SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

固/液界面、電極触媒、界面振動分光、非線形分光、超高速分光

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本化学会, 電気化学会, 日本表面真空学会, American Chemical Society

      受賞履歴

      • 日本化学会北海道支部奨励賞(2009) ()
      エネルギー・環境材料研究センター
      タイトル

      エネルギー変換界面反応ダイナミクスのその場追跡

      キーワード

      電気化学,表面物理化学,表面増強赤外分光法,表面増強ラマン,非線形レーザー分光法

      概要

      エネルギー変換プロセスの多くは、固体と溶液が接する界面で進行しています。したがって、反応機構を詳細に理解するためには、溶液中に埋もれた表面での吸着分子の構造や配向、さらには界面電子構造に関する情報を、高感度かつ選択的にその場で測定できる手法が求められています。表面・界面にとても敏感な振動分光法のひとつである和周波発生(SFG)分光法や時間分解分光法(ポンプ‐プローブ法)を固体/溶液界面に適用することで、表面吸着種の構造を反応が進行している溶液中「その場」で調べ、表面反応(電気化学反応、光エネルギー変換反応、生体関連界面)ダイナミクスを分子レベルで明らかにすることが出来ます。

      新規性・独創性

      二次の非線形光学効果を利用した振動分光法で、表面・界面選択的な分光法である。
      光を用いるので、試料を破壊することなく「その場計測」が可能である。
      パルスレーザーを使った想定法なので、過渡的な表面現象を追跡可能である。

      内容

      周波数の異なる2つのレーザー光を試料に照射すると、2つの周波数の和の光が界面だけから発生します。その和周波光を分析することで界面の分子構造を知ることができます。振動和周波発生(VSFG)分光法は、波長固定の可視光と, 波長可変の赤外光を試料表面に入射することで、表面の振動スペクトルを得ることができます。一方、入射する可視光の波長も変えることで、表面に存在する分子の構造だけでなく表面の電子構造もプローブ可能な二重共鳴和周波発生(DR-SFG)分光システムを構築しました。ここでは、電解質溶液中のPt電極表面の電子構造が電位によって変化する様子の観測に成功しました。

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      車載用の燃料電池では、スルホン酸基を有す酸性の固体高分子電解質膜が多く使われています。しかし、燃料電池反応で最も重要となる酸素還元反応(ORR) 機構の理解は不十分です。ORR 反応は、酸素とプロトン(H+)、水が関与する単純な反応であり、その中間体もおおよそ想定されるが、実際に反応中間体の検出例がないため、律速段階の特定すらできない状態でした。反応中間体未検出の理由の一つとして考えられるのは、中間体の表面濃度が低く検出できないことにあります。今回、表面増強赤外吸収分光(SEIRAS)に用いる基板を工夫し感度を向上させることで、これまで観測できなかった酸性溶液中でのORR反応中簡体の観測に成功しました。

      まとめ

      溶液中に埋もれた界面の電子構造を調べるための新たな界面分光法の開発に成功した。
      界面電子構造情報から、各種電極触媒の活性の要因を議論する事が可能となる。
      種々の材料界面の分子構造情報を得ることで、機能性材料開発における基礎的情報を得ることが出来る。

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