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研究内容
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- T.T. Suzuki, Y. Yamashita, I. Sakaguchi. Bias voltage induced-electrical conductivity at electrode interfaces of a rutile TiO2 single crystal: Two different mechanisms depending on temperature. Surfaces and Interfaces. 44 (2024) 103703 10.1016/j.surfin.2023.103703
- T. T. Suzuki, T. Ohgaki, Y. Adachi, I. Sakaguchi. Polarity reversal of resistance response to trace H2 gas in the air between asymmetrically shaped electrodes on rutile-TiO2 single crystal. Journal of Applied Physics. 131 [3] (2022) 034501 10.1063/5.0078296
- T.T. Suzuki, I. Sakaguchi. Anomalous durability of (001) plane against oxygen vacancy injection at electrode/rutile-TiO2 interfaces. Surfaces and Interfaces. 35 (2022) 102371 10.1016/j.surfin.2022.102371
会議録
- YAMAUCHI, Yasushi, KURAHASHI, Mitsunori, SUZUKI, Taku. Development of a pulsed beam method for slow metastable helium atoms. プラズマ・核融合学会第28回年会プロシーディングス. (2011) 1-2
- YAMAUCHI, Yasushi, KURAHASHI, Mitsunori, SUZUKI, Taku. Scanning Image of Surface Spin by Use of Polarized Metastable Helium Atom Beam. 16th International Microscopy Congress Proceedings. (2006) 1052
- YAMAUCHI, Yasushi, KURAHASHI, Mitsunori, SUZUKI, Taku, GONG, Jinlong. A High-Density Beam of Polarized Metastable Helium Atoms. 10th International symposium on Advanced Physical Field. (2005) 435-440
口頭発表
- SUZUKI, Taku, ADACHI, Yutaka, OGAKI, Takeshi, SAKAGUCHI, Isao. Operando analysis of gas sensing surfaces by LEIS combined with pulsed jet technique. IBA & PIXE 2023. 2023 招待講演
- SUZUKI, Taku, ADACHI, Yutaka, OGAKI, Takeshi, SAKAGUCHI, Isao. Molecular sensing surfaces reproduced in vacuum by pulsed-jet technique for low-energy He+ scattering experiments. 24th International Workshop on Inelastic Ion-Surface Collisions. 2023
- 鈴木 拓. イオンビームによる表面・界面の解析と改質. 応用物理学会 第82回秋季学術講演会. 2021 招待講演
その他の文献
- 鈴木 拓. イオンビーム研究会へのお誘い. 薄膜・表面物理分科会 NEWS LETTER . 182 (2023) 45-49
- 室町 英治, 藤田 高弘, 藤田 大介, 村川 健作, 山内 泰, 三石 和貴, 川喜多 磨美子, 岩井 秀夫, 大久保 忠勝, 川喜多 仁, 北澤 英明, 木本 浩司, クスタンセ オスカル, 倉橋 光紀, 後藤 敦, 坂口 勲, 坂田 修身, 櫻井 健次, 張 晗, 篠原 正, 清水 禎, 清水 智子, 志波 光晴, 鈴木 拓, 関口 隆史, 丹所 正孝, 知京 豊裕, 長田 貴弘, 野口 秀典, 端 健二郎, 宝野 和博, 柳生 進二郎, 山下 良之, 吉川 元起, 吉川 英樹, 渡邉 賢, 渡邊 誠. 材料イノベーションを加速する先進計測テクノロジーの現状と動向. 調査分析室レポート. (2016) 73-89
- YAMAUCHI, Yasushi, KURAHASHI, Mitsunori, SUZUKI, Taku. Development of a pulsed beam method for slow metastable helium atoms. プラズマ・核融合学会第28回年会プロシーディングス. (2011) 1-2
所属学会
応用物理学会, 日本物理学会, 日本表面真空学会
電子・光機能材料研究センター
イオンビームによる表面・界面の分析と改質
イオンビーム,表面・界面,放射線物理, 酸化物半導体,ガスセンサ,水素,オペランド分析,スピン
概要
低速イオンビームに特有な物質との相互作用を利用することで、ユニークな表面分析や表面改質が可能となる。これまでにイオン散乱を利用する固体最表面の元素組成と原子位置の分析法(LEIS)に加え、反跳を利用した水素等の軽元素の原子位置の特定(ERDA)、パルスジェット法の併用によるガスセンサ表面のオペランド分析(パルスジェット-LEIS)、スピン偏極イオンを用いた表面スピンの分析(スピン偏極LEIS)、等と研究展開してきた。またこれらの分析法の開発に加えて、イオンビームの照射効果を利用した表面改質も行っている。近年では金属酸化物半導体を主なターゲット材料に設定し、その表面・界面にある欠陥等の活性サイトを利用した表面反応の探索と応用を進めている。
新規性・独創性
● 単一のイオンビームラインでLEIS、ERDA、TOF-SIMSの複合分析が可能なオンリーワンの装置。
● 水素を含めた全ての元素について10ppm以上の感度で最表面原子層での存在を検出することができる。
● 水素を含めた全ての元素について、規則性のあるものについては最表面原子層での原子位置を特定することができる。
● パルスジェット法やスピン偏極法を併用することで、実環境中での分析や表面スピンの分析が可能。
内容
固体の表面や界面は様々なデバイスで重要な役割を果たしており、その分析やそれに基づく制御は重要である。低速イオンと物質との相互作用には、イオン中性化、散乱・反跳、2次イオン放出、スパッタリング等があり、これらを利用することで他の手法では困難な表面分析や表面改質が可能となる。例えばイオン中性化を利用することで、表面スピンの分析が可能となる(スピン偏極LEIS)。また散乱や反跳を利用することで、それぞれ重元素と軽元素の表面分析(元素組成と原子位置の特定)が可能となる(LEISとERDA)。さらに二次イオン放出を利用すれば、有機材料や有機吸着物の化学構造情報を得ることができる(TOF-SIMS)。これらの分析は個別の装置で別々に行われるため試料が複数必要であり、これらの試料間での差異により解析が困難になることがある。これに対して単一のイオンビームラインで(スピン偏極)LEIS、ERDA、TOF-SIMSの複合分析が可能な装置を開発した。近年ではこの低速イオンビーム法にパルスジェット法を併用することで、ガスセンサ駆動中の表面分析を実現した。その成果の一つとして、水素の選択的な高感度検知を実現した。これらの分析以外にも、低速イオンビーム法ではスパッタリングを利用することで周期的なナノ構造の形成等が可能であり、有用な表面改質法となっている。
まとめ
低速イオンビーム法による表面分析と表面改質の開発を進めている。これらの基盤技術を利用して金属酸化物半導体の表面物性、とりわけ欠陥等の活性サイトを用いた機能発現とその応用に取り組んでいる。