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研究内容
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
書籍
- 齋藤 明子, 神谷 宏治. 磁気冷凍材料と磁性蓄冷材料. レア・アース. 一般社団法人 新金属協会, 2023, 12.
- 齋藤 明子, 羽多野 毅. 球状粒子加工技術. 将来加工技術の展望. 日本工業出版, 2022, 4.
- 齋藤 明子. 磁気冷凍による水素液化とその材料技術. 水素の製造とその輸送, 貯蔵, 利用技術. 株式会社技術情報協会, 2022, 10.
会議録
- KAMIYA, Koji, NATSUME, Kyohei, NUMAZAWA, Takenori, 松本 宏一, SAITO, Akiko, 白井 毅, UCHIDA, Akira. Magnetic refrigerators for hydrogen liquefaction. Proceedings of 26th International Congress of Refrigeration 2023. 1 (2023) 46-60 10.18462/iir.icr.2023.1148
口頭発表
- 西岡 颯太郎, 神谷 宏治, 沼澤 健則, 齋藤 明子, 松本 宏一, 白井 毅, 内田 公. 低温磁気冷凍機の効率向上に向けた低温ポンプの開発. 第106回 低温工学・超電導学会研究発表会. 2023
- SAITO, Akiko, 山本 貴文, TAKEYA, Hiroyuki, TERASHIMA, Kensei, TAKANO, Yoshihiko, NUMAZAWA, Takenori. Effect of quenching and post-annealing on magnetic, magnetocaloric, and crystallographic properties in giant magnetocaloric materials ErCo2 and HoAl2. The 68th Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials (MMM 2023). 2023
- 西岡 颯太郎, 齋藤 明子, 小原 顕, 八島 光晴, 椋田 秀和. 微少試料NMRを目指した極低温小型低ノイズアンプの開発. 日本物理学会 第78回年次大会(2023年). 2023
その他の文献
- 神谷 宏治, 沼澤 健則, 齋藤 明子, 竹屋 浩幸, 松本 宏一, 増山 新二. 革新的水素液化技術への挑戦. クリーンエネルギー. 31 [10] (2022) 45-49
- 神谷 宏治, 沼澤 健則, 齋藤 明子, 竹屋 浩幸, 松本 宏一, 増山 新二. 世界初AMRRによる水素の液化に成功. CROSS T&T. 71 (2022) 1-5
所属学会
日本物理学会, 日本磁気学会, 低温工学・超電導学会
受賞履歴
- 本多記念研究奨励賞 (1995)
外部資金獲得履歴
- 新規熱交換器を用いた超低温冷凍機の革新 (2021)
- スピンによる磁気と熱のエネルギー変換機能を有する磁性機能材料の開発研究 (2010)
- 磁気熱量効果を応用した革新的高効率冷熱技術の研究開発 (2010)
- 新材料を用いた高効率常温磁気冷凍システムの開発研究 (2005)
- 高効率常温磁気冷凍材料の実用化 (2004)
磁性・スピントロニクス材料研究センター
磁気と熱のエネルギー変換を担う機能材料
相転移,磁気,熱,電子,格子,自由度,磁気熱量効果,低温生成
概要
エネルギーの高効率な利活用が求められる中、電気エネルギーはもとより、熱エネルギーのマネジメント技術の重要性が増している。磁性体は、膨大な数のスピンの自由度を内包する。この自由度をエネルギーの変換や熱溜めとして用いる技術開発の一環として、磁気と熱のエネルギー変換材料の研究を行っている。このような材料を実用するためには、大きなスピン自由度や磁気熱量効果を有する材料探索に加えて、システム応用に適した形態・サイズ・量の材料作製技術・精密な特性評価技術・物理解析技術が不可欠となる。本研究では、これら技術を活用し、物性および工学応用の両面から、磁気冷凍の心臓部として働く高効率なエネルギー変換材料を開発している。
新規性・独創性
● 熱力学サイクルに適した材料機能の設計と物性デザイン
● 粒子創製技術(電極誘導溶解、熱プラズマ)、高融点で脆性な化合物の球状化(サブミリサイズの粒子作製可能)
● 外場による相転移制御(格子、スピン)、相転移温度近傍での熱特性評価・解析技術
● 微細金属組織による磁気・熱特性の制御
● 粒子表面状態による水素拡散現象の制御
内容
磁気冷凍システムでの熱力学サイクルに適した材料機能設計、物性デザイン、実用形態設計に基づき、材料探索および粒子創製技術の開発を行った。電極誘導溶解や熱プラズマを用いた球状化技術を構築し、優れた磁気熱量効果を有する希土類金属間化合物の粒子化に成功した。また、粒子の金属組織の微細構造が外場による相転移現象と大きく相関することも見出した。量子コンピュータや超伝導機器などに必要な極低温環境の生成や、水素や天然ガスの液化への応用を目指して、相転移温度近傍での熱・磁気特性に加え、変動磁場下での銅損・鉄損、冷凍サイクルにおける固体/流体界面での熱流動などの評価・理解・制御を進め、実用に適う材料開発を推進している。
まとめ
熱エネルギーの高効率利用を目指し、磁性体のスピン自由度をエネルギーの変換や熱溜めとして用いる機能材料の研究を推進した。今後、磁気冷凍による高効率な水素液化や空調、蓄冷式冷凍への応用、量子コンピュータや超伝導機器の冷却応用への展開を目指す。