SAMURAI - NIMS Researchers Database

NIMS一般公開2024

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研究内容

Keywords

水素化物、高密度化、高圧合成、高圧その場観察

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

論文
会議録
口頭発表
その他の文献

所属学会

日本高圧力学会, 日本放射光学会, 日本MRS

ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

水素化物等の高圧その場観察と高圧構造物性

キーワード

水素化物,高密度水素,水素貯蔵,イオン伝導,超伝導,静水圧

概要

水素社会の実現には、水素利用技術とともに水素や水素化物の基礎的研究が不可欠である。高密度に水素を担持する物質を探索し、その構造と物性を明らかにすることは、水素が秘めた未知の可能性を見出すことに繋がる。本研究は、高圧装置であるダイヤモンド・アンビル・セル(DAC)と、DACに水素やその他のガスを導入できる高圧ガス充填装置を用いて、数100GPaまでの高圧下で物質と高密度水素との反応や水素化物の構造相転移に関する高圧その場観察を行い、高密度水素化物の構造物性を明らかにする。その場観察の手段は、X線回折、中性子回折、Raman散乱分光などが可能で、これらを相補的に用いる。

新規性・独創性

本研究で用いる装置により、不純物の寄与がない純粋な高圧水素と物質との反応を直接その場観察できる。
より水素密度の高い水素化物を見出し、その構造物性を明らかにすることによって、水素が関与する新規機能性材料の探索や水素の新たな機能を探索できる。
DACにヘリウムを導入すれば、高静水圧下での高圧実験ができ、物質の高圧物性を適切に評価できる。

内容

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DACは、数100GPaまでの静的な高圧下で物質の反応や変化をその場観察できる唯一の高圧装置である。さらに、NIMSが所有する高圧ガス充填装置は、DACに高圧ガスを導入する目的に特化した、国内に2つしかない設備である。このような特殊設備を持つアドバンテージを生かし、DACに高圧水素を導入して各種試料の水素化反応や、水素化物の高圧構造変化の観察を行っている。観察手法は、X線回折、中性子回折、Raman散乱分光、赤外吸収分光などで、これらの高圧下その場観察が可能である。これにより、より高い水素密度を持つ新規物質や新規構造を探索するとともに、その構造物性を解明する研究を行っている。
錯体水素化物であるLiBH4は、従来は主に還元剤としての用途に用いられていたが、その高温相が超イオン導電性を示すことや、重量水素密度・体積水素密度が高く水素貯蔵材料に適することから、新たな応用研究が進められている。本研究では、LiBH4の高密度構造を明らかにするとともに、高圧相が高温相に次ぐ高イオン伝導性を示すことを見出した。
本設備を用いた研究の対象は、水素関連物質に限らない。窒素ガスを導入すれば窒化物合成の研究も可能となる。また、本設備を用いて静水圧性の高いヘリウムを圧力媒体としてDACに導入することで、試料が受ける剪断応力を最小限に抑え、高圧下でもクオリティの高い回折パターンやスペクトルを得ることができる。
これらの特長をもつ設備を用い、他の研究機関との共同研究を10件以上行っている。

まとめ

数100GPaまでの広い圧力範囲で、水素などの高圧ガスと物質との反応や物質の構造変化を、様々な手法でその場観察できるので、水素化物その他の構造物性の解明に寄与する。
一方、DACは試料空間が0.4mmΦ×0.2mmt以下と小さいため、工業生産のための物質合成には適さない。
今後はさらに高圧下で様々な物性測定(イオン伝導、電気抵抗など)を行うための設備を整備していく。

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