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研究内容

Keywords

高温超伝導、中性子回折、結晶構造解析

所属学会

日本結晶学会, 日本中性子科学会, 日本物理学会

ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

中性子回折による物質・材料の非破壊検査

キーワード

中性子回折,X線回折,非破壊検査,結晶構造

概要

物質・材料が発現する機能を理解するには、原子スケールの構造(結晶構造)に関する情報が必要不可欠であり、X線・中性子回折を利用することで様々な環境下の物質・材料の結晶構造に関する情報を収集することができる。特に、透過力の強い中性子を利用すると、非破壊で材料内部、稼働状態にある装置内部の材料の結晶構造に関する情報を容易に収集できることがわかった。従来は材料内部を解析するには材料を分解する必要があり、稼働状態にある装置内部の材料を解析するには専用の装置を開発する必要があったが、本研究による方法では材料や装置をそのまま測定すればよい。

新規性・独創性

X線・中性子回折を利用した物質の原子スケールの構造評価
中性子回折を利用した内部を含めた材料の非破壊検査
中性子回折を利用した稼働状態にある装置内部の材料の非破壊検査

内容

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物質のX線・中性子回折データを解析することにより格子定数、原子配列、席占有率、熱振動等の情報だけでなく、三次元の電子密度分布又は散乱長密度分布(イオン分布に相当する。)を算出して、物質の機能を理解するための基盤とすることができる。左図は中性子回折により求めた高温超伝導体の結晶構造と散乱長密度分布を示す。
分析するためには通常材料を切断、研磨等加工をしなければならないが、中性子回折を利用することにより、非破壊で内部を含めた材料の結晶構造、構成する化合物の組成及び質量比、結晶粒、歪み等の情報をプロファイル解析から得ることができる。右上図は液化水素製造用の磁気冷凍材料のプロファイル解析の例を示す。
中性子回折を利用することにより、装置を稼働させた状態(オペランド)で装置内部の材料の結晶構造等の情報を解析することができる。解析するために専用の装置を開発することはなく、実物を測定すればよい。充放電中の実電池の様子等を観察することに適用でき、右下図は充放電中の18650電池の中性子回折パターンの時間変化の例を示す。

まとめ

中性子回折を利用することにより、材料内部や稼働状態にある装置内部の材料の結晶構造等の解析ができることがわかった。
解析するために材料を切断、研磨等加工をしたり、専用の装置を開発することは不要で、実際の材料や装置を非破壊で検査できる。
多数の材料のデータや稼働状態での時間変化のデータを自動で収集することが可能であり、収集したデータを自動で解析し、メタデータを付加してデータベース化することを目指している。

この機能は所内限定です。
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