- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
走査型マルチプローブ顕微鏡、ナノロッド、増強ラマン
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Yoshitaka Shingaya, Takuya Iwasaki, Ryoma Hayakawa, Shu Nakaharai, Kenji Watanabe, Takashi Taniguchi, Junko Aimi, Yutaka Wakayama. Multifunctional In-Memory Logics Based on a Dual-Gate Antiambipolar Transistor toward Non-von Neumann Computing Architecture. ACS Applied Materials & Interfaces. 16 [26] (2024) 33796-33805 10.1021/acsami.4c06116
- Daiki Nishioka, Yoshitaka Shingaya, Takashi Tsuchiya, Tohru Higuchi, Kazuya Terabe. Few- and single-molecule reservoir computing experimentally demonstrated with surface-enhanced Raman scattering and ion gating. Science Advances. 10 [9] (2024) eadk6438 10.1126/sciadv.adk6438 Open Access
- Yoshitaka Shingaya, Amir Zulkefli, Takuya Iwasaki, Ryoma Hayakawa, Shu Nakaharai, Kenji Watanabe, Takashi Taniguchi, Yutaka Wakayama. Dual-Gate Anti-Ambipolar Transistor with Van der Waals ReS2/WSe2 Heterojunction for Reconfigurable Logic Operations. Advanced Electronic Materials. 9 [1] (2023) 2200704 10.1002/aelm.202200704 Open Access
書籍
- SHINGAYA, Yoshitaka, NAKAYAMA, Tomonobu. Electrical Measurement by Multiple-Probe Scanning Probe Microscope. System-Materials Nanoarchitectonics. Springer, 2022, 14.
会議録
- Z. Kuncic, I. Marcus, P. Sanz-Leon, R. Higuchi, Y. Shingaya, M. Li, A. Stieg, J. Gimzewski, M. Aono, T. Nakayama. Emergent brain-like complexity from nanowire atomic switch networks: Towards neuromorphic synthetic intelligence. . (2018) 10.1109/nano.2018.8626236
- SHINGAYA, Yoshitaka, NAKAYAMA, Tomonobu, AONO, Masakazu. Fabrication of a WOx nanorod tip for multiple-probe scanning tunneling microscopy. Science and Technology of Advanced Materials. (2004) 647-649
口頭発表
- 西岡 大貴, 新ヶ谷 義隆, 土屋 敬志, 樋口透, 寺部 一弥. 表面増強ラマン散乱とイオンゲーティング刺激を利用する高性能少数分子リザバーコンピューティングの実証. 2024年第71回応用物理学会春季学術講演会. 2024
- 西岡 大貴, 新ヶ谷 義隆, 土屋 敬志, 樋口透, 寺部 一弥. 表面増強ラマン散乱とイオンゲーティング刺激を利用する少数分子リザバーコンピューティングの開発. 電気化学会第91回大会. 2024
- 新ヶ谷 義隆, 岩崎 拓哉, 早川 竜馬, 中払 周, 相見 順子, 渡邊 賢司, 谷口 尚, 若山 裕. 二次元原子層薄膜を用いたアンチ・アンバイポーラトランジスタによるロジックインメモリ素子の開発. 第84回応用物理学会秋季学術講演会. 2023
その他の文献
- Z. Kuncic, I. Marcus, P. Sanz-Leon, R. Higuchi, Y. Shingaya, M. Li, A. Stieg, J. Gimzewski, M. Aono, T. Nakayama. Emergent brain-like complexity from nanowire atomic switch networks: Towards neuromorphic synthetic intelligence. 2018 IEEE 18th International Conference on Nanotechnology (IEEE-NANO). (2018) 1-3 10.1109/nano.2018.8626236
- 新ヶ谷 義隆, 中山 知信. タングステン単結晶基板上におけるWOxナノロッドのエピタキシャル成長. 電気学会論文誌C. 127 [9] (2007) 1320-1323
所属学会
応用物理学会, 日本化学会, 日本物理学会
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
二次元材料機能性デバイスの開発とナノ材料評価技術の開発
二次元材料,アンチアンバイポーラトランジスタ,マルチプローブ原子間力顕微鏡,ラマン散乱増強効果
概要
さらなる高速性、高集積化が要求される次世代電子デバイスの実現に向けて、二次元薄膜半導体材料を組み合わせた機能性デバイスの開発を行っている。遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)のヘテロジャンクションを用いたアンチアンバイポーラトランジスタ(AAT)を作製し、再構成可能な論理演算回路を実現した。また、ナノ材料の電気特性を評価するためにマルチプローブ原子間力顕微鏡(MP-AFM)の開発を行っている。4本のAFMプローブをナノ材料に直接接触させることができ、新規ナノ材料の電気特性を直接計測することができる。単分子を識別するナノプローブの開発も行っている。酸化タングステン(WOx)ナノロッドのラマン散乱増強効果を用いて極微量分子の識別検出を行うことができる。
新規性・独創性
● 二次元材料のヘテロジャンクションを用いたAAT
● デュアルゲートAATによる再構成可能論理演算回路
● 独立駆動可能な4本のプローブを備えたMP-AFM
● 真空中・大気中・溶液中で動作可能なMP-AFM
● WOxナノロッドのラマン散乱増強効果を用いた単分子識別ナノプローブ
内容
遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)を中心とした二次元薄膜材料を用いて機能性デバイスを作製した。図はn型半導体としてReS2をp型半導体としてWSe2を用いて、これらをドライ転写法により積層させてチャネル中心にヘテロジャンクションを形成したデバイスである。このデバイスはゲート電圧操作によってドレイン電流が急激に増減するアンチアンバイポーラ特性を示す。ゲート電極を上下に配置しデュアルゲート型AATとした。上下のゲート電極を入力とし、ドレイン電流を出力とすることによって、論理演算回路として動作させることに成功した。図は入力電力を最適化することによって、単一素子でありながらAND, OR, NAND, NOR, XOR, XNORの6種類の論理演算動作を行うことができることを表している。この結果は論理演算回路設計の大幅な簡素化に寄与する。4本の原子間力顕微鏡プローブを独立に駆動してナノスケールの精度で任意位置に配置できるマルチプローブ原子間力顕微鏡(MP-AFM)を構築した。蒸着による金属電極の取り付けを行わずに新規ナノ材料の電気伝導特性を直接計測することが可能である。このMP-AFMは真空中・大気中・溶液中で動作させることができ、様々な環境下でのナノ材料の電気特性を評価できる。図は真空中における単一単層カーボンナノチューブの4探針計測を表している。酸素欠損面を有する導電性の酸化タングステン(WOx)ナノロッドに非常に大きいラマン散乱増強効果があることを見いだし、これを用いた単分子識別検出ナノプローブを開発している。
まとめ
二次元薄膜材料を様々に組み合わせた積層構造を作製し、機能性デバイスの開発を行っている。今後はMP-AFMを用いた動作中デバイスのオペランド計測を進め、デバイス動作原理を解明し、さらなる高性能化を図る予定である。