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研究内容

Keywords

物性I 応用物性・結晶工学 薄膜・表面界面物性

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      応用物理学会, 日本液晶学会

      受賞履歴

      • トーキン科学技術振興事業団研究奨励賞(1996年) ()
      高分子・バイオ材料研究センター
      タイトル

      高機能・高性能有機高分子薄膜の作製技術開発と評価

      キーワード

      高分子有機半導体,分子配向制御,親液・撥液パターン,溶液プロセス,有機トランジスタ

      概要

      有機エレクトロニクスは、大面積、軽量、低コスト、柔軟性、伸縮性といった特徴を有し、フレキシブル・ディスプレイ、情報タグ、スマートカード、各種ウエアラブル・デバイスへの応用が期待されている。我々は、信号処理素子である有機電界効果トランジスタ(OFETs)の高性能化、高動作安定化、素子特性のばらつき低減を可能にする高分子有機半導体の薄膜作製技術の開発と、その手法によって作製したOFETsの特性評価を行っている。従来の単純な移動度競争から脱却し、高移動度と高動作安定性を同時に達成できる薄膜作製技術の開発と、デバイス構造や材料合成の設計指針の獲得を行う。

      新規性・独創性

      低表面エネルギー(撥液性)ゲート絶縁膜上に高分子有機半導体薄膜を形成する手法の開発
      有機半導体高分子のエッジオン配向とソース‐ドレイン方向への高分子主鎖の配向を同時に達成できる分子配向技術
      配向効果による2倍の移動度増強、移動度のばらつき4%以下、a-Si FETと同等のバイアス・ストレス安定性を達成
      ゲート絶縁膜表面を極薄アモルファス弗素樹脂コートすることにより3桁以上のトラッピング時定数の増強(高動作安定化)

      内容

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      高分子有機半導体溶液を高撥液性表面に塗布する手法(親・撥液パターン化)を確立し、撥液性ナノグルーブ・ゲート絶縁膜(配向誘起層)を組み込んだPBTTT-OFETアレイを作製し、分子配向効果による約2倍の移動度の増強、素子間のばらつき4%を達成した。真空環境下で、a-Si FETと同等のバイアス・ストレス安定性(トラッピング時定数 ~107 s)を確認した。

      アモルファス弗素樹脂(CYTOP)の極薄化、光パターン化をすることにより高分子有機半導体溶液の塗布が可能となった。ゲート絶縁膜表面を撥液化するためのコーティング材料をオクタデシルトリクロロシラン(ODTS)からCYTOPに変えることにより、3桁以上のトラッピング時定数の増強(高動作安定化)を実現した。

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      まとめ

      PBTTT-OFETsにおいて分子配向効果による移動度の増強、素子間のばらつき4%以下、高い動作安定性を同時に達成した。
      動作安定性を決定する要因を解明し、高分子有機半導体の分子設計指針、OFET構造の設計指針を得る。
      高移動度、高動作安定性、高均一な素子特性を同時に達成できるデバイス作製プロセスの開発を行う。

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