研究内容
- Keywords
磁性材料、スピントロニクス、ハーフメタル、熱電
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
応用物理学会, 日本磁気学会, 日本熱電学会
受賞履歴
- 本多記念会 第39回本多記念研究奨励賞 (2018)
- 第28回つくば奨励賞 若手研究者部門 (2018)
- 文部科学大臣表彰若手科学者賞 (2017)
- 船井学術賞 (2017)
- 日本磁気学会優秀研究賞 (2015)
- 第27回安藤博記念学術奨励賞 (2014)
- アジア磁気学会連合 (AUMS) 若手研究者賞 (2012)
- トーキン科学技術振興財団 トーキン科学技術賞 最優秀賞 (2012)
- 本多記念会 第50回原田研究奨励賞 (2010)
- 平成20年度日本磁気学会論文賞 (2008)
- 第7回船井情報科学学術奨励賞 (2008)
- 日本応用物理学会 JJAP論文奨励賞 (2007)
- 第10回応用物理研究助成奨励賞 (2007)
- 平成18年度東北大学大学院工学研究科長賞 (2007)
- 財団法人青葉工学振興会 第12回研究奨励賞 (2006)
- 日本応用磁気学会優秀講演賞 (2005)
磁性・スピントロニクス材料研究センター
磁性材料機能を活用した高性能・新機能デバイスの開発
磁性材料,スピントロニクス,ハーフメタル,磁気抵抗効果,異常ネルンスト効果
概要
社会のDX化が加速する中、様々な環境情報を計測するセンシング技術、それらの駆動電源となる環境発電技術、さらに得られたデータを蓄積させるストレージ技術の発展が求められている。磁性金属材料に電流や熱流を流した際に、電子のスピン方向に依存して電気抵抗が変化する現象(磁気抵抗効果)や、磁化と電流・熱流方向の直交方向に電界が生じる異常ホール・異常ネルンスト効果は、これらの技術に新しい発展性をもたらすものである。伝導電子が大きくスピン分極したハーフメタル材料や、巨大な異常ホール・ネルンスト効果を示す新規磁性材料を開発し、社会実装に向けたデバイスに展開させることを目指す。
新規性・独創性
● 室温で高い磁気抵抗効果を示すハーフメタル材料とそれらを用いた最先端磁気抵抗デバイスの開発
● 機械学習と自律探索システムを利用した高効率な新材料開拓
● 異常ネルンスト効果を活用した超低熱抵抗熱流センサや熱電発電技術の開発およびそれらの社会実装を目指した応用研究
内容
磁性材料は、上向きと下向きのスピンを持つ伝導電子の数が異なっており、この分極の度合いをスピン分極率という。上向きもしくは下向きスピンの伝導電子しか持たない材料を「ハーフメタル」と呼び、理想的にはスピン分極率が100%となる。このような材料が実現されれば、磁気抵抗効果などスピンに由来する様々な効果を飛躍的に向上させることができる。我々は世界的にも類を見ない高品質なハーフメタルホイスラー合金を用いた巨大磁気抵抗素子を作製し、次世代HDD用のリードヘッドとして期待される巨大な磁気抵抗効果を上げるなどの成果を上げている。産業展開に求められる制限を満たすため、新たな材料やプロセスの開発等を進めている。
まとめ
磁性材料が示すスピン依存伝導性や電子バンド由来の異常ホール・ネルンスト効果は、センサや発電等用途に今後更なる展開が期待できる。データ駆動型研究を通じ、より性能の高い材料やデバイス実現を目指していく。