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- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
ベイズ推定,マルコフ連鎖モンテカルロ法,マテリアルズインフォマティクス,スペクトル解析
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- 遠藤瑛泰, 永田 賢二, 木戸尚治, 庄野逸. Bolasso を用いたびまん性肺疾患画像の特徴選択. Transactions of Information Processing Society of Japan. (2019) 68-77
- 出村 雅彦, 遠藤 瑛泰, 永田 賢二. 構造材料におけるデータ駆動手法. ぷらすとす. 6 [71] (2023) 665-669 10.32277/plastos.6.71_665
- Hiroshi Shinotsuka, Kenji Nagata, Hideki Yoshikawa, Shuichi Ogawa, Akitaka Yoshigoe. Bayesian estimation analysis of X-ray photoelectron spectra: Application to Si 2p spectrum analysis of oxidized silicon surfaces. Applied Surface Science. 685 (2025) 162001 10.1016/j.apsusc.2024.162001
口頭発表
- 工藤千英, DEMURA, Masahiko, NAGATA, Kenji, ENDO, Akihiro, 吉見 享祐. Statistical Analysis of Microstructural Features Using Scanning Electron Microscope Images of MoSiBTiC Alloy. The 8th Symposium for the Core Research Clusters for Materials Science and Spintronics and the 7th Symposium on International Joint Graduate Programs in Materials Science and Spintronics (CRCGP-MSSP2024). 2024
- IZUNO, Hitoshi, DEMURA, Masahiko, YAMAZAKI, Masayoshi, MINAMOTO, Satoshi, SAKURAI, Junya, NAGATA, Kenji, 本武 陽一, 阿部大輔, 鳥形啓輔. A Tandem Bayesian Model for Probabilistic Search to Improve Weld Joint Creep Property. NIMS AWARD SYMPOSIUM 2024. 2024
- NAGAMURA, Naoka, 松村 太郎次郎, 安藤 康伸, NAGATA, Kenji, 赤穂 昭太郎. Machine-Learning Based Analysis for Synchrotron X-ray Spectral Imaging. NIMS Award Symposium 2024. 2024
マテリアル基盤研究センター
新規材料創成に向けたデータ駆動的方法論の構築・応用
マテリアルズインフォマティクス,データ駆動的方法,ベイズ推定,機械学習,MCMC法
概要
Materials Genome Initiativeに代表されるように、材料開発にデータ科学や情報科学を取り入れる動きが国内外で盛んに行われている。NIMSでもデータプラットフォームなど材料に関する実験・計測データの収集を実施している。ここでは、こうした材料の実験・計測データの利活用を目的としたデータ駆動的方法の開発および応用を実施する。特に、材料設計に関わる組成やプロセス条件と、強度や延性、触媒反応や電気特性などの機能・特性の間を適切かつシンプルに回帰できるモデルを実現するために、実験・計測データからの特徴量の抽出、および予測モデルの構築をデータ駆動的アプローチにより実施する。
新規性・独創性
● ベイズ的スペクトル解析による信頼区間つき推定評価
● 交換モンテカルロ法にもとづく近似的な全状態探索による特徴選択
● スパース混合回帰モデルによる予測モデル構築
内容
材料設計に関わるプロセス情報と材料の特性の間を繋ぐ役割を担う構造に関する特徴量をいかにして効率よくかつ精度よく抽出するかがデータ駆動に基づく材料開発の重要な課題である。特に、XPSやIR、XRDなどの分光データに対して、ベイズ推定によるスペクトル解析法を開発しピークパラメータのみならずピークの個数の推定およびそれらの推定精度・信頼区間の導出が可能となっている。また、特性の予測においては、構造材料などに代表されるようにいくつかの層構造が存在する系において、自動的に複数の層に対応する線形モデルを組み合わせるスパース混合回帰モデルを開発し、アルミ合金や鉄鋼などにおいて新規材料設計条件の提案に成功している。これら材料分野における物理や法則に基づくモデリングを柔軟に最適化に組み込む技術として、交換モンテカルロ法による効率的な探索法をキーテクノロジーとして用いることで、オーダーメイドな材料データ解析アルゴリズムの系統的な開発が可能となる。
まとめ
来たるデータ科学時代に対して、これまで蓄積されてきた材料学における知見を融合するための方法論としてベイズ推定を基本としたアルゴリズム開発は必須の技術となる。こうした事例を多数輩出し、データプラットフォームを介して広く産業界へと展開されることが今後期待される。