼結手法を用いることが出来る。また、樹脂中におけるセラミックスフィラーの配向制御への展開も可能である。
新規性・独創性
● 反磁性体、常磁性セラミックスでも可能とする磁場を用いたバルク体における結晶配向制御
● 放電プラズマ焼結などの多岐の焼結手法との併用が可能であり、緻密に結晶配向を付与可能
● 熱伝導、イオン伝導、熱電特性、透光性などの結晶方位に依存する様々な機能特性制御
● 樹脂中などの種々のマトリックスへのセラミックスフィラー配向、短繊維などの一方向分散が可能
● ナイロンなどの造孔材の配向により多孔体における管状孔の整列制御が可能
内容
10T級の超伝導磁石であっても液体ヘリウムの供給が不要なタイプの使用が可能であり、その中での成形時にスラリー中で六方晶や正方晶などの結晶異方性を有する粒子が回転することにより、特定の結晶軸を揃えることが可能となる。c軸が磁化容易軸となる場合には、c軸と磁場印加方向が平行になるように粒子が回転し、c軸が磁化困難軸となる場合にはc軸が磁場と垂直になるように回転する。成形時での磁場印加だけが必要であるために、その後の緻密化過程は従来の様々な緻密化手法を用いることが出来る。例えば、多価カチオン伝導体であるAl2(WO4)3において、磁場の印加方法を静磁場と回転磁場とを用いることでb軸配向体とc軸配向体を造り分けることが可能であり、b軸を揃えた場合にc軸方向よりも伝導性が高くなることを見出している。また、ランダム体ではその間の特性となっている。また、アルミナにおいては成形体のパッキン構造を制御するためのコロイドプロセスと放電プラズマ焼結を駆使することで、ランダム配向体においても透光性を有する焼結体の作製が可能であることを示した(下図の青)。しかし、アルミナは異方性を有するコランダム構造であるために粒界での複屈折により直線透過性のさらなる向上が困難であった。そこで磁場配向を用いてc軸を揃えることにより複屈折を抑制することに成功し、直線透過性に優れた多結晶アルミナを作製できることを実証している。
まとめ
2次電池や燃料電池における電解質のイオン伝導性の向上、熱電材料などの異方性セラミックスにおける結晶配向による特性向上、および緻密化による直線透過性の向上を実証している。今後は磁場強度を低下させる条件の探索とバッチプロセスから連続運転可能なプロセスの開発に取り組む。プロセスの改善によりさらに様々な材料への展開が可能となると期待される。