- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
Computer simulation, Glass science, Clay science, Surface chemistry
Computational materials science for a sustainable society
(資源循環物質・材料のナノ計算科学)
Code contribution (Developing computational methods for materials science):
* GAMESS (code for localization of hyperpolarizability by LMO , S. Suehara et al., PRB2004,PRB2006) in 2006
* Elk/EXCITING (code for a potential mixing method) in 2008
Review, book in Japanese(日本語による初心者向け解説記事など)
* 末原 茂, "材料研究のツールとして第一原理計算を使うために", 無機マテリアル, 31, 90-100 (2024).
* 末原 茂, "第一原理計算で熱力学:その第一歩", 金属(アグネ技術センター), 80, 11-17 (2010).
* D.S. Sholl, J.A. Steckel (佐々木 泰造, 末原 茂 共訳), "密度汎関数理論入門" (吉岡書店,2014) Amazon.co.jp 紀伊国屋書店など
* 末原 茂, "PCクラスタ構築のためのオープンソースLinux OS: Rocks"(obsolete)
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Shigeru Suehara, Hirohisa Yamada. Cesium stability in a typical mica structure in dry and wet environments from first-principles. Geochimica et Cosmochimica Acta. 109 (2013) 62-73 10.1016/j.gca.2013.01.034
- Shigeru Suehara, Hirohisa Yamada, Taizo Sasaki. Virtual-crystal approach to aluminum-avoidance materials: A first-principles density-functional calculation of micas. Physical Review B. 85 [22] (2012) 224203 10.1103/physrevb.85.224203
- Shigeru Suehara, Takashi Aizawa, Taizo Sasaki. Graphenelike surface boron layer: Structural phases on transition-metal diborides (0001). Physical Review B. 81 [8] (2010) 085423 10.1103/physrevb.81.085423
書籍
- 佐々木 泰造, 末原 茂. 密度汎関数理論入門 理論とその応用. 密度汎関数理論入門: 理論とその応用, 2014, 1-276.
- KONISHI, TOMOYA, SUEHARA, Shigeru, TODOROKI, Shin-ichi, INOUE, Satoru. Combinatorial study on new glasses. Combinatorial and High-Throughput Discovery and Optimization of Catalysts and Materials. , 2006, 61-84.
会議録
- SUEHARA, Shigeru, NOGUERA, Olivier, AIZAWA, Takashi, SASAKI, Taizo, Jacques Lucas. ab initio calculation of chain structures in chalcohalide glasses. JOURNAL OF NON-CRYSTALLINE SOLIDS. (2008) 168-172
- SUEHARA, Shigeru, KONISHI, TOMOYA, INOUE, Satoru. Ab initio study on dielectric properties of glasses using bond additivity model. ICG XX Proceedings. (2004)
- HISHITA, Shunichi, AIZAWA, Takashi, SUEHARA, Shigeru, HANEDA, Hajime. FORMATION MECHANISM OF SIC IN C-SI SYSTEM BY ION IRRADIATION. JAERI-Conf 2003-001. (2003) 228-232
口頭発表
- 佐久間 博, 末原 茂, 田村 堅志. 層状ケイ酸塩鉱物のリプロケーションによる変形メカニズ ム:分子動力学計算による検討. 日本鉱物科学会2023年年会. 2023
- 末原 茂, 上原 英愛, 田村 堅志, 渡邊 雄二郎. セシウムを取り込んだアナルサイム(ポルサイト)の計算研究. 第66回粘土科学討論会. 2023
- 末原 茂, 田村 堅志, 佐久間 博. 結晶軌道から眺めた粘土鉱物の化学結合. 第65回粘土科学討論会 http://www.cssj2.org/event/annual_meeting/. 2022 招待講演
その他の文献
- 末原 茂. 第一原理計算で熱力学:その第一歩. 金属(アグネ技術センター). 80 [1] (2010) 11-17
- SUEHARA, Shigeru, KONISHI, TOMOYA, INOUE, Satoru. Ab initio study on dielectric properties of glasses using bond additivity model. ICG XX Proceedings. (2004)
- 小西 智也, 瀬川 浩代, 末原 茂, 轟 眞市, 井上 悟. コンビナトリアルテクノロジーによる新規機能性ガラス材料の探索. セラミックス. 45 [9] (2010) 733-737
所属学会
日本粘土学会, 日本セラミックス協会, American Physical Society
受賞履歴
- DV-Xα協会優秀ポスター賞(2003) ()
電子・光機能材料研究センター
循環機能材料の理論計算
計算シミュレーション,天然鉱物,粘土鉱物,機能性層状化合物,ナノシート
概要
循環型社会の実現に向けた取り組みの一環として、天然鉱物をはじめとする希少ではないありふれた元素(ユビキタス元素)で構成された物質の特性に関する理論計算研究を行います。具体的には半経験的密度汎函数計算ミュレーションを用いて循環材料の特性の再現を目指し、実験結果との比較を通してその起源を探ります。密度汎函数法は原子の配置に基づいて物質の性質を計算する手法のひとつで、本理論研究は循環型社会における天然鉱物やユビキタス元素の適切な利用や再利用に向けた基盤技術の構築、さらには環境に配慮した資源管理や廃棄物削減などの産業活動の改善につながると考えています。
新規性・独創性
● 大型計算機(NIMSスーパーコンピュータ)やGPUを利用した高速並列計算
● 非ボルツマン型分子動力学法やエラスティックバンド法などを用いた原子・イオンの拡散や化学反応の追跡
● 各種実験スペクトルを理論的に再現することによる実験結果の検証・考察
内容
天然土壌に含まれる粘土鉱物の層間イオンの交換反応を理論計算を用いて評価し、2011年3月11日に発生した地震・津波による福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性セシウムが他の典型イオンに比べて強く粘土内に吸着していることを明らかにしました(a)。
また、代表的なユビキタス元素である珪素とホウ素からなる新規層状化合物(シリボロフェン)の構造を、その物質固有のフォノン振動を理論的に再現することで明らかにすることができました。同時に特異な電子構造(ディラックコーン)も発見することができました。これはグラフェンやボラフェン(ボロフェン)に端を発するユビキタス元素による新材料の発展型の1つとなり得る成果です(b)。他、新型イオン電池に応用可能なナノシート膜のユビキタスイオンの透過(拡散)能力を調べる研究なども行っています(c)。
まとめ
半経験的密度汎函数計算シミュレーションを軸に、原子数個から数百個程度のモデルを用いて物質の理論研究を行っています。本研究手法のみでは、循環技術の社会実装における最初の難所「魔の川」に辿り着くことすら不可能に近いと思われますが、基礎・応用・実証実験等の各ステージにおいて、理論的なモデルが構築することができれば、実験結果の解析に大きな役割を果たすことができるはずです。