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研究内容

Keywords

分子変換 ナノ材料作製 触媒

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

エネルギー・環境材料研究センター
タイトル

界面及び空間に着目した安定分子変換・水素製造

キーワード

水素製造,温室効果ガス変換,熱触媒,光触媒,ナノ界面材料,ナノ空間材料

概要

材料のナノレベルの界面や空間に着目し、高寿命や高活性の触媒を開発している。特に水やメタン、二酸化炭素を変換し水素を製造することは来る水素化社会や地球温暖化に対する対抗手段として重要となる。反応の界面や空間を設計することで、分子の移動や熱、励起キャリアの分離、効率的な分子の供給および排出など様々な機能を持たせることができる。ナノスケールのからマクロスケールまでを含めた触媒構造をデザインし、熱及び光を駆動力とし、実用レベルの活性や耐久性を目指している。

新規性・独創性

● 合金、金属間化合物、ポリマー酸化物ハイブリッド等を出発物質とした材料作製
● 自己組織化により特殊な界面や空間を作製可能
● 高温でも凝集しないナノ界面や、自由度の高い元素選択性を持つナノ空間材料を元に高難易度な触媒反応を実現
● メタンや二酸化炭素といった安定分子を低エネルギー投入で変換

内容

image

左図は、合金を前駆体として作製された、固定化されたナノ界面を持った触媒及び、ポリマーと金属酸化物のハイブリッドを前駆体として作製されたナノ空間を持った触媒である。図中の上はナノ相分離触媒と呼ばれ、酸化物と金属が三次元的に絡まりあって固定化された界面を形成している。金属と酸化物の界面は触媒反応において重要な役割を果たすことが知られているが、一般的な担持触媒だと界面は固定化されておらず、熱による凝集などで活性が落ちやすい。しかし、ナノ相分離触媒は高温であってもナノ界面は構造を保ち、安定した分子変換と水素製造を実現する。また、本構造は光触媒的なメタンと二酸化炭素の変換反応にも有効である。熱触媒では数百度の加熱が必要になるところ、光照射だけで反応を駆動することが可能である。シミュレーションを行うと、光照射によるキャリアの分離が効率よく行われ、メタンと二酸化炭素を変換するに至ったことが分かった。ナノ空間触媒は、高い比表面積と分子拡散能のため、高い分子変換能力を有している。ブロックコポリマーをテンプレートとして用いた場合、ラメラ、シリンダー、ジャイロイドなど多様な三次元ナノ構造を様々な酸化物で作製することができる。分子の導入と排出に有効な三次元的に繋がったナノ空間を持つ触媒をデザインし、同様の反応を行ったところ副反応の制御とハイスループットが実現した。これは、これまでの最高活性を持つ触媒の100~1000倍の活性であった。触媒の界面及び空間の重要性を示すと共に、実用化を目指した材料開発を行っていく。

まとめ

水素化社会への移行や温室効果ガスの削減のため、効率的で革新的な触媒開発が求められている。これに対し、物質のナノ界面や空間といった視点から課題を解決しうる知見を見出し、新規の触媒を創成していく。

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