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研究内容

所属学会

応用物理学会, 日本物理学会, 日本表面真空学会

電子・光機能材料研究センター
タイトル

イオンビームによる表面・界面の分析と改質

キーワード

イオンビーム,表面・界面,放射線物理, 酸化物半導体,ガスセンサ,水素,オペランド分析,スピン

概要

低速イオンビームに特有な物質との相互作用を利用することで、ユニークな表面分析や表面改質が可能となる。これまでにイオン散乱を利用する固体最表面の元素組成と原子位置の分析法(LEIS)に加え、反跳を利用した水素等の軽元素の原子位置の特定(ERDA)、パルスジェット法の併用によるガスセンサ表面のオペランド分析(パルスジェット-LEIS)、スピン偏極イオンを用いた表面スピンの分析(スピン偏極LEIS)、等と研究展開してきた。またこれらの分析法の開発に加えて、イオンビームの照射効果を利用した表面改質も行っている。近年では金属酸化物半導体を主なターゲット材料に設定し、その表面・界面にある欠陥等の活性サイトを利用した表面反応の探索と応用を進めている。

新規性・独創性

単一のイオンビームラインでLEIS、ERDA、TOF-SIMSの複合分析が可能なオンリーワンの装置。
水素を含めた全ての元素について10ppm以上の感度で最表面原子層での存在を検出することができる。
水素を含めた全ての元素について、規則性のあるものについては最表面原子層での原子位置を特定することができる。
パルスジェット法やスピン偏極法を併用することで、実環境中での分析や表面スピンの分析が可能。

内容

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固体の表面や界面は様々なデバイスで重要な役割を果たしており、その分析やそれに基づく制御は重要である。低速イオンと物質との相互作用には、イオン中性化、散乱・反跳、2次イオン放出、スパッタリング等があり、これらを利用することで他の手法では困難な表面分析や表面改質が可能となる。例えばイオン中性化を利用することで、表面スピンの分析が可能となる(スピン偏極LEIS)。また散乱や反跳を利用することで、それぞれ重元素と軽元素の表面分析(元素組成と原子位置の特定)が可能となる(LEISとERDA)。さらに二次イオン放出を利用すれば、有機材料や有機吸着物の化学構造情報を得ることができる(TOF-SIMS)。これらの分析は個別の装置で別々に行われるため試料が複数必要であり、これらの試料間での差異により解析が困難になることがある。これに対して単一のイオンビームラインで(スピン偏極)LEIS、ERDA、TOF-SIMSの複合分析が可能な装置を開発した。近年ではこの低速イオンビーム法にパルスジェット法を併用することで、ガスセンサ駆動中の表面分析を実現した。その成果の一つとして、水素の選択的な高感度検知を実現した。これらの分析以外にも、低速イオンビーム法ではスパッタリングを利用することで周期的なナノ構造の形成等が可能であり、有用な表面改質法となっている。

まとめ

低速イオンビーム法による表面分析と表面改質の開発を進めている。これらの基盤技術を利用して金属酸化物半導体の表面物性、とりわけ欠陥等の活性サイトを用いた機能発現とその応用に取り組んでいる。

この機能は所内限定です。
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