SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

論文
口頭発表

所属学会

応用物理学会, 日本物理学会, 日本セラミックス協会, American Chemical Society, 日本情報処理学会

マテリアル基盤研究センター
タイトル

次世代の第一原理電子状態計算の手法開発と応用展開

キーワード

第一原理量子モンテカルロ法,第一原理電子状態計算,ハイスループット計算,ソフトウェア開発

概要

第一原理量子モンテカルロ法 (ab-initio Quantum Monte Carlo method)は, モンテカルロ法を利用して多体シュレーディンガー方程式を数値的に解くことで物質の電子状態を計算する方法である. 本手法は, 現在最も普及している第一原理計算手法である密度汎関数法や波動関数法の難点を解消する, 次世代の厳密計算手法として期待されている. 基礎理論が20世紀初頭に提案された後, 21世紀になり大型並列計算機が発達したことにより, モンテカルロ法を利用することに起因する原理的な問題であった統計誤差の問題が大幅に緩和され, 実用化が急激に進んだ分野である. エクサスケール級スーパーコンピューターとの相性がよく, 現在, 世界中で熾烈な開発競争が始まっている.

新規性・独創性

第一原理量子モンテカルロ法を実装するソフトウェアの開発
ハイスループット計算の実現
フォノン分散や分子動力学を可能とするフォースの計算
スレーター行列を超えるフレキシブルな多体波動関数の実装

内容

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筆者は, 多くの海外の研究者と協働し、第一原理量子モンテカルロ法分野における新規理論の研究を行うと共に、それらの理論を実装したソフトウェアパッケージ「TurboRVB」の開発を行っている. 現在は, 国内(富岳など), 及び国外(Leonardoなど)の大型高速計算機群を活用し, 第一原理量子モンテカルロ法の物性物理学分野, 材料科学分野での応用研究も積極的に行っている. 第一原理量子モンテカルロ法の応用的な観点からの特徴は, 密度汎関数計算と異なり, 交換相関汎関数のような(半)経験的なパラメタを有しない点である. 密度汎関数法では精度に不安にある2次元層状物質等を対象に, 応用展開を進めている. TurboRVBの特徴の1つは, 原子に働く力(フォース)が計算可能な点である. 第一原理量子モンテカルロ法では, 原子に働く力のような微分量の算定が特に固体周期系に対して難しいという問題があったが, その点を解決した. この特徴により, 第一原理量子モンテカルロ法を利用したフォノン分散や分子動力学の計算も可能となっている.

まとめ

第一原理量子モンテカルロ法は, モンテカルロ法を利用するという特徴から, 並列化効率が実用上もほぼ100%となり, ムーアの法則の恩恵を最大限享受することが可能であり, エクサスケール級スーパーコンピューターとの相性が非常に良い. 近年のハードウェア, 特にCPUコア数の急激な成長により, 密度汎関数法で行われているような, ハイスループット計算が, 第一原理量子モンテカルロ法で実行可能となりつつある. 最近では, そのようなハイスループット計算を実現するためのソフトウェアパッケージ「TurboGenius」の開発にも力を入れている.

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