- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
Organic synthesis, Supramolecular Chemistry, Nanomechanical sensors, Molecular Biology
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
日本化学会, 応用物理学会
受賞履歴
- BCSJ Award (January Issue) (2023)
- つくば奨励賞 (2023)
- Best Poster Award (2012)
高分子・バイオ材料研究センター
においセンサの開発および新たなセンシング手法の創出
ナノメカニカルセンサ,理論解析,材料合成,有機合成,センサ応用,医療診断
概要
化学センサの一種であるナノメカニカルセンサは、原理的にありとあらゆる固体材料が感応膜、すなわち、分子を検出する材料として利用可能であり、ガスセンサやにおいセンサへの応用が期待されている。ナノメカニカルセンサの理論モデルの構築による感応膜材料開発の指針の創出、幅広い化学選択性を持つ感応膜材料の開発などの基礎的な研究から、においセンサの社会実装に向けた応用研究に至る幅広い研究を進めている。また、ナノメカニカルセンサの基礎的な研究開発から着想を得た新たなセンシング手法の開発・確立へと展開している。
新規性・独創性
● 吸着速度論と粘弾性理論を用いた応答シグナルの理論化
● 新たな機能性材料合成による幅広い化学選択性の創出
● パターン認識や機械学習を用いた「におい」の識別
● 理論モデル・基礎的研究から創出した新たなセンシング手法の開発・確立
内容
化学センサやそれらを複数並べたセンサアレイは、人間の鼻を模倣した『においセンサ』として注目されている。このにおいセンサの実現には、センサアレイそれぞれに多様なにおいを識別すべく、幅広い化学選択性を有する「感応膜」が求められている。原理的にありとあらゆる固体材料が感応膜として利用可能なナノメカニカルセンサに着目し、これまで理論解析・感応膜材料開発など基礎的な研究からにおいセンサの社会実装を目指した応用研究まで幅広く研究している。においセンサ応用として、例えば、農業分野における食品・農作物の品質管理や医療分野における呼気で病気を判断する究極の非侵襲の診断手法である「呼気診断」の研究など多岐にわたって研究を進めている。他方で、理論解析などの基礎的な研究開発から、新たなセンシング手法の創出にも成功している。例えば、微量水分へ極めて高い選択性を持つ感応膜材料開発から、有機化学反応において重要な有機溶媒中の超微量水分測定を可能にするセンサの開発や、ガス分子がセンサに吸脱着する際の理論解析から、逆転の発想から新たなパターン認識による固体材料の識別法の確立、さらに、この固体材料識別法を応用した医療診断デバイスへの展開など、においセンサ開発にとどまらず新たなセンシング手法の開発も進めている。
まとめ
においセンサ開発における基礎から応用に至る総合的な研究開発により、センサ開発における五感最後の砦である「嗅覚」の社会実装に向けて研究している。さらに、基礎的な研究開発から、新たなセンシング理論の創出・センシング手法やセンサデバイスの開発へと展開している。