- Address
- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
構造材料、応力腐食割れ、EBSD-KFM複合解析、水素透過挙動
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- YAMAMOTO, Norikazu, MURASE, Yoshiharu, NAGAKAWA, Johsei, 芝清之. Creep Behavior of 8Cr2WVTa Martensitic Steel Designed for Fusion DEMO Reactor -An Assessment on Helium Embrittlement Resistance-. Int. J. of JSME. (2002) 14-19
- ITAKURA, Akiko, 青柳里果, MURASE, Yoshiharu, YAKABE, Taro, 高木祥示, IWASAWA, Tomoya, MIYAUCHI, Naoya. Two Dimensional Visualization of Hydrogen Permeated through a Stainless Steel Membrane. Proceedings of the International Offshore and Polar Engineering Conference. (2019) 4194-4198
- Akiko N. Itakura, Tomoko Kusawake, Tomoyasu Fujimaru, Souta Miyai, Yoshihisa Matsumoto, Yoshiharu Murase. Sample Holder for Time Dependence Silver-decoration under Optical Microscope Observation. e-Journal of Surface Science and Nanotechnology. 22 [2] (2024) 2024-010 10.1380/ejssnt.2024-010 Open Access
会議録
- K Nakazawa, S Itoh, T Matsunaga, Y Matsukawa, Y Satoh, Y Murase, H Abe. Effect of dislocation and grain boundary on deformation mechanism in ultrafine-grained interstitial-free steel. IOP CONFERENCE SERIES:MATERIALS SCIENCE AND ENGINEERING. (2014) 012125-1-012125-4 10.1088/1757-899x/63/1/012125
- ITAKURA, Akiko, Shinji Suzuki, Shoji Takagi, MURASE, Yoshiharu, TOSA, Masahiro. SURFACE STRESS EVOLUTION DURING HYDROGEN IRRADIATION ON METALS. Proceedings of NMC 2014. (2014) 222-223
- NAGAKAWA, Johsei, UENO, KEIKO, MURASE, Yoshiharu, YAMAMOTO, Norikazu. DIFFERENCE IN COLD-WORKING EFFECT ON THE IRRADIATION-INDUCED DEFORMATION BETWEEN SUS 316L AND SUS 304 STAINLESS STEEL. Proceeding of ICONE-15. (2007) 525-1-525-7
口頭発表
- 板倉 明子, 艸分 倫子, 矢ヶ部 太郎, 村瀬 義治, 宮内 直弥, 松本佳久, 藤丸朋泰, 青柳里果. 実時間水素透過の可視化技術を用いた水素拡散現象評価. 日本MRS水素科学技術連携研究会 第12回トピックス研究会. 2024 招待講演
- 板倉 明子, 村瀬 義治, 艸分 倫子, 吉田 肇, 青柳 里果. 水素可視化による金属中水素透過挙動の解析. VACUUM2023真空展. 2023 招待講演
- 仮屋園 美和, 村瀬 義治, 片山 英樹, 明石 孝也. 鉄鋼材料の水素透過挙動に対するナノ・ミクロスケール解析. 材料と環境2023. 2023
その他の文献
- 村瀬 義治. KFM-EBSD-EDS解析による炭素鋼パーライト組織の耐食性評価. 腐食防食委員会資料第340回例会. 61 (2022) 1-10
- 板倉 明子, 宮内 直弥, 村瀬 義治, 高木祥示. 水素計測電子顕微鏡の開発. 配管技術. 59 [13] (2017) 14-18
- Y. Sakai, S. Suzuki, S. Takagi, H. Sakaue, D.Kato, TOSA, Masahiro, MURASE, Yoshiharu, ITAKURA, Akiko. Measurement of hydrogen permeation of stainless steel by electron stimulated desorption (ESD) method. Annual report of national institute for fusion science. 13-14 (2015) 358
所属学会
日本金属学会
構造材料研究センター
KFM-EBSD-EDS解析による構造材料の耐食性評価
構造材料,耐食性評価,結晶構造解析,顕微鏡解析,電気化学試験
概要
高強度鉄鋼材料の社会実装は、省エネルギーや環境負荷低減を推進するための重要な取組課題の1つである。鉄鋼材料の高強度化は緻密に配置された異相界面組織により実現されるが、その一方で組織の不均一化によって腐食感受性は上昇するため、異相界面組織の腐食特性をナノ・ミクロレベルで評価する技術が必要である。ここでは、耐食性に優れた高強度鉄鋼材料設計指針を得ることを目的としたKFM、EBSDおよびEDSのマルチモーダル腐食解析を紹介する。
新規性・独創性
● KFMによる、異相界面のナノ・ミクロスケール表面電位マッピング
● EBSDによる、異相界面の結晶方位マッピング
● EDSによる、異相界面の元素偏析マッピング
● 上記3つの異なるマッピング手法を統合したマルチモーダル腐食解析
内容
KFM-EBSD-EDS解析には、KFM測定箇所とSEM-EBSD-EDS測定箇所をナノ・ミクロスケールで一致させる必要がある。このため、KFM測定において表面電位像と同時に得られる表面凹凸像をSEM像と照合させることにより、マルチモーダル解析を実現した。これにより、EBSD解析による異相界面の結晶整合性に基づく耐食性評価と、KFM解析による初期腐食反応の検出、EDS解析による腐食前後の元素偏析評価など、これまで個別に議論されていた実験データを1つに統合して包括的な腐食挙動研究が可能となった。上の図は、フェライト-パーライト鋼についてマルチモーダル解析を行った結果を示しており、EBSD解析によって結晶整合性が低いと判定されたフェライト-セメンタイト異相境界では、KFM解析によって初期腐食に伴う表面電位低下とともに孔食が確認され、さらにEDS解析から腐食反応にはMnとCの偏析が関係していることが明らかとなった。このようなマルチモーダル腐食解析手法を用いた研究は世界的にも報告例が少なく、構造材料の腐食挙動メカニズムに関する基礎・基盤研究の強化に貢献するとともに、ナノ・ミクロスケールの結晶組織に基づく構造材料の耐食性評価、さらに耐食性に優れた高強度鉄鋼材料設計技術の開発に寄与することが期待される。
まとめ
● KFM-EBSD-EDSのマルチモーダル腐食解析の実現
● ナノ・ミクロスケールの結晶組織に基づく構造材料の耐食性評価
● 耐食性に優れた高強度鉄鋼材料設計技術の開発