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出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- 西澤 侑吾, 松本 凌, 田中 博美, 吉川 英樹, 田沼 繁夫, 吉原 一紘. 初期端点の自動調整機能を付加した active Shirley 法による XPS バックグラウンドの自動推定. JOURNAL OF SURFACE ANALYSIS. [1] (2017) 36-46
- 松本 凌, ホー ズーフォン, 寺倉 清之, 高野 義彦. データ駆動型網羅探索による新規圧力誘起超伝導体の加速的探索. 固体物理. (2019) 413-420
- Fysol Ibna Abbas, Yuki Nakahira, Aichi Yamashita, Md. Riad Kasem, Miku Yoshida, Yosuke Goto, Akira Miura, Kensei Terashima, Ryo Matsumoto, Yoshihiko Takano, Chikako Moriyoshi, Yoshikazu Mizuguchi. Estimation of the Grüneisen Parameter of High-Entropy Alloy-Type Functional Materials: The Cases of REO0.7F0.3BiS2 and MTe. Condensed Matter. 7 [2] (2022) 34 10.3390/condmat7020034 Open Access
書籍
- 松本 凌, 高野 義彦. マテリアルズ・インフォマティクスによる新超伝導物質の発見. シーエムシー・リサーチ, 2020, 9.
- 松本 凌, 高野 義彦. 第6章第7節:データ駆動的手法を用いた圧力誘起超伝導体の高効率的探索. 株式会社技術情報協会, 2021, 10.
- 松本 凌, 高野 義彦. データベースと第一原理計算による超伝導物質の加速的探索. (株)エヌ・ティー・エス, 2021, 10.
口頭発表
- 大隈理央, 佐々木岬, 松本 凌, 新名亨, 入舩徹男, 高野 義彦, 清水克哉. Sn薄膜の超伝導転移温度の圧力効果. 日本物理学会第79回年次大会. 2024
- 渡邊雄翔, 有馬寛人, 河口沙織, 門林宏和, 岡健太, 臼井秀知, 松本 凌, 高野 義彦, 川幡武, 川島千弦, 高橋博樹, 山下愛智, 水口佳一. 遷移金属ジルコナイド超伝導体CoZr2における高圧下体積負熱膨張の発現. 日本物理学会第79回年次大会. 2024
- 大森 竣介, Mendoza Marina, 鄭 雨萌, 堺 健司, 佐藤 祐喜, 吉門 進三, 松本 凌, 高野 義彦. Bi系酸化物高温超伝導体Bi1.75Pb0.35Sr1.9CaxCux+1Oy( x≥2) の合成に関する研究. 第85回応用物理学会秋季学術講演会. 2024
その他の文献
- 松本 凌, 高野 義彦, 西島 元, 北口 仁. 高磁場マグネット応用を目指したNbTi-Bi2223超電導線材のゼロ抵抗接合. FSST NEWS. 158 (2018) 2-5
- 松本 凌, 高野 義彦. ダイヤモンドを利用した高圧力下電気抵抗測定装置の開発. OYO BUTURI. 87 [6] (2018) 416-420 10.11470/oubutsu1932.87.416
所属学会
応用物理学会, 日本高圧力学会, 日本物理学会, ニューダイヤモンドフォーラム
受賞履歴
- 第68回応用物理学会 Best Poster Award (2021)
外部資金獲得履歴
- 研究活動スタート支援 (2020)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
極限環境での物質探索を加速するダイヤモンドデバイス
ダイヤモンド,温度,圧力,薄膜,電気二重層,超伝導
概要
ダイヤモンドは宝石として知られる一方、優れた機械的強度、化学的安定性および電気的特性を持ち、様々な分野で機能性材料として応用されている。我々はホウ素をドープした導電性ダイヤモンド薄膜を任意のパターンに成型することで、高温・低温・高圧力などの極限環境下で安定動作する電極を開発した。この電極を用いることで、極限環境下では困難であった物質の合成や物性測定がハイスループット化され、理論予測に留まっていた数々の超伝導候補物質の実験実証に成功した。現在はダイヤモンド電極の技術を活用し、極限環境下で動作する電気二重層トランジスタや量子センシング素子の開発も進めている。
新規性・独創性
● 機械的・化学的に安定かつ電気伝導度の制御が可能なダイヤモンド電極
● ミリオーダーからサブミクロンオーダーにわたるトランススケール計測
● 極限環境下でのハイスループット機能性材料開発
● 10万気圧以上の超高圧力領域への簡単アクセス
内容
ホウ素ドープダイヤモンドは、ダイヤモンドが本来持つ優れた機械的・化学的安定性に加えて、電気的特性を絶縁体・半導体・金属とチューニングできる点が特長である。本研究では適切にキャリア密度を制御したホウ素ドープダイヤモンドを、試料の物性測定用電極・ヒーター・温度計の形状でダイヤモンド圧子の上にエピタキシャル成長させた「極限環境下物質探索用デバイス」を開発した。このデバイスではダイヤモンド圧子により数十万気圧以上の圧力、ダイヤモンドヒーターにより数百℃以上の高温環境を作り出し、その場で試料の電気輸送特性測定や構造解析を行うことができる。従来、同様の実験を行うためには莫大な労力が必要であったが、全ての要素に繰り返し使用可能なダイヤモンドを用いることにより、簡便かつハイスループットな物質開発を実現した。本技術は、理論的に極限環境下で存在すると予測されている室温超伝導体の実証実験に大きく貢献する。また極限環境下で動作する電気二重層トランジスタやダイヤモンド量子センサーのリード線としての応用も進めており、今後様々な形で活用することのできる技術と期待している。
まとめ
導電性ダイヤモンド薄膜を電極材料として用いることで、ハイスループットな物質開発が可能となった。特に超高圧力下での新奇超伝導体探索において強力な手法と期待される。ホウ素ドープダイヤモンドは希少元素を含まず、絶縁体から金属にわたって広範囲に導電性を制御できることから、貴金属電極の代替材料としても益々注目される技術となることが期待される。