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マテリアル基盤研究センター
タイトル

データ駆動型手法と第一原理計算を用いた新材料設計

キーワード

マテリアルズ・インフォマティクス,第一原理分子動力学計算,固液界面,電池材料,磁性材料

概要

従来の材料探索では、実験で得られた良好な結果のメカニズムを計算などで解明し、それに基づく材料を探すことで着実に成果を収めてきた。しかしそれでは実験の成功を待つ必要があり、逆問題と呼ばれる必要な特性を持つような新規材料を探索することは難しかった。データ駆動型手法と既存の実験データそして第一原理計算による仮想的な材料データを利用することでこれを可能にする。社会のニーズ、特に産業競争力を高めるためには、研究しやすい科学的に面白いものだけでなく顧客関心度を高められるような複数の物性や指標を全て高められるような材料探索の必要がある。そのためのMIを利用した材料探索のノウハウを様々な材料系に対して蓄積している。

新規性・独創性

データ駆動型手法と第一原理計算データを用いた材料探索
蓄電池の電極/電解液などの固液界面における第一原理分子動力学計算データの利用
電池材料や磁性材料など、様々な材料系におけるMI解析ノウハウの蓄積

内容

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Li金属負極の実用化に向けた検討として、基礎的な負極電解液界面における構造やLiの拡散反応に関する分子サイズレベルの理解は、非常に重要であり、実験と計算の双方からのアプローチが必要不可欠である。Li金属負極/電解液界面構造を第一原理分子動力学計算により現在比較的性能よく動作するLiFSA/SL(スルホラン)高濃度電解液の負極界面での分解挙動を解明した。それまでは実験家に疑問視されていたSL溶媒の分解が、SL分子に含まれるS-O結合が解列し、解離した酸素原子がLi金属中に取り込まれて強く安定化することで起きることを計算により提案した。これはその後実験的に確認された。現在、Li負極でも分解されない電解液をMIを用いて探索している。電解液に限らず新材料の探索においては、いくつかの材料とその機能(物性)データをある程度用意した後、各材料の特徴量となる計測データや第一原理計算データを用いて機能の予測を行い、どのような特徴量が予測に有用かを抽出し、その特徴量を低コストなハイスループット計算や実験などを用いて求めることで新材料を探すバーチャルスクリーニングを行っている。

まとめ

材料探索のためのデータ駆動型手法利用と第一原理計算によるデータ創出およびメカニズム解明を実施している。複数の材料系における材料探索を行ってきており、これらのデータの連携と仮想的な材料の第一原理計算によるデータ蓄積により、外挿的な材料探索のための仕組みづくりを達成したいと考えている。

この機能は所内限定です。
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