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研究内容

Keywords

Computer simulation, Glass science, Clay science, Surface chemistry

Computational materials science for a sustainable society
(資源循環物質・材料のナノ計算科学)

Code contribution (Developing computational methods for materials science):
* GAMESS (code for localization of hyperpolarizability by LMO , S. Suehara et al., PRB2004,PRB2006) in 2006
* Elk/EXCITING (code for a potential mixing method) in 2008


Review, book in Japanese(日本語による初心者向け解説記事など)
* 末原 茂, "材料研究のツールとして第一原理計算を使うために", 無機マテリアル, 31, 90-100 (2024).
* 末原 茂, "第一原理計算で熱力学:その第一歩", 金属(アグネ技術センター), 80, 11-17 (2010).
* D.S. Sholl, J.A. Steckel (佐々木 泰造, 末原 茂 共訳), "密度汎関数理論入門" (吉岡書店,2014) Amazon.co.jp 紀伊国屋書店など
* 末原 茂, "PCクラスタ構築のためのオープンソースLinux OS: Rocks"(obsolete)

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

書籍

所属学会

日本粘土学会, 日本セラミックス協会, American Physical Society

受賞履歴

  • DV-Xα協会優秀ポスター賞(2003) ()
電子・光機能材料研究センター
タイトル

循環機能材料の理論計算

キーワード

計算シミュレーション,天然鉱物,粘土鉱物,機能性層状化合物,ナノシート

概要

循環型社会の実現に向けた取り組みの一環として、天然鉱物をはじめとする希少ではないありふれた元素(ユビキタス元素)で構成された物質の特性に関する理論計算研究を行います。具体的には半経験的密度汎函数計算ミュレーションを用いて循環材料の特性の再現を目指し、実験結果との比較を通してその起源を探ります。密度汎函数法は原子の配置に基づいて物質の性質を計算する手法のひとつで、本理論研究は循環型社会における天然鉱物やユビキタス元素の適切な利用や再利用に向けた基盤技術の構築、さらには環境に配慮した資源管理や廃棄物削減などの産業活動の改善につながると考えています。

新規性・独創性

大型計算機(NIMSスーパーコンピュータ)やGPUを利用した高速並列計算
非ボルツマン型分子動力学法やエラスティックバンド法などを用いた原子・イオンの拡散や化学反応の追跡
各種実験スペクトルを理論的に再現することによる実験結果の検証・考察

内容

image

天然土壌に含まれる粘土鉱物の層間イオンの交換反応を理論計算を用いて評価し、2011年3月11日に発生した地震・津波による福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性セシウムが他の典型イオンに比べて強く粘土内に吸着していることを明らかにしました(a)。
また、代表的なユビキタス元素である珪素とホウ素からなる新規層状化合物(シリボロフェン)の構造を、その物質固有のフォノン振動を理論的に再現することで明らかにすることができました。同時に特異な電子構造(ディラックコーン)も発見することができました。これはグラフェンやボラフェン(ボロフェン)に端を発するユビキタス元素による新材料の発展型の1つとなり得る成果です(b)。他、新型イオン電池に応用可能なナノシート膜のユビキタスイオンの透過(拡散)能力を調べる研究なども行っています(c)。

まとめ

半経験的密度汎函数計算シミュレーションを軸に、原子数個から数百個程度のモデルを用いて物質の理論研究を行っています。本研究手法のみでは、循環技術の社会実装における最初の難所「魔の川」に辿り着くことすら不可能に近いと思われますが、基礎・応用・実証実験等の各ステージにおいて、理論的なモデルが構築することができれば、実験結果の解析に大きな役割を果たすことができるはずです。

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